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年度 2010
科目名 パリモードとアメリカンモード−そのコンフリクトの歴史
担当者名 濱田 雅子


科目目標
The Objectives
今日、国際服となっているアメリカン・スタイルは、何時頃、誰の手で確立されたのだろうか?この興味深い問題を通して、パリモードからアメリカンモードへの移行の実態を学ぶことにより、アメリカン・スタイルとは何かについて学生の皆さんの理解を深めることが本科目の目標である。
授業内容
The Content of the Course
パリモードとアメリカンモードの相克(コンフリクト)の歴史に二つの視点から切り込んでゆく。第一に服飾史の中に見えてくるアメリカ社会の変容、つまりアメリカ的なアイデンティティが形成されていく過程をたどる。第二にジェンダー(男女の性差)と衣服の関係にメスを入れる。濱田が現地で取材した写真やビデオを通して、ビジュアルにわかりやすく講義する。
授業計画
Class Plan
1.2.3. 導入にあたって、パリモードとアメリカンモードの事例をビジュアルに学ぶ。
 (1) 映像で学ぶ近代西洋服飾史(スライドとビデオを通して学習する)
 (2) パリモード200年のファッションショーのビデオを通して、古き、良き時代のパリ モードに触れる。
 (3) 19世紀後半のパリモードとアメリカンモードをファッションプレートと写真を用いて    比較・考察する。
4.5. アメリカンモードの原点に立ち返る(その1):先住アメリカ人の衣文化
 (1) 先住アメリカ人の自然環境と衣文化 (2) 現代ファッションへの影響
6. アメリカンモードの原点に立ち返る(その2):植民地時代の衣文化
 ニューイングランド植民地におけるピューリタンの衣文化と『緋文字』に描かれた衣生活
7.8. アメリカらしさの萌芽ーアメリカ独立革命期の服飾
 (1) 上流階級のファション観と服飾のマナー
 (2) 中産階級の衣文化ーショートガウンの特徴
 (3) 下層階級の着るもの―プランテーションにおける被服管理
9. フランス・ファッションへの憧憬ーアメリカ在住の2人のフランス人女性の書簡を通して
10. ローウェル木綿工場の女子労働者の日々と衣生活ー"Lowell Offering"を通して
11.西部開拓時代の女性の衣生活ー『大草原の小さな家』の世界、およびヘルベンストンが描くフ ロンティア女性の衣生活とファッション観
12.家庭裁縫から既製服生産へー『風と共に去りぬ』に描かれた衣裳とペーパーパターンの発達
13. 衣服大衆化時代のアメリカンモードの誕生
 (1) アメリカンモードを確立したデザイナーークレア・マッカーデル、ラルフ・ローレン
 (2) 日本におけるアメリカン・ウェイ・オブ・ライフーGAPとユニクロのマーケティング戦略 
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](60点)
・平常点等(40点) 配点内訳:授業中に必要に応じて書いてもらう本講義内容に関するミニッツペーパーを平常点とする

教科書
Textbook
濱田雅子/アメリカ服飾社会史/東京堂出版
指定図書
Reserved Books

参考書
Reference Books
丹野郁編/西洋服飾史 /東京堂出版
濱田雅子/アメリカ植民地時代の服飾/せせらぎ出版
濱田雅子/黒人奴隷の着装の研究/東京堂出版
P.F.コープランド著 濱田雅子訳/アメリカ史にみる職業着/せせらぎ出版
留意事項
Special Class Information
共通教育科目の濱田雅子担当「映像で学ぶ西洋服飾史」と合わせて受講することにより、ヨーロッパとアメリカのモードの歴史に対する理解がより深まる。

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