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年度 | 2014 |
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科目名 | 遊びの人類学 |
担当者名 | 渡邉 昌史 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
本科目は「遊びとは何か」、遊びを文化の問題として考える。
遊びを文化として理解することの重要性は、遊び現象のなかに社会と文化が投影されていることを読み解いていくことにある。近年、遊びを「する」ことと同じくくらいに遊びを「考える」ことが魅力的なものとなってきている。 遊びに凝縮・刻印されている文化と社会を文化人類学的アプローチによって、異文化理解と自文化理解の展望のもとに考察を進めて行く。 |
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到達目標 Class Goal |
到達目標は二つある。一つは、遊びのもつ多様性を考察することによって遊びと当該社会との関連性を理解すること。そして、遊びの本質を理解することによって、人が人らしく生き、豊かさが実感できる社会を実現するために遊びを活用する方策を創造できる力を養うことである。 |
授業内容 The Content of the Course |
遊びを論じようとするとき、むずかしいのが遊びの定義である。必ずと言ってよいほど引用されるのがJ.ホイジンガとR.カイヨワである。とくにホイジンガの『ホモ・ルーデンス』による遊びの特性はつとに有名である。これ以前にも、プラトンやソクラテスは遊びに注目し、早くから教育的価値を見出していた。初めに、これまでの遊び論について整理しながら、俯瞰的に見て行く。
次いで、人類学、歴史学における世界各地の民族・集団における遊び現象についての豊富な事例研究の蓄積を分析することによって、遊びの当該社会においてもつ意味や価値について明らかにしていく。 |
授業計画 Class Plan |
1回 オリエンテーション
2回 遊びとは何か(1):人はなぜ遊ぶのか 3回 遊びとは何か(2):遊びの本質とは 4回 労働と余暇 5回 描かれてきた遊び(1):ブリューゲル絵画 6回 描かれてきた遊び(2):近世の絵画資料 7回〜10回 文化人類学的視点から個別事例としての考察 11回 遊びの伝播と受容 12回〜14回 歴史学視点からの考察、及び東洋と西洋の比較考察 15回 まとめ:遊びの可能性 定期試験 |
授業方法 Class Method |
基本的には「授業計画」の講義テーマに沿って授業を進めてゆくが、受講者の理解度をみながら、さらなる説明が必要と判断される場合は、同一テーマについてより詳しい説明をするための時間を設けることもある。したがって、計画とおりに講義が進行しない場合もある。 授業では、テーマ毎に関連する資料を配布し、PowerPointを用いる。
遊びが自発的な行為であるのと同様、積極的かつ自発的な参加(単なる出席とは異なる) が要求される。教員からの一方的な授業にならないよう受講生の皆さんとの積極的な意見交換に努めて行きたい。 |
授業時間外学習 Review and Preview |
適宜、参考文献を紹介するので事前に読み込み、論点・問題を整理しておくこと。
問題意識を持つためには、日ごろから「あたりまえ」と思っていることを疑って、とにかく考え ること。そのためには視野を広くもって、知識や情報の取得に努めること。 毎日、一般紙の新聞全ページに目を通して欲しい。遊び現象はこれを取り巻く社会との関連のな かに存在している。遊びの理解のためには社会全般に関する知識は欠かせない。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(40点) ・平常点等(60点) 配点内訳:講義中に適宜、実施する小レポート(40点)、講義への積極的な参加・意欲(20点) |
教科書 Textbook |
テキストは使用しない。必要に応じて資料を配付する。 |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
初回に指示する。 |
受講上の注意 Notices |
参考文献は講義中に紹介する。 |
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