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年度 2010
科目名 雨月物語に込められた情念
担当者名 富山 高至


科目目標
The Objectives
 『雨月物語』は一般に怪異小説と受け取られていることが多い。しかし、その中には作者「上田秋成」の執着、執念などの思いが込められている。そういった情念を怪異譚の中から読み取ることを目的とする。
授業内容
The Content of the Course
 『雨月物語』を実際に読み、作品の話の流れや登場人物の言動をたどりながら、怪異譚としての面白さに隠された、情念、特に執着心を探る。また、その情念の込められた作品から作者「秋成」自身の情念を探ってゆく。資料画像も可能な限り使用する。
授業計画
Class Plan
1、作者「上田秋成」の生涯と『雨月物語』が書かれた年代。またそれまでの生い立ちが『雨月物語』に与えた影響。
2、『雨月物語』に収められた九篇の作品とその概略の説明。
3〜5、信義の執着を描いた『菊花の約』と『浅茅が宿』の中で、再会の約束を死ぬことによって果たした『菊花の約』を取り上げる。(内容の把握と執着心の説明に三時限使用)
6〜8、愛欲の執着を描いた『吉備津の釜』『蛇性の淫』『青頭巾』の中より、嫉妬に狂って生き霊となった「磯良」が遊女を殺す『吉備津の釜』を取り上げる。(内容の把握と執着心の説明に三時限使用)
9〜11、復讐の執着を描いた『白峰』『仏法僧』の中より、夜の高野山で、父子が「秀次」主従の亡霊に出会う、『仏法僧』を取り上げる。(内容の把握と執着心の説明に三時限使用)
12、上記、信義・愛欲・復讐の三つの執着心から外れた『夢応の鯉魚』と『貧福論』の内容の説明と、執着心が描かれているかを考察する。
13、まとめ。
評価方法
Evaluation Method
・試験期間中に試験を実施(100点)

教科書
Textbook
必要に応じて資料を配付する
指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books

留意事項
Special Class Information
特になし

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