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年度 | 2014 |
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科目名 | 環境界面科学 |
担当者名 | 古濱 裕樹 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
界面とは、混ざり合わない二つの物質の境目のことである。ここでは、被服(主に繊維)の洗浄ということに絞って、繊維(固体)と汚れや水(液体)の界面の科学の理解から、洗濯、洗剤の科学的な解説を行う。これは被服整理学とも呼ばれる学問である。界面の話だけにとどまらず、漂白や蛍光増白、柔軟剤や糊付け、アイロンや保管(防虫、防かび)、ドライクリーニングなどの科学的解説も行う。繊維製品の初期性能の維持、トラブルの原因について、原理から「わかる」こと、応用力をつけることを目指す。 |
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到達目標 Class Goal |
・洗浄の本質を理解し、これからも登場し続ける洗剤の新製品のパッケージを読み取り、その都度すぐさま理解できる能力を獲得する。
・洗濯、洗剤について、他者に的確なアドバイスができるようになる。 ・より合理的な洗浄について考え、洗濯の質を高めるとともに、環境に配慮した洗濯行動ができるようになる。 ・取り扱いやすい衣服について考えることができるようになり、企画、生産、販売、品質管理等、アパレル専門職で活かす。 ・柔軟剤などの香りの明暗を理解する。 ・糊付け、アイロンなど専門的職業人として必要な知識を身につける。 ・洗浄、洗濯の科学的理解を、生活の他分野に広げ、身のまわりのあらゆる現象をより科学的、論理的に考えられるようになる力を磨く。 |
授業内容 The Content of the Course |
「被服につく汚れはどこから来るのか」、「汚れがくっついて落ちないのはなぜか」、「水だけで洗っても落ちない汚れが洗剤やドライクリーニングできれいになるのはなぜか」など、洗浄、洗剤に関する現象の意味・原理を科学的に解明していく。 |
授業計画 Class Plan |
〜洗剤について学ぶ〜
第1回 界面活性剤分子の性質と挙動 第2回 表面張力と接触角、界面活性剤の浸透作用 第3回 界面活性剤の可溶化、乳化、分散、再汚染防止作用 第4回 セッケンと合成界面活性剤 第5回 界面活性剤の分類 (1)陰イオン界面活性剤 (2)非イオン界面活性剤 (3)陽イオン界面活性剤 (4)両性界面活性剤 第6回 洗剤に含まれる助剤・添加剤 第7回 市販洗剤の発展の歴史と現状 〜洗濯について学ぶ〜 第8回 汚れ 汚れのグループ分けとそれぞれの対処法 第9回 洗濯機 洗濯機の歴史と種類、乾燥機能 第10回 洗浄性と損傷の評価、洗浄条件と汚れ落ちの関係 〜より美しく衣類を保つ〜 第11回 漂白と蛍光増白 第12回 柔軟剤と糊付け、アイロン 第13回 しみ抜き、防虫、防かび 〜社会と洗濯の関わり〜 第14回 商業クリーニング、洗濯絵表示(JISとISO) 第15回 衣類のリサイクル 定期試験 |
授業方法 Class Method |
講義 |
授業時間外学習 Review and Preview |
家庭では洗濯を積極的に行い、学んだ知識を試してほしい。また、小売店やTVCMなど、洗剤が目につけば値段や宣伝文句も含めて興味を持って眺めよう。そうすれば、言葉で得た知識が自身のスキルに置き換わるだろう。毎回の授業の最後に「今日の復習」として学んだことを文章でまとめてもらうが、最低限その事項については授業後も頭に残り続けるよう、復習することが必要である。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(60点) ・平常点等(40点) 配点内訳:「今日の復習」などの提出物(15点) 授業への積極的参加度(25点) |
教科書 Textbook |
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参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
教員の研究室:H1-32-1
教員のメールアドレス:kohama@mukogawa-u.ac.jp |
受講上の注意 Notices |
定期試験の難易度は高く設定する。用語などの暗記よりも、現象やものの本質的な理解により、高得点が可能となる。 |
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