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年度 | 2010 |
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科目名 | 食糧経済学 |
担当者名 | 高橋 信正 |
科目目標 The Objectives |
食糧経済学というのは、食糧に関する経済現象をまとめたものである。それらを理解するには食糧の生産から加工、流通、消費までの流れを知る必要がある。それで、私たちの現代の食生活の現状と課題を認識し、わが国の食事情を考える。 |
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授業内容 The Content of the Course |
世界では食糧不足の気配があるなか、わが国の食生活は成熟段階に達し飽食の時代とさえいわれ、日本の食料自給率は41%に過ぎないのに多大の食べ残し・破棄が行われている。こうしたわが国の食事情を食生活・家族など消費者側の変化と食品流通業・食品工業などの供給側の変化等をとおして明らかにしていく。 |
授業計画 Class Plan |
1.食糧経済学で何を学ぶか:1年間の授業計画とともに、現代においては生産段階の「農」と私
たちの食卓段階での「食」の間の距離が離れていることを理解する。 2.フードシステム:現在の複雑な食料流通の現状と問題点について学ぶ。 3.家族の変化と食生活:戦後(第2次世界大戦後)の食生活の歴史や近年の家族の変化による食 生活の変化を考える。 4.食生活の成熟:食糧の需給システムや消費者購買行動の原理を学ぶ。 5.食糧経済の基礎理論:ミクロ経済学の、特に価格理論に基づいて価格弾力性などの食糧と価格 の関係について学ぶ。 6.すすむ食生活の外部化:女性の社会進出などによる食生活の外部化について学ぶ。 7.農畜水産物の生産:農畜水産物は生きるうえで不可欠のものであるから、たとえ産業として地 位が低くても食料供給としての役割は重要であることを知る。 8.食品製造業・農産加工の役割:食品製造業の特徴、役割、変化を示すとともに、市場開放によ りどのような影響があるのかを知る。 9.農産物生産と流通・販売:現在は市場外流通、産地直送形態の販売が増加し卸売市場流通が減 少を続けているが、その理由を明らかにするとともに現状、将来について学ぶ。 10.食糧自給率:食糧輸入大国日本の現状、なぜ輸入が増えることになったのかを考える。 11.世界の人口と食糧:世界における食糧問題と人口との関係、食糧増産の可能性・分配のあり 方についてまとめる。 12.食の安全性:BSE、偽装表示問題など食生活に影響を与える要因等について考える。 13.日本の食糧政策:日本の食糧政策の推移とその必然性を明らかにするととともに、政策と環 境についても学ぶ。 14.15.日本の食料問題:これまでに起きている食に関する事件、問題の原因等について考え る。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(60点) ・レポート[作品含む](30点) ・平常点等(10点) 配点内訳:授業への積極的参加度 |
教科書 Textbook |
時子山ひろみ 荏開津典生/フードシステムの経済学 第4版/医歯薬出版株式会社 |
指定図書 Reserved Books |
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参考書 Reference Books |
高橋正郎編著/食料経済 第3版/ 理工学社 |
留意事項 Special Class Information |
現代社会に起きている「食」の問題は皆さんの身近なものであり命、健康にも深く関係していますので、ぜひ興味を持って下さい。また、講義は授業内容で示した順序と異なる場合があります。 |
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