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年度 | 2014 |
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科目名 | 基礎有機化学 |
担当者名 | 西出 喜代治 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
薬学の基礎である有機化合物(医薬品や生理活性化合物)の性質や反応性を理解するために必要となる、基本的な「有機化学の知識」を修得することを目的としている。 |
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到達目標 Class Goal |
1)代表的な脂肪族化合物を IUPAC 命名法と慣用名を用いて命名することができる。
2)オクテット則、形式電荷に配慮して、有機化合物のルイス構造式を書くことができる。 3)有機化合物の共鳴について、共鳴構造式を示して説明することができる。 4)原子軌道と電子配置について説明できる。 5)ルイスの酸・塩基を定義することができる。 6)ブレーンステッド・ローリーの酸・塩基の酸性度・塩基性度を、pKaを用いて 説明することができる。 7)R-S 規則による立体配置を説明することができる。 8)アルカンやシクロアルカンの立体配座について説明できる。 9)立体化学に関する専門用語、エナンチオマー、ジアステレオマー、 光学活性体とラセミ体、メソ化合物、エナンチオマー過剰率、について 説明することができる。 10)求核置換反応(SN1反応とSN2反)と 脱離反応(E1 反応とE2 反応)について概説でき、 その反応機構と立体化学を説明できる。 |
授業内容 The Content of the Course |
「有機化学は暗記科目である」と思っている学生諸君に、そうではなく、
「有機化学は理論的である」と認識できる授業内容とする。 1回−12回において、「有機化学の基礎」を学ぶ。 13回と14回において、初めて、「有機化学反応」について学ぶ。 15回において、統合的な復習とまとめ、質問と解説を行う。 授業計画に示した内容の授業を行うことによって、有機化学的考察を実践する。 また、同じ教科書(上・下)と問題集を用いて、 2年生前期に「応用有機化学 I 」の講義 2年生後期に「応用有機化学 II 」の講義 において、おもに「有機化学反応」を学びます。 これら3回の授業で、「有機化学」を学ぶ事になります。 |
授業計画 Class Plan |
1 化学結合と分子構造(1)構造式と書き方、オクテット則、ルイス構造、形式電荷、
共鳴 C-4-(1) 2 化学結合と分子構造(2)原子の構造(量子力学の考え方)、原子軌道と電子配置 C-4-(1) 3 化学結合と分子構造(3)分子軌道、混成軌道、結合性軌道と反結合性軌道 C-4-(1) 4 化学結合と分子構造(4)原子価殻電子対反発 (VSEPR) モデル、構造式と書き方 C-4-(1) 5 代表的な炭素化合物(1)アルカン・アルケン・アルキン、など C-4-(2) 6 代表的な炭素化合物(2)官能基間の相互作用(イオン間力、双極子-双極子相互作用、 水素結合、vander Waals 力)C-1-(1) 7 有機化学反応序論:酸と塩基(1) ブレーンステッド・ローリーの酸・塩基の定義、 ルイスの酸・塩基の定義、カルボカチオンとカルバニオン C-4-(1) 8 有機化学反応序論:酸と塩基(2)強さ、構造と酸性度・塩基性度、Ka とpKa、C-4-(1) 9 脂肪族化合物の命名法と立体配座(1)C-4-(2) 10 脂肪族化合物の命名法と立体配座(2)シス−トランス異性と立体配座、環反転 C-4-(2) 11 立体化学:キラルな分子(1)キラリティー、構造異性体と立体異性体、 エナンチオマー、R-S 規則、光学活性体とラセミ体、エナンチオマー過剰率 C-4-(1) 12 立体化学:キラルな分子(2)ジアステレオマー、メソ化合物、相対配置と絶対配置 光学分割法 C-4-(1) 13 イオン反応:ハロゲン化アルキルの求核置換反応と脱離反応(1)求核置換反応、 求核試薬(求核剤)、脱離基、SN2反応の速度論・反応機構・遷移状態論・立体化学 C-4-(2) 14 イオン反応:ハロゲン化アルキルの求核置換反応と脱離反応(2)SN1反応の速度論・ 反応機構・遷移状態論・立体化学、ハロゲン化アルキルの脱離反応、E2 反応、E1 反応、 置換反応と脱離反応の比較 C-4-(2) 15 統合的な復習とまとめ、質問と解説 |
授業方法 Class Method |
講義型授業、問題集を用いる双方向授業 |
授業時間外学習 Review and Preview |
講義の最後に、次回の講義範囲の紹介を行うので、
1)該当部分の教科書の本文は必ず目を通すこと(予習)。 2)本日の講義内容を復習すること。 3)「基礎有機化学問題集」(解説と解答付)を用いて、演習して理解を深めること。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(100点) |
教科書 Textbook |
T. W. G. Solomons, C. B. Fryhle (監訳 池田正澄 他) /ソロモンの新有機化学(上)(第9版)/廣川書店 HGS/『MOLECULAR MODEL, (Student Kit)』/MARUZEN 廣田耕作、片岡貞、西出喜代治、編著/基礎有機化学問題集/廣川書店 |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
P1-54 |
受講上の注意 Notices |
有機化学は決して暗記する学問ではありません。有機化学の理論があります。これはどのように考えているのだろうか?と、常に「考えること」と「質問すること」が勉学の第一歩であり、肝要です。質問大歓迎。 |
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