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年度 | 2015 |
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科目名 | 生活を科学する |
担当者名 | 牛田 智・岸川 洋紀・北村 薫子・古濱 裕樹・吉田 恭子 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
生活をすることは、私たちにとって最も大切な営みである。科学技術の恩恵により、生活は豊かになってきたが、ブラックボックス化している場合もある中、理系のアプローチで学ぶことをしていないと、それぞれの生活者に必要かつ適切なものを正しく判断できないことになる。その意味で、科学的な視点を持つことは重要である。科学技術に依存している今の生活がより豊かなものとできるような素養を深める。 |
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到達目標 Class Goal |
生活をしていく中で、身近にあるモノや現象について、科学的に考える力を身に付けるとともに、暮らしの中の様々な事象を科学的にとらえることによって、よりよい豊かな暮らしにつなげることをめざす。 |
授業内容 The Content of the Course |
生活環境学科・生活造形学科の教員5名が、それぞれの専門分野に関係する、生活の中にある身近なモノや現象について、科学的な観点から解説を行うとともに、受講者とともに、科学的な視点からの考察を加えていく。 |
授業計画 Class Plan |
(牛田智)
1.暮らしを科学の目でとらえる:毎日の暮らしを科学の目でとらえるとはどのようなことかを把握する。科学的に考えるためには、量や数値としてとらえることが必要である。様々な物理量や単位について平易に解説する。 2.清潔さの科学:身体や衣服を清潔に保つためには、洗剤を使って洗うということが行われる。その原理にも立ち入りながら、洗うことの科学を学ぶ。 3.科学的にとらえることに関して考察する:生活の中のモノや現象について、科学的にとらえるために必要な考え方を考察する。その成果を、教科書を題材に、各自が論述を行う(小テストに相当)。 (北村薫子) 4.室内環境の快適さ:暮らしの空間を快適にするために必要な要因を学ぶ。環境四要素である光・音・熱・空気を科学の目で捉え、清潔で快適な室内環境のあり方を考察する。 5.人間の視覚と光:明るさを知覚する器官は目である。目の機能と視覚心理生理の基本を知るとともに、太陽からの快適な自然採光を得るための窓の計画を学ぶ。 6.快適性評価に基づいた光環境計画:快適な明るさは光の量だけでなく光の質により変化する。照明器具による明るさを考えるために、エネルギー、照明の選び方、演色性について学ぶ。 (古濱裕樹) 7.色彩学の世界:世の中には色彩に関する情報が溢れているが、根拠のあるものもあれば、迷信のような非科学的な話もある。ここでは、その区別を意識しつつ、色彩学の歴史、科学、色彩調和、色彩心理など色彩学の世界を網羅的に解説する。 8.色彩の表し方と美しい色:色彩を客観的に表現し、正確に伝える様々な方法を特徴とともに解説する。数値では表せない色彩特性を紹介し、それらを踏まえて、美しい色とは何かについて考える。 9.天然の色、合成の色:繊維を着色するための染料を題材に、江戸期以前の天然の色と明治以降の合成の色を、歴史、色彩の違いから解説する。時代的、地域的な色彩感覚も紹介する。美しい色とは何か、各自なりの結論を得る。 (吉田恭子) 10.衣服の着心地:衣服はいろいろな視点から良し悪しが評価される。その中で着心地とは、衣服を着用してはじめて評価されるものである。着心地に影響を与える要素にはどのようなものがあるか、人間側、衣服側、環境側の因子を考える。 11.暑さ寒さと衣服:四季に富んだ日本で快適な衣服の着心地を求めようとすれば、気候に適応した衣服の素材や形、着用の仕方の工夫が必要である。ここでは特に、暑い夏や寒い冬の衣服について考える。 12.衣服の動作適応性や肌触り:日常の暮らしの中で、私たちは多かれ少なかれ身体を動かし、色々な動作をしている。衣服を快適に着用するには、動作適応性も重要な要素となる。さらに、肌に直接接触する衣服には心地よい触感も大切であるので、それらのことについて考える。 (岸川洋紀) 13.健康を科学的に評価する:環境学や公衆衛生の分野で、健康な生活を維持するためにどのような考え方や方法が取られてきたかについて学ぶ。 14.QOLの考え方:生活の質(QOL)の概念について学び、QOLを構成する要素や影響を与える要因について議論を行う。 15.生活の質を評価する:良い生活環境というものを科学的に定義し評価するためには、どのような方法があり課題があるのか検討する。 |
授業方法 Class Method |
講義形式で行う。 |
授業時間外学習 Review and Preview |
事前に教科書を読んでおくとともに、担当者から示された、翌週の授業のために必要な予備知識を収集しておく。授業後は、各担当者が課すショートレポートを書くために、授業で扱われた内容について、各自が再度教科書を読んだり、自ら調べたりしてレポートに反映させる。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点等(100点) 配点内訳:各担当者が課す小テストやショートレポート(20点×5) |
教科書 Textbook |
横川公子、瀬口和義(編)/生活を科学する/光生館 |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
研究室、e-mailアドレス等は、Student Guide For Academic Studiesに記載。 |
受講上の注意 Notices |
テキストで紹介した事例をともに考察していくので、それらの読解や日常的な暮らしの中に課題や興味を、それぞれが発見することが期待される。 |
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