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年度 2014
科目名 教育思想の歴史
担当者名 山ア 洋子
単位 2
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科目目的
Course Objectives
教育の歴史は、社会・文化の歴史と同様に、人間が社会生活を始めた時期にまでさかのぼる。とりわけ近代以降のそれは、教育と子どもをめぐる課題から生じた教育思想の歴史でもある。それゆえ、本科目の目的は、現代の教育を展望するために不可欠な比較史的視点と教育思想史的見方を得ることにある。
到達目標
Class Goal
1.近代学校及び近代的な学校システムの特徴について、とりわけその源流となったイギリスの近代的な教育システムがいかなる特徴を有していたかを教育思想の観点から理解し、適切な歴史的言語を用いてそれらを解説することができる。

2.教授法の変遷について、時代背景と社会的文脈に位置づけながら理解し、時期区分の概念を用いてその変遷の特徴を説明することができる。

3.教育学の理論的基盤がどのような教育思想によって形成されたかを理解し、教育史上、重要な教育思想家を取り上げその特徴を説明することができる。

4.19世紀末に生起した学校教育改革を求める国際的な運動・活動の全体像を理解し、そのなかで重視された教育思想や概念を理解し、その概要を述べることができる。
授業内容
The Content of the Course
本授業では、まず、西洋の近代以前の教育を概観し、次に、近代化とともに成立した学校教育制度に対する教育方法改革の取り組みを概説する。そして、最後に、現代の日本の教育を省察するための教育史的観点と日本への影響について教授する。その際に、教育史全体を貫いている教育思想の意味についても考える。
授業計画
Class Plan
全授業の計画は、以下の通りである。
1 本授業の目標と授業方針−なぜ教育史を学ぶのか−(第1週)
2 歴史と教育をめぐる現代の論争(第2週)
3 近代以前の西洋の教育(第3週〜第5週)
(1)コメニウスの教育思想
(2)ルソーの教育思想
(3)ペスタロッチの教育思想
4 近代学校の出現とその方法原理 (第6週〜第7週)
(1)オウエンの教育思想−産業革命とイギリス−
(2)モニトリアル・システムとギャラリー・システム
5 近代イギリスの国民教育制度 (第8週〜第9週)
(1)教員養成・学校査察
(2)学校建築・カリキュラム
6 教育学・教授学と教員/教師の誕生(第10週〜第11週)
(1)ヘルバルトの教育学とその影響
(2)フレーベルと幼児教育の思想
7 新教育運動の生起と展開(第12週〜第14週)
(1)生活改革と「新学校」の教育思想
   −「生きることを学ぶ」カリキュラムとパブリックスクール改革-
(2)「教育の新理想」と公立基礎学校改革
     −教師の新しい職能の探究−
(3)アメリカ進歩主義教育とデューイの教育思想
8 総括−欧米の教育思想の日本への影響− (第15週)
授業方法
Class Method
宿題点検、復習、講義、写真・映像鑑賞などを、適宜、組み合わせながら授業を展開する。
授業時間外学習
Review and Preview
教科書及び参考文献を熟読し、毎回提出される宿題を次の授業前日までに仕上げることが肝要である。
 また、新聞、雑誌、TVなどで取り上げられている教育問題がどのように論じられているか、その歴史的経緯はどのようなものであったかに関して、絶えず、情報収集する姿勢を維持して欲しい。
 さらに、自ら主体的に学ぶ者のみが「子どもへの教育行為」が許されるということを真摯に考え、主体的に考え、主体的に授業内容の予習復習をする姿勢をもって欲しい。
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](30点)
・平常点等(70点) 配点内訳:小テストなど

教科書
Textbook
教師養成研究会/近代教育史/学芸図書株式会社
宮野安治・山ア洋子・菱刈晃夫/講義 教育原理-人間・歴史・道徳/成文堂
参考書
Reference Books

地域との連携
Cooperation with the Community
自分自身が卒業した学校の教育目的・教育目標、学校建築がどのように変遷してきたということにも意識を向けて欲しい。そのためには、それぞれの学校史に関心をもってほしい。
担当教員への連絡方法
How to make Contact
授業の前後の質問時間帯、あるいはオフィスアワー時間帯
受講上の注意
Notices
現在の学校でなされている教育行為は、すべてこれまでの教育思想の歴史の上に成立しており、教育的意味が内包されている。このことを恒常的に考えること。

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