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年度 2017
科目名 犯罪心理学
担当者名 荒井 崇史
単位 2
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科目目的
Course Objectives
1.犯罪・非行とよばれる反社会的逸脱行動は心理的な要因のみで生じるものではなく、環境的・状況的・社会的な要因や生物学的な負因などが複合して生じることを概説する。
2.心理学が犯罪・非行領域でどのように応用・援用されているかを概説する。
3.警察、司法、矯正保護などの刑事政策に関わる諸機関の役割やそこで働く心理系専門職の実務を知る。
4.精神障害者の犯罪、精神鑑定、裁判員制度、少年司法制度など、関連する諸問題についても概説する。
到達目標
Class Goal
1.犯罪学の諸理論を理解するとともに、理論を批判的に吟味することで合理的・論理的な思考力を身につける。
2.犯罪・非行領域における心理検査の活用や矯正処遇技法の初歩的な実践力を身につける。
3.犯罪・非行にかかわる心理実務者の仕事を知り、将来の職業選択について考える。
4.精神障害と犯罪、少年司法、裁判員制度などのテーマを通して、市民としての社会的責任を自覚するとともに、社会的な問題に対する関心を深め、生涯学習力を身につける。
授業内容
The Content of the Course
 本授業では,犯罪心理学の本格的な学習の第一段階として,犯罪心理学の学問的な位置づけ,刑事司法制度や犯罪統計など犯罪心理学を学ぶ上で基礎的な内容,そして犯罪原因に関する基礎理論を講義形式で説明する。
授業計画
Class Plan
第 1回 オリエンテーション
第 2回 犯罪と犯罪心理学:素人理論
第 3回 犯罪と犯罪心理学:犯罪とは?
第 4回 犯罪と刑事司法制度:成人犯罪者の処遇
第 5回 犯罪と刑事司法制度:非行少年の処遇
第 6回 犯罪統計の読み方:公式統計
第 7回 犯罪統計の読み方:被害者調査/自己申告調査
第 8回 犯罪原因論のはじまり
第 9回 生物学的原因論:遺伝か環境か
第10回 生物学的原因論:その他の生物学的要因
第11回 心理学的原因論:犯罪と心理学
第12回 心理学的原因論:犯罪者に共通するパーソナリティはあるのか?
第13回 社会学的原因論:社会が犯罪を生み出す?
第14回 社会学的原因論:犯罪社会学的理論の考察
第15回 本授業の総括
授業方法
Class Method
 講義については,基本的にはパワーポイントのスライドを提示しながら,内容について解説を行うレクチャー形式で授業を構成する。なお,状況を考慮してディスカッションを取り入れたり,講義後にミニレポートの提出を求める予定である。こうしたディスカッションやミニレポートを通して,新たに得られた知識から各人が新しい考えを醸成できるようにトレーニングを行う。
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
(1)複雑な理論が多いため,予習復習を十分に行うこと。
(2)授業時に課された論述などの宿題(所要時間1時間程度)は必ず行ってくること。
(3)疑問点は,疑問のままにしないで質問をすること。
   ※授業後の時間帯を積極的に活用して質問することが望ましい。
(4)授業中に紹介する参考文献を積極的に読破する。
(5)犯罪心理学に関連する心理学講義(臨床心理学,社会心理学など)と合わせて履修することが望ましい。
評価方法
Evaluation Method
・試験期間中に試験を実施(50点)
・平常点等(50点) 平常点等配点内訳:授業内の課題:40点 その他(授業への参加態度):10点

教科書
Textbook

参考書
Reference Books
越智啓太(編)/犯罪心理学/朝倉書店
大渕憲一/犯罪心理学−犯罪の原因をどこに求めるのか―/培風館
小俣謙二・島田貴仁(編)/市民と犯罪心理学/北大路書房
浜井浩一(編著)/犯罪統計入門/日本評論社
地域との連携
Cooperation with the Community

担当教員への連絡方法
How to make Contact
授業後,講師控室で質問を受ける。
なお,具体的な連絡方法や質問方法は初回の講義で説明するため,必ず出席すること。
受講上の注意
Notices
犯罪や事件の事例の話をする講義ではありませんので,それを踏まえて履修すること。
積極的に授業に参加し,主体的に準備学習を進めること。
  ※内容が難解であるため授業外での予習復習が重要になる。
資料の予備は保管しませんので,学生どうしでコピーすること。
他の受講生に迷惑がかかるため,私語が多い場合には退室をしていただく。
教員が認めたもの以外,一切の飲食を禁止する。
不正行為や他者の学習を妨げる行為には厳正に対応する。
その他,教員の指示に従えない場合には厳正に対処する。
卒業認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1−1 心理学に関する基礎的・専門的知識を有している。
1.知識・理解 1−2 社会福祉学に関する基礎的・専門的知識を有している。
2.技能・表現 2−1 科学的な視点に基づき、様々な課題の解決に心理学の専門的知識を統合し活用できる能力を有している。
3.思考・判断 3−3 身の回りの様々な現象を既有の専門知識と結びつけて分析的・論理的に考えることができる。
4.態度・志向性 4−3 社会の一員としての役割を見いだし、人を援助することができる。

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