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年度 | 2018 |
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科目名 | 道徳教育指導論 |
担当者名 | 佐藤 幸治 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
1.学校教育活動全体の中で、意図的・無意識的に道徳的な心情・判断力・実践意欲と態度などの
道徳性を形成していることを知る。 2.その過程で、自らを律しつつ、人間として円満に成長する「あゆみ」について探究し、今後の 道徳教育のあり方と実践方法・教材等について探求する。 |
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到達目標 Class Goal |
@道徳教育に関する基本的な概念を理解する。
A「生きる力」を育むことにより、中学生一人ひとりの豊かな心を育て、人生・社会を切り拓く実 践的な力の育成を図る。 B実際に中学校において道徳を指導する場面を想定し、指導案の作成や教材研究を試みながら「特 別の教科 道徳」を担当できる知識と技術を身につける。 |
授業内容 The Content of the Course |
まず道徳の主体である人間とは何か、を考える。その上で学校教育の現場における道徳教育の諸問題を考えるために、学習指導要領に述べられている道徳教育の基本的理念を確認する。
改訂学習指導要領に示された「生きる力」を目標理念とする道徳の内容を実現するための資質・能力を身に付ける。そして今日、社会規範自体が大きく揺らぐといった社会の大きな変化や家庭や地域の教育力の低下、親や教師以外の地域の大人や異年齢の子どもたちとの交流の場や自然体験等の体験活動の減少などを背景として、生命尊重の心や自尊感情が乏しいこと、基本的な生活習慣の確立が不十分、規範意識の低下、人間関係を築く力や集団活動を通した社会性が不十分であることなど実態把握をし、実効性のあるものにする。 その手立ての一つとして「食べる」営みを正しく育む食は、「生きる力」の基本である。つまり、食事をする際に言う「いただきます」「ごちそうさま」と言う言葉には感謝の意があるように、「食育」の視点から道徳の時間を活用し、身近な「食」を通じて、豊かな人間性、思いやり、優しさ等、道徳性の知的養成や道徳教育実践力の養成を自主的・主体的に考え、講義や討議を通して、栄養教諭としての強い使命感や倫理観を磨く。そして、より実効性が上がる知識や技術を身につけ授業実践力の向上を図る。 さらに過去に思想家達が道徳について考えてきたことを見るために西洋・東洋の道徳思想史を概観する。最後に日本の近代社会おける道徳教育の流れを概観する。 |
授業計画 Class Plan |
1 はじめに(ガイダンス)
2 道徳とは何か、という問題を人間とは何かという視点から考える。そして人間が人間として 生きていく上でいかに道徳と関わっているかを確認する。 3 人を殺してどうしていけないのか、を考える。 4 人間はいかにして人間性・道徳性を培ってきたか。例えばヘレン・ケラー、宮澤賢治の場合。 5 近代という時代における道徳の問題。 6 道徳の基本的理念について考える。言葉としての「道徳」。道徳と法律、道徳と宗教の相違に ついて。 7 教育基本法・学校教育法における道徳の位置。 8 徳育としての道徳と知育・体育との関係について。 9 学習指導要領・道徳編の内容。 10 道徳教育の指導と方法 (1) 道徳の時間を活用した食育の授業と実践(授業の準備にかかわる基礎概念) (2) 道徳と食育の関連を創意工夫した指導方法と教材研究 11 西洋道徳思想史 − ギリシア精神とキリスト教 12 西洋道徳思想史 − カントの道徳論 13 東洋道徳思想史 − 中国(諸子百家)、日本(近代以前)の道徳思想 14 近代日本の道徳教育史 15 これからの道徳教育。道徳はいかに時代の要請に応えていくか。 |
授業方法 Class Method |
プリントを配付し、単に聴くだけではなく作業を兼ねた授業を進行する。進行状況に合わせてレポートを課す。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
常日頃から自分の行動・言動を反省し、道徳という問題を必要とする人間存在に関心を持ち、幅広い読書を心掛ける。常日頃から自分の行動・言動を反省し、道徳という問題を必要とする人間存在に関心を持ち、幅広い読書を心掛ける。特に授業前にはその回の内容に関係のある文献を読んで考察しておき、問題意識をもって授業に臨むこと。さらに授業終了後も復習を欠かさず、授業内容をしっかりと自分のものに消化する。また、2年次における学外教育実習に当たっては、実習で予想される道徳教育活動と授業内容の関連性を深く考察しておき、授業で学んだ道徳教育の意義を具体的に実践できるよう自覚を深めておくこと。 |
評価方法 Evaluation Method |
・レポート[作品含む](60点) ・平常点等(40点) 平常点等配点内訳:授業への積極的参加度 |
教科書 Textbook |
プリント配布 |
参考書 Reference Books |
文部科学省/小学校学習指導要領解説 総則編/東洋館出版 押谷由夫・柳沼良太編著/道徳の時代をつくる/教育図書出版会 佐藤幸治編著/道徳―思想と教育の今日的課題(増補改訂版)/八千代出版 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
satoh@mukogawa-u.ac.jp |
受講上の注意 Notices |
私語厳禁。教職課程履修学生は、この授業科目終了後、教職課程履修カルテの自己評価シート欄に必要事項を必ず入力すること。また、成績評価発表以降に、成績とともに担当教員によるコメントを参照し自己の学習状況について把握すること。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
V 社会人・教員として、社会性・対人関係能力を修得する。
X 中学校教科の専門性を踏まえて、授業等を計画的に実践する。 Z 教師としての使命感・責任感を自覚し、生徒への教育的な愛情を発揮する。 [ 教職実践と関連づけて、自らの探求課題を認識・発見し、探求し続ける。 |
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