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年度 2016
科目名 食文化論
担当者名 阿良田 麻里子
単位 2
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科目目的
Course Objectives
世界各地の食文化の事例を通じて、多様な文化の生活習慣を学ぶとともに、その背後にあるものの見方・考え方を理解する。自らの食文化を絶対化せずに、異文化を柔軟に受けとめる姿勢を養い、多文化共生時代に必要な基礎知識を身につける。
到達目標
Class Goal
世界をみるための多様な視点の存在を理解し、想像力を養い、自ら考え、積極的に学び、広い視野からものごとを見る素養をつける。
自分の考えかた・習慣・常識を絶対視せず、栄養指導を行う際にも、異文化を背景にもつ多様な人々の価値観を尊重し、これに寄り添った形で食事メニューを考え、提言できる能力を養う。
授業内容
The Content of the Course
生活文化は、身近で日常的であるがために、自分の習慣や考え方が万国共通の普遍的なものであると思いこみがちである。この授業では食文化の諸側面をとりあげ、講師の調査地であるインドネシアをはじめ世界各地の具体的な事例を、ビデオや写真などの映像資料を交えながら学ぶ。そして、異文化の事例と比較しながら、自らの食文化を顧みて客観的に見つめ直す訓練を行う。
授業計画
Class Plan
1.食文化とは。カルチャーギャップを通して、食文化の諸要素、食の機能を考える。
2.主な食べ物からみる食文化1(主食とはなにか。主食となる作物の多様性)
3.主な食べ物からみる食文化2(主食の調理法と食材の伝播)
4.主な食べ物からみる食文化3(文化の受容と変容)
5.主な食べ物からみる食文化4(牧畜と乳食。食品加工と保存の技術)
6.主な食べ物からみる食文化5(屠畜と肉・血の利用)
7.食材の選択に影響を与える文化的要因1(ユダヤ教の禁忌)
8.食材の選択に影響を与える文化的要因2(イスラム教と食の禁忌、断食とは)
9.食材の選択に影響を与える文化的要因3(その他の宗教、菜食主義、慣習による忌避や禁忌)
10.食材の選択に影響を与える文化的要因4(文化人類学におけるタブー論)
11.調味の文化圏(トマト・唐辛子・スパイス。食穀醤と魚醤。うま味の文化圏)
12.日常の食制(時間・献立)とマナー
13.食の精神的・社会的な機能1(食と社交)
14.食の精神的・社会的な機能2(食とアイデンティティ)
15.まとめ
ただし、各週の授業項目の順序は、予告なしに変更することがある。
授業方法
Class Method
おもに講義形式であるが、適宜映像教材や実物等を用いる。学生からの積極的な意見発表を求める。また、いくつかの課題を通して、自ら考える力を養う。
授業時間外学習
Review and Preview
毎回の授業内容を振り返り、自らの生活文化を相対的に捉え直すことを試みること。
また、特に興味をもった事項を選び、文献やインターネット、実地調査、身の回りの人へのインタビューなどを通して、自分でさらに深く調べてみること。
評価方法
Evaluation Method
・平常点等(100点) 配点内訳:課題80点、毎回の授業感想カード20点

教科書
Textbook
毎回プリント資料を配布する。
参考書
Reference Books
石毛直道監修/『世界の食文化』全20巻/農文協
石毛直道監修/『講座食の文化』全7巻/味の素食の文化センター
NHK/『人間は何を食べてきたか』8巻セット/ジブリ学術ライブラリー
飽戸弘/『食文化の国際比較』/日本経済新聞社
ポール=フィールドハウス/『食と栄養の文化人類学』/中央法規出版
メアリ=ダグラス/『汚穢と禁忌』/思潮社
石毛直道・和仁皓明編著/『乳利用の民族誌』/中央法規
マーヴィン=ハリス/『食と文化の謎』/岩波現代文庫
竹井恵美子編/『食とジェンダー』/ドメス出版
山内昶/『経済人類学への招待−人はどう生きてきたか』 /筑摩書房
石毛直道、ケネス=ラドル/『魚醤とナレズシの研究』/岩波書店
河合利光編/『比較食文化論』/建帛社
ジェームズ=ワトソン編/『マクドナルドはグローバルか:東アジアのファーストフード』/新曜社
石毛直道/『ハルマヘラ島, Galela族の食生活』/国立民族学博物館研究報告3巻2号
朝倉敏夫、阿良田麻里子/『くらべてみよう! 日本と世界の食べ物と文化』/講談社
熊谷 瑞恵/食と住空間にみるウイグル族の文化―中国新疆に息づく暮らしの場/昭和堂
河合利光編著/2011『世界の食に学ぶ―国際化の比較食文化論』/時潮社
地域との連携
Cooperation with the Community

担当教員への連絡方法
How to make Contact
メール:arata.mariko@nifty.ne.jp
メールの題名に必ず「武庫川女子(クラス・出席番号・氏名)」を入れること
受講上の注意
Notices
積極的な授業参加、講義内容に関連して自主的に考え、調べ、みずから食文化に関する知識を広げていく態度が望まれる。

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