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年度 | 2016 |
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科目名 | 有機化学T |
担当者名 | 川崎 郁勇・稲本 浄文・西村 奏咲 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
薬学の基礎である有機化合物(医薬品や生理活性化合物)の性質や反応性を理解するために必要となる、基本的な「有機化学の知識」を修得することを目的としている。 |
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到達目標 Class Goal |
1)代表的な脂肪族化合物を IUPAC 命名法と慣用名を用いて命名することができる。
2)オクテット則、形式電荷に配慮して、有機化合物のルイス構造式を書くことができる。 3)有機化合物の共鳴について、共鳴構造式を示して説明することができる。 4)原子軌道と電子配置について説明できる。 5)ルイスの酸・塩基を定義することができる。 6)ブレーンステッド・ローリーの酸・塩基の酸性度・塩基性度を、pKaを用いて 説明することができる。 7)R-S 規則による立体配置を説明することができる。 8)アルカンやシクロアルカンの立体配座について説明できる。 9)立体化学に関する専門用語、エナンチオマー、ジアステレオマー、 光学活性体とラセミ体、メソ化合物、エナンチオマー過剰率、について 説明することができる。 10)求核置換反応(SN1反応とSN2反)と 脱離反応(E1 反応とE2 反応)について概説でき、 その反応機構と立体化学を説明できる。 |
授業内容 The Content of the Course |
第1回−第13回において、「有機化学の基礎」を学ぶ(第8回は小テスト)。
第14回と第15回において、初めて「有機化学反応」について学ぶ。 授業計画に示した内容の授業を行うことによって、有機化学的考察を実践する。 有機化学を、暗記ではなく理論的に学べるような授業内容とする。 また、1年生後期の「有機化学U」および2年生前期の「有機化学V」では、 同じ教科書を用いて主に「有機化学反応」を学ぶ。 これら3つの科目で「有機化学」全体を学ぶ事になる。 |
授業計画 Class Plan |
必修科目
1 化学結合と分子構造(1)構造式と書き方、オクテット則、ルイス構造、形式電荷、 共鳴 C3-(1) 2 化学結合と分子構造(2)原子の構造(量子力学の考え方)、原子軌道と電子配置 C3-(1) 3 化学結合と分子構造(3)分子軌道、混成軌道、結合性軌道と反結合性軌道 C3-(1) 4 化学結合と分子構造(4)原子価殻電子対反発 (VSEPR) モデル、構造式と書き方 C3-(1) 5 代表的な炭素化合物(1)アルカン・アルケン・アルキン、など C3-(2) 6 代表的な炭素化合物(2)官能基間の相互作用(イオン間力、双極子-双極子相互作用、 水素結合、vander Waals 力)C1-(1) 7 有機化学反応序論:酸と塩基(1) ブレーンステッド・ローリーの酸・塩基の定義、 ルイスの酸・塩基の定義、カルボカチオンとカルバニオン C3-(1) 8 小括:確認と整理 9 有機化学反応序論:酸と塩基(2)強さ、構造と酸性度・塩基性度、Ka とpKa、C3-(1) 10 脂肪族化合物の命名法と立体配座(1)C3-(2) 11 脂肪族化合物の命名法と立体配座(2)シス−トランス異性と立体配座、環反転 C3-(2) 12 立体化学:キラルな分子(1)キラリティー、構造異性体と立体異性体、 エナンチオマー、R-S 規則、光学活性体とラセミ体、エナンチオマー過剰率 C3-(1) 13 立体化学:キラルな分子(2)ジアステレオマー、メソ化合物、相対配置と絶対配置 光学分割法 C3-(1) 14 イオン反応:ハロゲン化アルキルの求核置換反応と脱離反応(1)求核置換反応、 求核試薬(求核剤)、脱離基、SN2反応の速度論・反応機構・遷移状態論・立体化学 C3-(2) 15 イオン反応:ハロゲン化アルキルの求核置換反応と脱離反応(2)SN1反応の速度論・ 反応機構・遷移状態論・立体化学、ハロゲン化アルキルの脱離反応、E2 反応、E1 反応、 置換反応と脱離反応の比較 C3-(2) この科目は、学習者の習熟度に合わせてRegularおよびBasicクラスに分けて授業を行うので、学期初めに発表する指示に従って受講すること。 Basicクラスについては、上記の授業計画と平行して、授業内容の理解を深めるための解説と演習を行う追加の授業を行う。 |
授業方法 Class Method |
教科書と問題集を用いた講義型・演習型授業を主体とするが、重要なポイントについては質疑を行う双方向授業を取り入れる。
第8回では小括として試験を実施する。 |
授業時間外学習 Review and Preview |
講義の最後に、次回の講義範囲の紹介をするので、
1)該当部分の教科書の本文は必ず目を通すこと(予習)。 2)当日の講義内容を復習すること。 3)「基礎有機化学問題集」(解説と解答付)を用いて、演習して理解を深めること。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(70点) ・平常点等(30点) 配点内訳:小テスト ・評価方法はRegular、Basicクラスで同じ。小テストの実施日程については別途発表する。 |
教科書 Textbook |
T. W. G. Solomons, C. B. Fryhle, S. A. Snyder(監訳 池田正澄、上西潤一、奥山 格、西出喜代治)/ソロモン新有機化学(第11版)第1巻/廣川書店 廣田耕作、片岡貞、西出喜代治、編著/基礎有機化学問題集/廣川書店 ジェネリ−ク/分子構造模型セット(B008MVNJXE)/ジェネリ−ク |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
川崎 郁勇:薬化学I研究室・研究管理棟5階、オフィスアワー:金・5
稲本 浄文:薬化学II研究室・研究管理棟5階、オフィスアワー:金・5 西村 奏咲:薬学教育推進センター・総合薬学教育研究棟、オフィスアワー:火・5 連絡方法については、STUDENT GUIDE 2016 -For Academic Studiesを参照すること。 |
受講上の注意 Notices |
有機化学は決して暗記科目ではなく、理論的に考える学問である。
常に「考えること」と「質問すること」が勉学の第一歩であり、肝要である。 質問は大いに歓迎する。 |
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