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年度 2017
科目名 有機化学T
担当者名 小関 稔・川崎 郁勇・西村 奏咲
単位 2
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科目目的
Course Objectives
薬学の基礎である有機化合物(医薬品や生理活性化合物)の性質や反応性を理解するために必要となる、基本的な「有機化学の知識」を修得することを目的としている。
到達目標
Class Goal
 1)代表的な脂肪族化合物を IUPAC 命名法と慣用名を用いて命名することができる。
 2)オクテット則、形式電荷に配慮して、有機化合物のルイス構造式を書くことができる。
 3)有機化合物の共鳴について、共鳴構造式を示して説明することができる。
 4)原子軌道と電子配置について説明できる。
 5)ルイスの酸・塩基を定義することができる。
 6)ブレーンステッド・ローリーの酸・塩基の酸性度・塩基性度を、pKaを用いて
   説明することができる。
 7)R-S 規則による立体配置を説明することができる。
 8)アルカンやシクロアルカンの立体配座について説明できる。
 9)立体化学に関する専門用語、エナンチオマー、ジアステレオマー、
   光学活性体とラセミ体、メソ化合物、エナンチオマー過剰率、について
   説明することができる。
10)求核置換反応(SN1反応とSN2反)と 脱離反応(E1 反応とE2 反応)について概説でき、
   その反応機構と立体化学を説明できる。
授業内容
The Content of the Course
医薬品のほとんどは有機化合物であり、薬学科で学ぶものにとって有機化学は極めて重要である。本講では、有機化学の基礎として高校化学の内容と関連付けながら講義する。使用教科書の1〜5章では、有機化学の基礎として主に化合物の性質や反応性を理解するために必要で基礎的な原理・原則を学ぶ。使用教科書の6章では、有機化学反応について学ぶ。有機化学反応を本格的に学ぶのは、この章が初めてとなる。
関連科目として、1年次後期の「有機化学U」および2年次前期の「有機化学V」があり、同じ教科書を用いて主に有機化学反応学び、これら3つの科目で有機化学全体を学ぶ事になる。
本科目は、別に開講する「薬学基礎演習I」と連動しながら講義する。
授業計画
Class Plan
必修科目
 1 有機化学の基礎:化学結合と分子構造(1)ルイス構造式、形式電荷 C3-(1)
 2 有機化学の基礎:化学結合と分子構造(2)構造式、共鳴理論 C3-(1)
 3 有機化学の基礎:化学結合と分子構造(3)混成軌道、分子の形 C3-(1)
 4 炭素化合物の種類:官能基と分子間力 極性、代表的な官能基 C3-(2)
 5 酸と塩基:有機反応と反応機構序論(1)ブレンステッド・ローリーおよびルイスの酸・   塩基、酸性度 C3-(1)
 6 酸と塩基:有機反応と反応機構序論(1)有機反応の機構 C3-(1)
 7 アルカンとシクロアルカン:(1)命名法、配座解析 C3-(2) 
 8 小括:確認と整理
 9 アルカンとシクロアルカン:命名法と立体配座(2)シクロヘキサンの立体配座 C3-(2)
10 立体化学:キラルな分子(1)異性体、エナンチオマー、R-S 規則、光学活性 C3-(1)
11 立体化学:キラルな分子(2)ジアステレオマー、メソ化合物 C3-(1)
12 イオン反応:ハロゲン化アルキルの求核置換反応と脱離反応(1)求核置換反応、求核試薬  (求核剤)、脱離基、SN2反応の速度論・反応機構・遷移状態論・立体化学 C3-(2)
13 イオン反応:ハロゲン化アルキルの求核置換反応と脱離反応(2)SN1反応の速度論・反応  機構・遷移状態論・立体化学 C3-(2)
14 イオン反応:ハロゲン化アルキルの求核置換反応と脱離反応(3)脱離反応、E2 反応、E1   反応、置換反応と脱離反応の比較 C3-(2)
15 総合討論、質疑応答、総まとめ

この科目は、学習者の習熟度に合わせてRegularおよびBasicクラスに分けて授業を行うので、学期初めに発表する指示に従って受講すること。
Basicクラスについては、上記の授業計画と平行して、授業内容の理解を深めるための解説と演習を行う追加の授業を行う。
授業方法
Class Method
講義型授業を主体とするが、重要な問題について質疑を行う双方向授業を取り入れ、8、9回目と最終回には知識のまとめを目的とする演習、小テスト、総合討論、質疑応答を行う。
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
本科目の単位数は2である。本学では、45時間の学修時間を必要とする内容の授業科目に1単位を認定することを標準としており、学修時間には、授業時間だけでなく、予習・復習等授業時間外での学修時間も含まれるとされている。
上記授業計画に基づいて講義前にテキストや高校教科書での予習をしてくること。分からないあるいは理解の浅い事項を認識して講義に臨むよう努めること。また、復習の一環として、宿題を与えるが、それ以外にもテキストやその問題の解答集等を参照するなどして授業内容を必ず復習し、必要に応じて関連科目の復習をすること。
評価方法
Evaluation Method
・試験期間中に試験を実施(80点)
・平常点等(20点) 平常点等配点内訳:小テスト
・評価方法はRegular、Basicクラスで同じ。小テストの実施日程については別途発表する。

教科書
Textbook
T. W. G. Solomons, C. B. Fryhle, S. A. Snyder(池田正澄他監訳)/ソロモン新有機化学(第11版)I/廣川書店
丸善/HGS分子構造模型(新)有機化学学生用セット/丸善
池田正澄他監訳/第11版ソロモン新有機化学スタディガイド/廣川書店
参考書
Reference Books

地域との連携
Cooperation with the Community

担当教員への連絡方法
How to make Contact
川崎 郁勇:薬化学I研究室・研究管理棟5階、オフィスアワー:金・5
稲本 浄文:薬化学II研究室・研究管理棟5階、オフィスアワー:金・5
西村 奏咲:薬学教育推進センター・総合薬学教育研究棟、オフィスアワー:火・5
連絡方法については、STUDENT GUIDE 2017 -For Academic Studiesを参照すること。
受講上の注意
Notices
必要に応じてプリントを配布する。分からないことは、積極的に質問するなど、早めに理解することを心がけること。有機化学は暗記科目ではなく、習得済みの知識と関連付けて理論的に考える学問である。常に「考えること」や「質問すること」が勉学の第一歩であり、「説明できる」ようになることを心がけること。
卒業認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-2豊かな教養と医薬品および臨床に関する専門的知識を習得している
3. 思考・判断/態度・志向性 3-1進歩する医療や科学について、自ら学び、考え、問題点を発見し、解決する能力を備えている

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