シラバス参照

年度 2021
科目名 建築材料実験
担当者名 田川 浩之・植田 和樹・河又 洋介・鳥巣 茂樹
単位 2.0
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科目目的
Course Objectives
現在最も代表的な建築構造材料である木材、コンクリート、鋼を対象とし、これらが有する基礎的特性と、これらの材料を用いた木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造建築の力学的挙動について、実験を通して学ぶことを目的とする。
到達目標
Class Goal
建築の安全性を確保するために重要な、構造材料の基礎を、実験を通してより具体的に理解する。理解した基礎的知識を踏まえて、「強」の視点から、空間を構成する基礎的能力を培う。
授業内容
The Content of the Course
コンクリート、鋼材、木材の強度および応力度‐ひずみ関係などの材料特性について実験を通して学習する。また、部材の挙動について、 (1)鉄筋コンクリート梁のせん断耐力と変形および曲げ耐力と変形 (2)木材の梁の曲げ耐力と変形 (3)伝統構法木造の特性 (4)鉄骨柱を想定した局部座屈を、実験を通して理解を深める。
授業計画
Class Plan
第1回:オリエンテーション(鳥巣・河又)
実験授業の概要、鉄筋コンクリート部材の成り立ちについて
第2回:フレッシュコンクリートの材料特性(鳥巣・河又)
コンクリートの調合、フレッシュコンクリート試験、圧縮強度試験供試体作成
第3回:鋼材の力学的特性(鳥巣・河又)
鋼材の引張試験、応力度‐ひずみ関係(弾性限度、ヤング係数、降伏点、降伏棚、
ひずみ硬化、引張強度、伸び、延性)の理解、破壊性状の観察ほか
第4回:鉄筋コンクリート梁試験体の製作(1)(鳥巣・河又)
鋼製型枠の組み立て
第5回:鉄筋コンクリート梁試験体の製作(2) (鳥巣・河又) 
鉄筋(主筋、あばら筋)の組み立て
第6回:鉄筋コンクリート梁試験体の製作(3) コンクリートの圧縮試験(田川・河又)
梁試験体のコンクリート打設、第2回に作成した圧縮強度試験供試体の圧縮試験、
応力度‐ひずみ関係(ヤング係数、圧縮強度)の理解、破壊性状の観察
第7回:木造建築物の構造と、材の力学および木造材料実験についての概要(田川・植田)
第8回:木材の梁の曲げ試験 梁の曲げ性状と破壊性状の観察(田川・植田)
第9回:木材の圧縮試験 破壊性状の観察、材料特性の確認(田川・植田)
第10回:木材の引張試験 破壊性状の観察、材料特性の確認(田川・植田)
第11回:伝統構法による継手仕口の引張試験 破壊性状の観察(田川・植田)
第12回:鋼材圧縮試験(田川・河又)
幅厚比の異なる角型鋼管の局部座屈試験、座屈耐力・変形の考察、局部座屈性状の
観察
第13回:鉄筋コンクリート梁の曲げ試験(田川・河又)
第4,5,6回で製作した試験体の曲げ実験、梁のひび割れ状況、曲げ破壊性状の観察、
曲げ耐力と変形についての考察
第14回:鉄筋コンクリート梁のせん断試験(田川・河又)
第4,5,6回で製作した試験体のせん断実験、梁のひび割れ状況、せん断破壊性状の観察、
せん断耐力と変形についての考察
第15回:伝統構法による門形架構の正負繰返し載荷実験 木造の設計法(田川・植田)

授業の状況等に応じ、上記の予定を調整することがある。
授業方法
Class Method
学生自らが、構造材料を扱い、試験体を作成し、人力による載荷実験を実施する。多くの実験はグループワークとし、学生どうし協力して行う。原則として毎回、実験から学習した内容を各自、レポートにまとめて提出する。
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
実験科目
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
予習に関しては、シラバスの授業計画あるいは授業中に配付した授業スケジュールを参考にして「建築材料」で使用している教科書の該当部分を読んでくること。また、返却したレポートの内容について復習を行うこと。
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](100点)

※実験演習への参加度(出席状況など)も評価に入れる。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
レポートは採点後、返却する。必要に応じて、授業中に解説する。
教科書
Textbook
教科書コメント
参考書
Reference Books
建築材料実験用教材/日本建築学会/日本建築学会
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
実験室内での安全確保に特に留意すること。ハイヒール、サンダル、スカートなど実験に適さない服装の場合には、出席として扱わないことがあるので注意すること。実験室内では安全靴を着用すること。
補習、再試験について:上記評価方法により不合格となった学生は、所定の期間に再試験受験手続を行うとともに、9月に開講する補習に必ず出席し、指示された提出物を期限までに提出すること。その時の提出物の点数は0.8をかけ、上記評価方法に基づく得点に加算する。再試験の評価において、60点以上の得点はすべて60点とする。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
A.高い知性 ◎A-2(6年)構造や諸災害などに対する安全性を「強」として理解し、その基礎的・先端的技術を積極的に吸収し、演習や実習によって空間的に構成する実践的能力を修得する。(4年)構造や諸災害などに対する安全性を「強」として理解し、その基礎的技術を積極的に吸収し、演習によって空間的に構成する基礎的能力を培う。
D.高い知性、善美な情操、高雅な徳性の総合  ○D-2
※◎は特に対応する学習・教育到達目標、○は対応する学習・教育到達目標を示す。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
田川浩之 建築構造に関する試験所、研究所などで数多く行った構造実験ならびに構造解析の実務経験をもとに、建築材料実験を通じて、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造の成り立ち、力学的な性質、地震外乱などに対する実挙動や設計法を教える。
河又洋介 兵庫耐震工学研究センター(通称、E-ディフェンス)で数多くの実大3次元震動破壊実験を実施した実務経験をもとに、建築材料実験を通じて、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の成り立ち、力学的な性質、地震外乱などに対する実挙動や設計法を教える。
鳥巣茂樹 建築構造設計・設計監理の豊富な実務経験あるいは構造一級建築士の技能を活かし、建築材料実験を通じて、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の成り立ち、力学的な性質、地震外乱などに対する実挙動や設計法を教える。

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