シラバス参照 |
年度 | 2017 |
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科目名 | 建築材料実験 |
担当者名 | 田川 浩之・河又 洋介・神田 定秀・鳥巣 茂樹 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
現在最も代表的な建築構造材料である木材、コンクリート、鋼を対象とし、これらが有する基礎的特性と、これらの材料を用いた木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造建築の力学的挙動について、実験を通して学ぶことを目的とする。 |
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到達目標 Class Goal |
建築の安全性を確保するために重要な、構造材料の基礎を、実験を通してより具体的に理解する。理解した基礎的知識を踏まえて、「強」の視点から、空間を構成する基礎的能力を培う。 |
授業内容 The Content of the Course |
コンクリート、鋼材、木材の強度および応力度‐ひずみ関係などの材料特性について実験を通して学習する。また、部材の挙動について、 (1)鉄筋コンクリート梁のせん断耐力と変形および曲げ耐力と変形 (2)木材の梁の曲げ耐力と変形 (3)伝統構法木造の特性 (4)鉄骨柱を想定した局部座屈を、実験を通して理解を深める。 |
授業計画 Class Plan |
第1回:オリエンテーション(鳥巣・河又)
実験授業の概要、鉄筋コンクリート部材の成り立ちについて 第2回:フレッシュコンクリートの材料特性(鳥巣・河又) コンクリートの調合、フレッシュコンクリート試験、圧縮強度試験供試体作成 第3回:鋼材の力学的特性(鳥巣・河又) 鋼材の引張試験、応力度‐ひずみ関係(弾性限度、ヤング係数、降伏点、降伏棚、 ひずみ硬化、引張強度、伸び、延性)の理解、破壊性状の観察ほか 第4回:鉄筋コンクリート梁試験体の製作(1)(鳥巣・河又) 鋼製型枠の組み立て 第5回:鉄筋コンクリート梁試験体の製作(2) (鳥巣・河又) 鉄筋(主筋、あばら筋)の組み立て 第6回:鉄筋コンクリート梁試験体の製作(3) コンクリートの圧縮試験(鳥巣・河又) 梁試験体のコンクリート打設、第2回に作成した圧縮強度試験供試体の圧縮試験、 応力度‐ひずみ関係(ヤング係数、圧縮強度)の理解、破壊性状の観察 第7回:木造建築物の構造と、材の力学および木造材料実験についての概要(鳥巣・神田) 第8回:木材の梁の曲げ試験 梁の曲げ性状と破壊性状の観察(田川・神田) 第9回:木材の圧縮試験 破壊性状の観察、材料特性の確認(田川・神田) 第10回:木材の引張試験 破壊性状の観察、材料特性の確認(田川・神田) 第11回:伝統構法による継手仕口の引張試験 破壊性状の観察(田川・神田) 第12回:鋼材圧縮試験(田川・河又) 幅厚比の異なる角型鋼管の局部座屈試験、座屈耐力・変形の考察、局部座屈性状の観察 第13回:鉄筋コンクリート梁の曲げ試験(田川・河又) 第4,5、6回で製作した試験体の曲げ試験、梁のひび割れ状況、曲げ破壊性状の観察、 曲げ耐力と変形についての考察 第14回:鉄筋コンクリート梁のせん断試験(田川・河又) 第4,5、6回で製作した試験体のせん断試験、梁のひび割れ状況、せん断破壊性状の観察、 せん断耐力と変形についての考察 第15回:伝統構法による門形架構の正負繰返し載荷実験 木造の設計法(田川・神田) 授業の状況等に応じ、上記の予定を調整することがある。 |
授業方法 Class Method |
学生自らが、構造材料を扱い、試験体を作成し、人力による載荷試験を実施する。原則として毎回実験から学習した内容をレポートにまとめて提出する。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
予習に関しては、シラバスの授業計画あるいは授業中に配付した授業スケジュールを参考にして「建築材料」で使用している教科書の該当部分を読んでくること。また、返却したレポートの内容について復習を行うこと。 |
評価方法 Evaluation Method |
・レポート[作品含む](100点) |
教科書 Textbook |
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参考書 Reference Books |
日本建築学会/建築材料実験用教材/日本建築学会 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
<担当教員(非常勤講師)紹介>
河又 洋介 国立研究開発法人 防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター 研究員 米国オレゴン州立大学にて博士号(Ph.D.)を修得後、兵庫耐震工学研究センター(通称、E-ディフェンス)にて、地盤・杭基礎等に関する多数の実大3次元震動破壊実験に従事。 神田 定秀 播磨社寺工務店 代表取締役 播磨地方の国宝や県・市町指定の文化財建造物などの修繕改築に携わる一方、保存事業、耐震実験にも貢献。 |
受講上の注意 Notices |
実験室内での安全確保に特に留意すること。ハイヒール、サンダル、スカートなど実験に適さない服装の場合には、出席として扱わないことがあるので注意すること。
補習、再試験について:上記評価方法により不合格となった学生は、所定の期間に再試験受験手続を行うとともに、9月に開講する補習に必ず出席し、指示された提出物を期限までに提出すること。その時の提出物の点数は0.8をかけ、上記評価方法に基づく得点に加算する。再試験の評価において、60点以上の得点はすべて60点とする。 |
卒業認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
A.高い知性 ◎A−2(6年)構造や諸災害などに対する安全性を「強」として理解し、その基礎的・先端的技術を積極的に吸収し、演習や実習によって空間的に構成する実践的能力を修得する。(4年)構造や諸災害などに対する安全性を「強」として理解し、その基礎的技術を積極的に吸収し、演習によって空間的に構成する基礎的能力を培う。
※本科目が対応する建築学科・大学院建築学専攻修士課程プログラム(6年)、および建築学科(4年)の学習・教育到達目標のうち、◎は特に対応する到達目標を示す。 |
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