シラバス参照 |
年度 | 2019 |
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科目名 | 精神看護学T |
担当者名 | 寳田 穂・心光 世津子 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
精神の健康に関する基礎理論について学び、様々な精神疾患や障害の特徴についての理解を深め、その疾患や障害をもつ人にとってそれがどのような体験なのか推察し、治療および看護の方向性およびチームでの取組について検討できる。また、援助者自身のメンタルヘルスについても考えることができる。 |
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到達目標 Class Goal |
1.精神の健康や疾患に関する基礎理論の概観がわかる。
2.主な精神疾患や障害の成り立ちや特徴、主な治療について説明できる。 3.精神疾患や障害に関連する検査・診断・症状を、その人の生活の視点からみて、その人にとっ てはどのような体験かを考え、看護の方向性について検討することができる。 4.精神疾患や障害をもつ人への援助を行う上でのチームアプローチの概観を説明できる。 5.精神疾患や障害をもつ人を援助する人のメンタルヘルスや、援助関係で生じることについて考 えることができる。 |
授業内容 The Content of the Course |
精神の健康や疾患についての基礎理論について、心理社会的・精神生物学的・環境文化的な側面から学ぶ。また、主な精神疾患や障害の特徴、治療について学び、それらがその人の生活においてどのような体験かを考える視点を理解し、看護の方向性について検討する。さらに、看護職者のみならず当事者も含めたアプローチのあり方や援助者自身のメンタルヘルスについても学び、連携や援助者自身の健康を保持できるような考え方を身につけられるよう教授する。 |
授業計画 Class Plan |
第1回 精神疾患(障害)とは [寳田穂]
第2回 精神症状の概要と症状を体験している人の理解 [寳田穂] 第3回 脳と精神の働き、精神科における検査と診断 [心光世津子] 第4回 精神科における治療と患者の生活 [心光世津子] 第5回 統合失調症をもつ人の理解と看護 [心光世津子] 第6回 発達障害(神経発達障害群)をもつ人の理解と看護 [心光世津子] 第7回 精神科における患者−看護師関係 [寳田穂] 第8回 精神の健康問題と生活(関連法規含む) [寳田穂] 第9回 パーソナリティ障害をもつ人の理解と看護 [寳田穂] 第10回 アディクション(依存症)をもつ人の理解と看護 [寳田穂] 第11回 うつ病・双極性障害をもつ人の理解と看護 [心光世津子] 第12回 強迫性障害・ストレス因関連障害等をもつ人の理解と看護 [心光世津子] 第13回 精神障害からの回復と精神医療保健福祉チーム [寳田穂] 第14回 専門看護師の役割 精神科看護・リエゾン精神看護 [寳田穂] ゲストスピーカー:精神科リエゾン看護師 新田和子 第15回 看護における感情労働と看護師のメンタルヘルス [寳田穂] 定期試験 |
授業方法 Class Method |
オムニバス
講義内容の理解を助けるため、実際の事例の説明や映像を用いて、学生の理解度を確認しながら、双方向性での授業を行う。 国家試験で頻出の内容に関しては、配布資料および「看護師国試web」にて独自に作成した問題集(e-learning)を提示する。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
予習:次回予定している授業内容や教科書の範囲を提示する。次回の授業までに、提示された教科書等の範囲をよく読み、予習を通しての学びや疑問等をノートにまとめてから授業にのぞむこと。
復習:授業を振り返り、事前に抱いていた疑問や問題意識がどのように変化したか、何を学んだか、今後の学習課題等、についてノートにまとめること。ノートは、単に知識をまとめて記載するだけでなく、思考力を育てる役割も担う。ノートについての詳細は初回の授業で説明する。授業内で提示する「看護師国試web」内の問題集を解いて解説を読み、授業内容の理解を確認すること(e-learning)。 疑問や分からないことがあれば、面談を受け付けているので、電子メールでアポイントをとってください。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(80点) ・平常点等(20点) 平常点等配点内訳:授業への積極的な取り組みの姿勢(出席・授業態度・自己学習ノートの提出状況等)20点 ・試験は100点満点で、60点以上を合格とし、試験の点数(100点満点)×0.8+平常点(20点満点)を成績とする。試験の点数が60点未満は、再試験となる。 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
・各回のノート(予習・復習を含む)の記載内容をふまえて、授業時間内にフィードバックを行う。
・心光担当回は国家試験や臨床でよく出会う内容のため、毎回、授業時間内に学習内容を確認するワークを行う。その提出内容をふまえて、翌回にフィードバック、補足説明を行う。 ・最終授業日には、授業全体のフィードバックを行う。 ・再試験対象者に対しては、試験結果及び再学習に向けて面談にてフィードバックを行う。 |
教科書 Textbook |
武井麻子ら/精神看護学1 精神看護の基礎 2017/医学書院 武井麻子ら/精神看護学2 精神看護の展開 2017/医学書院 落合慈之監修/精神神経疾患ビジュアルブック 2015/学研メディカル秀潤社 |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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担当教員への連絡方法 How to make Contact |
電子メール:[Student Guide]掲載のアドレスを参照
研究室への訪問の際はメールで事前にアポイントをとることを推奨 |
受講上の注意 Notices |
授業の前や後で浮かんだ疑問は、教科書だけでなく、他の図書やインターネットを通して、自分自身でも調べて考えてみること。
こころの健康や健康問題は、自身や周囲の人々の社会生活や日常生活のあり方に大きく関与しており、身近な問題である。また、こころの健康問題は、苦しさや辛さといった感情と関連するため、学ぶことで苦しさや辛さが伝わってくるかもしれない。日々の生活で生じている出来事や対人関係、感情について、学んだ知識や理論、考え方をもとに、振り返ることが精神看護の理解を深める。知識を得るだけ、暗記だけでは、学習を深めることができないので、悩んだり葛藤することもあると思うが、考えてください。 授業の進行順序は変更する可能性があります。第1回目に進行順序や評価について、説明する。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
1.知識・理解 1−1 人の生活を理解するための幅広い教養や基礎知識を身につけている。
1.知識・理解 1−2 生活者としての人を支援するために必要な専門的知識を習得している。 2.技能・表現 2−1 生命の尊厳と人権尊重を基盤とした倫理観と人の価値観を尊重した コミュニケーション方法を身につけている。 3.思考・判断 3−1 人の生活や健康を支える様々な要因(身体心理社会的)についての情報 を収集し、分析することができる。 3.思考・判断 3−2 援助が必要な人の状態を明確にして、援助の根拠を特定することができ る。 3.思考・判断 3−3 生活および医療全般にわたって、その人に起こりうる事態を予測し、 論理的思考力と的確な問題解決能力に基づいて、最善策を導き出すことができる。 4.態度・志向性 4−1 プロフェッショナルな看護師として社会に貢献する意欲を持ってい る。 4.態度・志向性 4−2 看護師として、生涯にわたって自分を高めていこうとする強い意思・ 意欲を持っている。 5.看護実践力・多職種間連携能力 5−1 他の医療職者や福祉関係の職種との連携を理解し、 その人や家族への援助ができる能力を身につけている。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
担当教員はいずれも看護師として医療機関の精神科で勤務した経験がある。また、地域での精神障害者の回復支援にも携わっている。実践経験を活かし、精神保健医療福祉分野の動向をふまえながら、精神障害・疾患をもつ人や看護についての理解を深められるような知識や情報へのアクセスの仕方、考え方について教授する。 |
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