シラバス参照 |
年度 | 2014 |
---|---|
科目名 | 近世文学講読A |
担当者名 | 光井 文華 |
単位 | 1 |
科目目的 Course Objectives |
近世文学の代表的な作品の講読を通じて、学習者が自らその内容を把握する。また本科目は、中高教科国語、高校教科書道を教授するに足る専門的知識及び技能等を修得することを一目的とする。 |
---|---|
到達目標 Class Goal |
作品内容の個別性と普遍性について考え、自分なりに解釈できるようになる。 |
授業内容 The Content of the Course |
前半は作家西鶴についての理解を深めるために、伝記事項の整理や同時代の評価などを行い、浮世草子作者としてスタートするまでの文学活動について学ぶ。
後半は浮世草子第一作『好色一代男』と、続く第二作『『諸艶大鑑(好色二代男)』から、西鶴が描いた遊里における恋の諸相を時代背景や当時の風俗を確認しながら読み味わう。近世文学の特性を理解するとともに古典として読み継がれてきた意味、普遍性について考える。 |
授業計画 Class Plan |
第1回 西鶴の生涯 現存する資料を整理し、西鶴の生涯を知る。
第2回 西鶴の評価 西鶴とその作品がどのように評価されているか、様々な資料から探る。 第3回 西鶴の時代 伝記と歴史的事実を重ね合わせ、西鶴の活躍した時代について理解する。 第4回 俳諧師西鶴 文学活動の第一歩として始めた俳諧について、その内容、特色を知る。 第5回 浮世草子作家としての西鶴 俳諧から散文へと作品が広がった意味について考える。 第6回 『好色一代男』の世界@ 『好色一代男』の全体像、構成について考える。 第7回 『好色一代男』の世界A 巻1の1「けした所が恋のはじまり」を読み、主人公世之介の設定とその意味を考える。 第8回 遊里における恋@ 『好色一代男』巻5の1「後は様つけて呼ぶ」 名妓吉野の行動を通して、遊里の美意識を知る。 第9回 遊里における恋A 『色道大鏡』における吉野の姿と比較を通して、西鶴の描こうとしたものを探る。 第10回 遊里における恋B 『好色一代男』巻5の3「欲の世の中にこれは又」 室津の遊女の姿から遊里の女性たちの実像を考える。 第11回 遊里のおける恋C 『好色一代男』巻6の1「喰さして袖の橘」 奴三笠の心中立てから、遊女の恋、真心について考える。 第12回 『諸艶大鑑(好色二代男)』の世界 序文および巻1の1から、諸艶大鑑(好色二代男)』の趣向、テーマについて考える。 第13回 遊里における恋D 『諸艶大鑑(好色二代男)』巻1の2「誓紙は異見のたね」 誓紙から明かされる遊女の真実、現実の遊女たちの心に迫る。 第14回 遊里における恋E 『諸艶大鑑(好色二代男)』巻5の3「死なば諸共の木刀」 遊里における恋のむなしさ、信じることのむずかしさを理解する。 第15回 遊里における恋F『諸艶大鑑(好色二代男)』巻7の4「反古尋ねて思ひの中宿」 遊里と現実社会との違いを明らかにし、遊里の限界を理解する。 定期試験 |
授業方法 Class Method |
講義型授業 |
授業時間外学習 Review and Preview |
予習…シラバスの「授業計画」に基づき、取り扱う作品についての概略を確認しておく。
復習…配布プリントを整理し、専用のノートにまとめておく。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(60点) ・平常点等(40点) 配点内訳:課題提出30点、授業への積極的参加度10点 ・配布プリント・自筆ノートは試験持ち込み可とするので、きちんと整理しておくこと。 |
教科書 Textbook |
授業時にプリントを配布する |
参考書 Reference Books |
|
地域との連携 Cooperation with the Community |
兵庫県内を舞台とする作品を読み、地域への理解を深める。 |
担当教員への連絡方法 How to make Contact |
|
受講上の注意 Notices |
私語厳禁。遅刻のないように努めること。授業時間中の移動・退出は不可。
教職課程履修学生は、この授業科目終了後、教職課程履修カルテの自己評価シート欄に必要事項を必ず入力すること。また成績評価発表以降に、成績とともに担当教員によるコメントを参照し自己の学習状況について把握する。 |
シラバス参照 |