科目目的 ・ 到達目標 Aims of the Course and Objectives	中国文学の精華の一つである韻文を取り上げる。中国の韻文は花鳥風月の世界だけではなく、彼らの持つ自然観や政治観などを吐露したものである。中国の韻文を読み、鑑賞することにより、文学者たちの生き方や考え方を理解できるようにしたい。また、広く韻文を読むための知識を養う。なお、この科目は中高教科(国語・書道)を教授するに足る専門的知識及び技能を修得することも目標とする。
授業内容 The Content of the Course	中国の古典詩の中で最も重要な位置を占める唐詩は、日本にも早くから伝えられ、愛唱されてきた。教科書として使用するものは、唐詩に関する名著として知られるものである。後期には、主として詩人でフランス文学者である三好達治の鋭い考証による解釈・解説に従いつつ初唐から晩唐に至るまでの有名作品を読み、鑑賞する。
授業計画 Class Plan	1.常建「題破山寺後禅院」 王昌齢「閨怨」 2.劉希夷「代悲白頭翁」 3.劉希夷「公子行」 4.張若虚「春江花月夜」 5.岑参「胡笳歌 送顔真卿使赴隴西」 耿洪源「路傍老人」 6.杜甫「聞官軍収河南河北」 高適「人日寄杜二拾遺」 7.杜甫「邯鄲少年行」 孟浩然「留別王侍御」 8.賀知章「題袁氏別業」「回郷偶書」 薛稷「秋朝覧鏡」 張九齢「照鏡見白髪」 9.李白「秋浦歌」 岑参「戯題関門」 崔国輔「少年行」 10.楊巨源「折楊柳」 韓愈「聞梨花発贈劉師命」 元微之「江花落」 11.楊衡「題花樹」 杜牧「江南春」 権徳輿「嶺上達久別者又別」「晩」 12.顧況「登楼望水」 戴叔倫「除夜宿石頭駅」「別友人」 13.司空曙「江村即事」 柳宗元「江雪」 劉禹錫「夜聞船中箏」 14.劉禹錫「楊柳枝詞」「烏衣巷」 岑参「山房春事」 15.岑参「登古ギョウ城」 陳子昂「薊丘覧古」「登幽州台」 定期試験
準備学習等の内容 Preparation for Classes and Review	取り上げる詩はいずれも有名なものばかりであり、これらの詩についての訳本や解説書などは数多く出ている。講義では著者の解説に従いつつ綿密な解釈を進めるが、著者の見解に対する異説もあるので、図書館などで予め調べておくと効果的な学習が期待できる。
評価方法 Evaluation Method	・試験期間中に試験を実施(100点)
教科書 Textbook	吉川幸次郎・三好達治/『新唐詩選』/岩波書店
参考書 Reference Books
留意事項 Special Class Information	文学作品を鑑賞するためには漢文を正確に読み、意味を正しくとることが特に要求される。その方面の力を養うこともおろそかにしないようにしよう。

シラバス参照