シラバス参照 |
年度 | 2010 |
---|---|
科目名 | 生化学実験U |
担当者名 | 木下 健司・村田 成範・山田 和子・吉田 雄三・張替 直輝 |
科目目標 The Objectives |
生命科学に携わる者に不可欠な、微生物、DNA、組換えタンパク質などの取扱いについての基礎技術を修得するために、細菌を形質転換して組換えタンパク質を作製する一連の実験を行う。実験を通して分子生物学の応用の一端を実感する。また,ヒトの遺伝子を扱う上で重要となる事柄を,遺伝子検査実験を通して習得する。 |
---|---|
授業内容 The Content of the Course |
生命科学研究に汎用される緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を大腸菌に導入して発現させ、GFP遺伝子を確認する一連の実験を行う。この実験過程には、微生物、DNA、組換えタンパク質などの取扱いに必要な種々の基礎技術が含まれている。また,遺伝子検査の概要,インフォームドコンセントの重要性を学び,解析実験を行う。 |
授業計画 Class Plan |
1.導入講義
授業で学んだ分子生物学の知識と実習とを結びつけるために、形質転換、抗生物質耐性とスクリーニング、Lacオペロンと誘導などについて復習し、医薬品、研究試薬としての組換えタンパク質の有用性、組換えタンパク質の設計についての基本的な考え方を学ぶ。また、実験対象に選んだ緑色蛍光タンパク質(GFP)の特徴とその研究への応用を学ぶ。これらの学習から、実習の背景と実験に必要な基礎知識を修得する。 2.大腸菌の培養 組換えタンパク質を産生させる場となる大腸菌を培養し、培地作成、滅菌、無菌操作など、微生物を取扱う基礎技術を修得する。 3.PCRによる目的遺伝子の増幅と精製,電気泳動 GFP遺伝子をPCRにより増幅し,その産物をゲル電気泳動により確認する。 4.コンピテント細胞を用いた形質転換 DNAの取り込み能力を高めたコンピテント細胞に組換えプラスミドを取り込ませて形質転換し、組換えDNAを含む細胞を抗生物質耐性を利用して選択的に増殖させる。 5.形質転換細胞によるタンパク質の産生 課題4で選択した形質転換細胞を誘導剤(IPTG)の存在下で培養し、組換えタンパク質を産生させる。課題4と5に示した一連の実験を行うことによって、組換えDNAを細菌細胞内に導入して機能させるための基本的実験手順とそれに必要な基礎技術を修得する。GFPが分子生物学の研究に有用であることを理解する。 6.組み換え遺伝子の確認・プラスミド抽出 大腸菌に導入された遺伝子が目的のものであるかどうかを確認するために,大腸菌から直接PCRによってGFP遺伝子を増幅する。またプラスミドを抽出・精製し,制限酵素切断により導入遺伝子の長さを確認する。 7.遺伝子検査の基礎 耳垢のタイプを決定する遺伝子について,遺伝子検査の意義,インフォームドコンセント,実験法について講義する。サンプル採取と匿名化のためのランダム化,PCR増幅,制限酵素によるRFLPを最新式のキャピラリー電気泳動装置を用いて解析する。 |
評価方法 Evaluation Method |
・レポート[作品含む](50点) ・平常点等(50点) 配点内訳:実験操作への積極的参加とミニテスト 50点 |
教科書 Textbook |
実習プリント配布 |
指定図書 Reserved Books |
|
参考書 Reference Books |
|
留意事項 Special Class Information |
大腸菌を用いた培養操作が必要なため,やり直し実験は困難です。実習書をよく読んで、全体の流れを理解して積極的に参加しましょう。 |
シラバス参照 |