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年度 | 2019 |
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科目名 | 有機化学U |
担当者名 | 來海 徹太郎・西村 奏咲 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
医薬品(ほとんどは有機化合物である)の化学的性質を特徴づけている官能基についての基礎知識を習得する。官能基の構築法や変換法、また反応性についても理解する。反応は、電子の流れを矢印を使った反応機構によって理解できるようにし、最小の暗記で最大の理解ができるようにする。予習復習を徹底して行い、知識を習得する習慣を身につける。 |
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到達目標 Class Goal |
官能基に関するほとんどすべての知識習得が目標であるが、理解度の確認には演習問題を自ら解答し、正解できるようにならねばならない。予習と復習を習慣づけ、中間テストや定期試験前だけではなく、日頃から勉強に取り組む習慣を身につけることも目標となる。 |
授業内容 The Content of the Course |
テキストを中心に様々な有機化合物の化学構造を詳細に解説する。特に有機化合物の構造式と反応機構は黒板を使ってわかりやすく時間をかけて説明する。日本薬局方収載医薬品や生体内物質の生物活性や化学的性質に影響する化学構造を官能基とともに理解できるようにする。官能基別に一般的性質や反応性について解説する。授業計画で扱った内容に関する練習問題の解決方法についても解説する。 |
授業計画 Class Plan |
必修科目
第1回 アルケンとアルキンの合成:ハロゲン化アルキルの脱離反応によるアルケンの合成 (C3-(3)-A−3) 第2回 アルケンとアルキンの性質:EZ規則による分類、アルケン、シクロアルケンの 相対的安定性カルボカチオンの安定性と分子転位、アルキンの合成と酸性度 (C3-(1)-A-6,C3-(1)-@-7,C3-(3)-F-1) 第3回 アルケンとアルキンの付加反応:求電子付加反応 アルケンからアルコールの合成、 ヒドロホウ素化やハロゲンの付加における立体化学、アルケンの酸化、アルキンへの付加反応 (C3-(2)-A-1,2,3) アルケンの反応の機構とエネルギー図 (C3-(1)-@-8,9) 第4回 ラジカル反応:結合解離エネルギー、アルカンとハロゲンの反応 アルキルラジカルの構造と安定性(C3-(1)-@-7) 第5回 アルコール:構造と命名 物理的性質、合成と反応:アルコールからハロゲン化アルキル への反応アルコールの酸化反応 有機金属化合物の合成と反応 (C3-(3)-B-1) 第6回 エーテルおよびチオール 物理的性質 トシラート、メシラート、トリフラート エーテルの合成、エポキシドの合成と反応、クラウンエーテルと相関移動触媒作用 (C3-(3)-B-2) 第7回 カルボニル化合物(アルデヒド、ケトン、カルボン酸、カルボン酸誘導体)から アルコールの合成:還元反応と有機金属化合物によるアルコールの合成 アルコールの酸化反応(C3-(3)-C-1,C3-(3)-C-2,3) 第8回 小括:確認と整理 第9回 アルケン関連化合物の反応:アリル位置換とアリルラジカル、アリルカチオン、 共役ジエンの安定性。(C3-(1)-@-7) 第10回 ディールスアルダー反応、1,4-付加反応と1,2-付加反応の区別 (C3-(2)-A-1) 第11回 芳香族化合物: ベンゼン誘導体の命名、ベンゼンの反応と安定性(C3-(2)-B-1) 第12回 Huckel則、そのほかの芳香族化合物、複素環式芳香族化合物、 生化学における芳香族化合物 (C3-(2)-B-2,4) 第13回 芳香族求電子置換反応 一般的反応機構:ベンゼンのハロゲン化、ニトロ化、 スルホン化、Friedel-Crafts反応(アルキル化、アシル化)(C3-(2)-B-3) 第14回 芳香族求電子置換反応における置換基の影響:反応性と配向性 (C3-(2)-B-3) 第15回 芳香族複素環化合物の求電子置換反応:反応性、配向性と置換基効果 (C3-(2)-B-5) |
授業方法 Class Method |
教科書を用いた講義型・演習型授業を主体とするが、重要なポイントについては質疑を行う双方向授業を取り入れる。8回目には小括として試験を実施する。
この科目は、学習者の習熟度に合わせてRegularおよびBasicクラスに分けて授業を行うので、学期初めに発表する指示に従って受講すること。 Basicクラスについては、上記の授業計画と平行して、授業内容の理解を深めるための解説と演習を行う追加の授業を行う。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
本科目の単位数は2である。本学では、45時間の学修時間を必要とする内容の授業科目に単位を認定することを標準としており、学修時間には、授業時間だけでなく、予習・復習等授業時間外での学修時間も含まれるとされている。上記授業計画に基づいて講義前にテキストの予習をしてくること。分からない事項を認識して講義に臨むよう努めること。また、復習は授業を受講後、可能な限り速やかに行い、テキスト中の練習問題、復習用配布問題を積極的に解き、授業内容の理解に努め、必要に応じては関連科目の復習も行い、当該科目の理解を深めること。復習用配布問題についてはMUSESで配信する。MUSES、学年掲示板を充分に確認すること。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(80点) ・平常点等(20点) 平常点等配点内訳: 小テスト ・評価方法はRegular、Basicクラスで同じ |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
配布課題については、一定期間の勉強時間を確保してもらい、各自で解答を作成する。
その後、正解例の配布、授業開始時に、重要ポイントの解説や補足説明をおこなう。 さらなる疑問点は、個別に対応する。 |
教科書 Textbook |
T. W. G. Solomon, C. B. Fryhle (監訳 池田正澄 他)/ソロモンの新有機化学 11版 第1巻/廣川書店 |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
來海 徹太郎:薬化学II研究室 総合薬学教育研究棟5階 オフィスアワー 金・5
西村 奏咲:薬学教育推進センター 研究管理棟5階 オフィスアワー 火・5 連絡方法については、Student Guide 2019 -For Academic Studies-を参照すること。 |
受講上の注意 Notices |
前期に使用したテキストを引き続き使用するので、新規に購入する必要はない。
分子モデルについても同様に使用する。 質問事項は、随時研究室への来訪を希望する。 オフィスアワー以外の時間でも在室時は対応するのでアポイントを取ること。 そのときは事務室カウンターにて対応してもらうこと。 また、緊急であればMUSES、メールによる対応も可とする。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
1.知識・理解 1-2豊かな教養と医薬品および臨床に関する専門的知識を習得している
2.技能・表現 2-1薬剤師として、医薬品の供給、調剤、服薬指導、処方設計、安全性・有効性、リスク管理およびチーム医療への参画に必要な薬学的能力を備えている 3. 思考・判断/態度・志向性 3-1進歩する医療や科学について、自ら学び、考え、問題点を発見し、解決する能力を備えている 3. 思考・判断/態度・志向性 3-2薬剤師として、患者・生活者医療と医薬品を巡る社会的動向を把握し、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度に基づいて活動できる |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
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