シラバス参照 |
年度 | 2020 |
---|---|
科目名 | 大学 学び発見ゼミ 世界史のなかの英国紅茶 |
担当者名 | 山田 慎人 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
大学で学ぶ一番の意義は、自分の関心を広げ、自分が興味を持つことを自ら主体的に調べ理解を深める楽しさを知ることにある。主体的に学ぶことの楽しさに気付き、その方法を身につけることが、この科目の目的である。すなわち、仲間との議論を通じて、能動的な学びの実践者になることが目的である。 |
---|---|
到達目標 Class Goal |
・世の中の様々な物事に興味、関心を持ち、疑問に思ったことを積極的に調べる習慣を身につける。
・関心を持った事柄について知るための資料や文献を効果的に探すことができる。 ・収集した情報を適切に整理し、論理的に分かりやすく表現できる。 ・自分の考えや疑問に思ったことに関して積極的に発言できる。 |
授業内容 The Content of the Course |
紅茶を飲む習慣がイギリスの伝統的な文化の一つであり、それがイギリスから世界に広がったことは、よく知られている。しかし、茶を飲む習慣は中国や日本に起源があり、それが400年ほど前イギリスに伝わり現在の紅茶の文化へと発展するには200年以上の時間がかかった。そして、その背景には、世界史の教科書にも登場するような重要な歴史上の出来事がいくつも重なり合っている。例えば、そもそも中国や日本の飲茶の文化がイギリスに伝わった背景には、500年程前に本格化したヨーロッパ諸国の世界進出があった。また、当初は王侯貴族をはじめ上流階級の贅沢であった茶が広く国民に飲まれるようになった一つの理由として、1700年代末から1800年代にかけてイギリスで受け入れられその後世界に広まった自由な貿易の考え方のおかげで、茶の輸入税が下がり、輸入量が増えて価格が低下したことがある。さらに、イギリス人が当初好んだ現代のウーロン茶に近い半発酵の中国茶に代わり、現代の私たちが知る発酵度の強い紅茶が出現したのは、イギリスが自らの植民地インドで茶を栽培するようになった1800年代の半ばのことであった。同じ頃、世界に先駆けてイギリスではじまった産業革命のおかげで、人々の生活時間が変わり夕食の時間が遅くなって、午後にスコーンなど軽食と一緒に紅茶を楽しむアフタヌーンティーの習慣が始まる。一方で、イギリス人の紅茶好きは、植民地であったアメリカのイギリスからの独立戦争や、中国の植民地化の始まりとなるイギリスと中国の間のアヘン戦争といった、歴史上の大事件の大きな原因となった。本授業では、紅茶という親しみやすいテーマを入り口として、歴史を学ぶ楽しさを知り、私たちの身の回りに当たり前のように存在するものの多くが、実は政治や経済、社会の大きな変動とかかわっていることを学ぶ。 |
授業計画 Class Plan |
【授業回数】15回
第1回 はじめに 第2回 中国、日本の茶文化 第3回 ヨーロッパの世界進出とイギリスへの茶の伝播(16〜17世紀) 第4回 宮廷での流行とコーヒーハウス(17世紀後半) 第5回 ティーガーデンと茶をめぐる論争(18世紀) 第6回 砂糖と三角貿易(17〜18世紀) 第7回 ボストン茶会事件(1773年)とアメリカ独立戦争(1775〜1783年) 第8回 ティーカップの誕生(18世紀後半) 第9回 自由貿易と消費量の増加(18世紀末〜19世紀) 第10回 アヘン戦争(1840〜42年)と中国の植民地化 第11回 インドでの茶の栽培と英国紅茶の誕生(19世紀半ば) 第12回 アフタヌーンティーの誕生と労働者の禁酒運動(19世紀) 第13回 リプトンと紅茶の大衆化(19世紀末) 第14回 期末レポートのプレゼンテーション@ 第15回 期末レポートのプレゼンテーションA |
授業方法 Class Method |
毎回の授業のトピックに関して、2,3名の学生がプレゼンテーションを行い、他の学生を交えて質疑応答やディスカッションを行う。 |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
プレゼンテーション、ディスカッション。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
予習:発表者は自分の担当するトピックについて調べプレゼンテーションの準備を行う。それ以外の学生も、指定された参考資料を読むなどして授業に備える。
復習:毎回の授業で出てきた新たな疑問点について各自調査し、次回の授業に備える。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点等(100点) 平常点等配点内訳:プレゼンテーション40点;授業中の発言20点;期末レポート40点 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
(1)プレゼンテーションに関しては、そのたびに評価や改善すべき点を伝える。
(2)期末レポートについても、授業中のプレゼンテーションの際に、フィードバックを行う。 |
教科書 Textbook |
|
参考書 Reference Books |
|
地域との連携 Cooperation with the Community |
- |
担当教員への連絡方法 How to make Contact |
yamadan@mukogawa-u.ac.jp |
受講上の注意 Notices |
上記の授業内容を読んだ上で、興味と関心をもって積極的に授業に参加すること。
【重要】 2019年度より、共通教育科目では「授業公欠」の扱いを全廃し、共通教育の受験資格を変更している。これに伴い、授業では学修成果のアウトプットの回数を増やし、多面的な評価を行う方向に変えている。 このため、事前に分かっている欠席や体調不良等での突発的な欠席もありうることを踏まえ、安易に欠席しない受講態度が不可欠となる。 (詳しくは「共通教育履修ガイドブック」を参照すること。) なお、学科の基礎教育科目、専門教育科目、および資格課程科目は従来通りの履修ルールで実施される。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
- |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
- |
シラバス参照 |