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年度 2016
科目名 有機化学特論
担当者名 來海 徹太郎
単位 2
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科目目的
Course Objectives
有機化学は、自然界において多くの天然物質、人の手による化学合成物質のうち主に炭素原子からなる物質についての化学的生物学的性質、反応性などを学ぶ基盤的学問領域である。本特論では、様々な有機化学的基礎知識を深めるとともに統合をはかり、その発展領域である有機合成化学を学ぶための知識と技能を修得することを目標とする。
到達目標
Class Goal
1)様々な有機反応を結合論、電子論から理解し、生成物の構造的特徴を説明できる。
2)生物活性天然化合物や医薬品の構造的特徴、特に立体構造や官能基などを、統合した有機化学的知識をもとに予測することができる。
3)有機反応の基質間の構造化学的、理論化学的考察を行い、目的化合物生成を反応論的妥当性から説明できる。
授業内容
The Content of the Course
発明者の名前がついた有機反応である「人名反応」についてそのいくつかの反応例を反応機構、選択性、利点などについて概説する。また、医薬品合成等で重要となる光学活性体の合成法を不斉合成と云うが、その基本となる反応が不斉反応である。本特論では教科書(大学院有機化学、講談社)記載の不斉反応と講師の開発した反応を含めて解説する。
授業計画
Class Plan
第1回 炭素炭素結合形成反応Darzenz 反応の概要と反応機構および有機合成への応用
第2回 Diels-Alder反応の概要と反応機構および有機合成への応用
第3回 Wittig 反応の概要と反応機構および有機合成への応用
第4回 炭素炭素結合形成反応Snieckus-Directed ortho-metalation 反応の概要
第5回 Snieckus-Directed ortho-metalationの反応機構
第6回 炭素炭素結合形成反応Suzuki-Miyaura cross coupling反応の概要と反応機構
第7回 その他のcross coupling反応の概要その1、Negishi coupling, Stille couplingについて
第8回 その2、Kumada coupling, Sonogashira couplingについて
第9回 (総論)炭素骨格転位反応について。(各論)その1 ベンジル酸転位反応。ブルック
転位反応。ホフマン転位反応。クライゼン転位反応。
第10回 炭素骨格転位反応。(各論)その2 クルチウス転位反応。フリース転位反応。
オキシコープ転位反応。
第11回 (総論)エナンチオ選択的反応、化学量論的不斉反応、触媒的不斉反応
(各論)不斉アルドール反応(キラルリガンド)、不斉脱プロトン化反応
(キラルアミド塩基など)
第12回 (総論)触媒的不斉反応。(各論)不斉水素化反応、不斉エポキシ化反応、不斉クロス
カップリング反応、生体触媒を用いる不斉反応の開発
第13回 対称化合物の非対称化反応の開発
第14回 1,3-ジケトンの不斉還元反応(パン酵母)、β−ケトジエステルの脱エステル化反応
(リパーゼ、エステラーゼ)について
第15回 複雑な構造をもつ生物活性天然化合物の全合成例の紹介
(例:タキソール、タミフルなど)
講義資料は当日配布する。
授業方法
Class Method
授業内容に関連する作成プリントを事前に配布し、講義に使用する。内容に応じて板書、あるいはスライドを使用し、理解を深めるための演習問題にも取り組む。また、それらの解答を随時解説する。
授業時間外学習
Review and Preview
学部で履修した有機化学、有機合成化学を統合した科目となります。より実践的かつ先端の精密有機化学を学習します。
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](100点)

教科書
Textbook

参考書
Reference Books

地域との連携
Cooperation with the Community

担当教員への連絡方法
How to make Contact
実際には、担当教員の研究室に訪問されることを望むが、内線電話、メールを使用していただいて結構である。本学のMUSESを最大限に活用されたい。(送信先のアドレスは不要である。)
受講上の注意
Notices
これまで学部で習得した有機化学の知識を活用する事が重要。生理活性、薬理作用を有機化学的に分子レベルでとらえる習慣を身につける事が重要である。

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