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年度 2010
科目名 生体分子の化学
担当者名 萩中 淳・黒田 幸弘・谷本 敏子


科目目標
The Objectives
生体の機能や医薬品の働きが三次元的な相互作用によって支配されていることを理解するために、生体分子の立体構造、生体分子が関与する相互作用、およびそれらを解析する手法に関する基本的知識と技能を修得する。
授業内容
The Content of the Course
生体分子、化学物質の姿、かたちをとらえるために、それらの解析に必要な方法に関する基本的知識と技能を講義する。また、生体分子の機能および医薬品の働きを立体的、動的にとらえるために、タンパク質、核酸および脂質などの立体構造やそれらの相互作用に関する基本的知識を講義する。
授業計画
Class Plan
(1)生体分子を解析する手法(10回)
【分光分析法】C3(1)1)〜6)
1)紫外可視吸光度測定法の原理を説明し、生体分子の解析への応用例について説明できる。
2)蛍光光度法の原理を説明し、生体分子の解析への応用例について説明できる。
3)赤外・ラマン分光スペクトルの原理と、生体分子の解析への応用例について説明できる。
4)電子スピン共鳴スペクトル測定法の原理と、生体分子の解析への応用例について説明できる。
5)旋光度測定法(旋光分散)、円偏光二色性測定法の原理と、生体分子の解析への応用例について
 説明できる。
6)代表的な生体分子(核酸、タンパク質)の紫外および蛍光スペクトルを測定し、構造上の特徴と
 関連付けて説明できる。
【核磁気共鳴スペクトル】C3(1)1)〜2)
1)核磁気共鳴スペクトル測定法の原理を説明できる。
2)生体分子の解析への核磁気共鳴スペクトル測定法の応用例について説明できる。
【質量分析】C3(1)1)〜2)      
1)質量分析法の原理を説明できる。
2)生体分子の解析への質量分析の応用例について説明できる。
【X線結晶解析】C3(1)1)〜2)   
1)X線結晶解析の原理を概説できる。
2)生体分子の解析へのX線結晶解析の応用例について説明できる。
【相互作用の解析法】C3(1)1) 
1)生体分子間相互作用の解析法を概説できる。
(2)生体分子の立体構造と相互作用(4回)
【立体構造】C3(2)1)〜5)
1)生体分子(タンパク質、核酸、脂質など)の立体構造を概説できる。
2)タンパク質の立体構造の自由度について概説できる。
3)タンパク質の立体構造を規定する因子(疎水性相互作用、静電相互作用、水素結合など)に
 ついて、具体例を用いて説明できる。
4)タンパク質の折りたたみ過程について概説できる。
5)核酸の立体構造を規定する相互作用について、具体例を挙げて説明できる。
【相互作用】C3(2)1)〜4)
1)鍵と鍵穴モデルおよび誘導適合モデルについて、具体例を挙げて説明できる。
2)転写・翻訳、シグナル伝達における代表的な生体分子間相互作用について説明できる。
3)脂質の水中における分子集合構造(膜、ミセル、膜タンパク質など)について説明できる。
4)生体高分子と医薬品の相互作用における立体構造的要因の重要性を具体例を挙げて説明できる。
評価方法
Evaluation Method
・試験期間中に試験を実施(100点)

教科書
Textbook
日本薬学会編/物理系薬学 V.生体分子・化学物質の構造決定/東京化学同人
指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books

留意事項
Special Class Information


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