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年度 2021
科目名 音楽心理学
担当者名 大澤 智恵
単位 2
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科目目的
Course Objectives
音楽を理解するためには、音楽を感じる心の働きを理解しなければならない。本授業では、音楽に関する心理学の知識を身につけることを目的とする。
到達目標
Class Goal
音楽や音に関する心理学的知見について理解を深めるとともに、演奏や聴取についての新たな見方を身につける。
授業内容
The Content of the Course
音の高さや大きさなどの音の知覚についての基礎的な知識を学び、続いて音階やリズムなどの音楽的認知、演奏者や聴取者の心理に関する諸研究を概観する。また、この科目を通じて音楽をする人の心に科学的にアプローチすることを経験し、科学的なものの考え方を養う。
授業計画
Class Plan
基本的には下記の計画に従って進める。
受講生の関心、理解に要する時間や補足事項等により変更することがある。

第1回 ガイダンス、音楽心理学の扱うもの、文献調査のしかた
第2回 音楽の起源、人はなぜ音楽をするのか
第3回 音とは何か、聴こえるしくみ、音高と音色の正体
第4回 音高と音程:対数的な知覚とは、旋律とリズムの知覚:音楽知覚とゲシュタルト
第5回 音楽する脳・演奏する脳、小鳥の歌研究に学ぶ
第6回 演奏を成り立たせるために演奏者がしていること(情報の獲得・処理と運動制御の観点か
    ら)
   <小テスト>
第7回 演奏にかかわるさまざまな情報(モダリティと情報の出どころ)、演奏モデルをつくってみよう
第8回 練習を科学する:質的アプローチと量的アプローチの例
第9回 演奏の可視化:「演奏データ」をMIDIでとってみよう・録音データを可視化してみよう
第10回 アンサンブルを可能にするしくみ、レポートの書き方
第11回 演奏家の健康、演奏不安
第12回 音楽と情動、音楽によるコミュニケーション
   <小テスト>
第13回 実習:仮説の設定〜実験計画
第14回 実習:データ収集〜解析〜考察
第15回 実習:発表、まとめ
授業方法
Class Method
双方向型授業。基本的には講義形式で行うが、1回あたり15分程度の受講生による文献紹介を含む。また、実験なども体験する。
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
各自の担当テーマについて調査し、授業内で発表する。
グループで計画し、ミニ実験を行う。
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
各回のトピックに関する書籍の章や論文を読み、予習する。発表担当の回に向けて、発表準備をおこなう。文献は、適宜指定するが、自身の見つけたものを読んでもよい。最後におこなう実習においては、グループで協力し、授業外にデータを取ったり、分析したりする。授業内の小テストに向けて、重要な用語の定義や調査方法等の理解の定着をはかるため復習する。
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](40点)
・平常点(60点) 平常点等配点内訳:授業への積極的参加(10点)、プレゼンテーション(20点)、コミュニケーションシート及び小テスト(30点)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
各担当回の発表、実習内容の発表については授業内の発表直後にコメントする。
コミュニケーションシートや授業時の提出物には、必要に応じコメントを添えて返却する。
レポートは、評価後のオフィスアワーにて評価のポイントや講評を伝える。
教科書
Textbook
教科書コメント
参考書
Reference Books
音楽の心理学(上下)/Deutsch, D (編), 寺西立年, 宮崎謙一, 大串健吾(監訳)/西村書店
演奏を支える心と科学/Parncutt, R & McPherson, G. E.(編) 安達真由美・小川容子(監訳)/誠信書房
音は心の中で音楽になる/谷口高士 (著)/北大路書房
人はなぜ音楽を聴くのか/North, A. C., & Hargreaves, D. J. (著), 磯部二郎, 沖野成紀, 小柴はるみ, 佐藤典子, 福田達夫 (訳) /東海大学出版会
音楽と感情の心理学/Sloboda, J. A., & Juslin, P. N. (著), 大串健吾, 星野悦子, 山田真司(訳)/誠信書房
音楽的コミュニケーション: 心理・教育・文化・脳と臨床からのアプローチ/Miell, D.,  Macdonald, R., & Hargreaves, D. J. (編), 星野悦子監訳/誠信書房
音楽の認知心理学/Aiello, R. (著), 大串健吾 (監訳)/誠信書房
音楽心理学入門/星野悦子編著/誠信書房
音楽と脳科学:音楽の脳内過程の理解をめざして/Koelsch, S. (著), 佐藤正之 (監訳), 橘亮輔, 田部井賢一, 小野健太郎, 森数馬 (訳)/北大路書房
歌うネアンデルタール: 音楽と言語から見るヒトの進化/Mithen, S. (著), 熊谷淳子 (訳)/早川書房
絶対音感神話: 科学で解き明かすほんとうの姿/宮崎謙一 (著)/化学同人
On-Ken スコープ(Webサイト)/ヤマハ音楽研究所/ヤマハ音楽研究所
音楽知覚認知ハンドブック: 音楽の不思議の解明に挑む科学/大串 健吾・桑野 園子・難波 精一郎(監修)、小川 容子・谷口 高士・中島 祥好・星野 悦子・三浦 雅展・山崎 晃男(編著)/北大路書房
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
授業時に気になったことを積極的に書籍やインターネットで調べたり、遠慮なく質問するなどして、調査スキルや問題解決能力を上げるよう努力すること。受講生全員で授業を作り上げるという意識をもち、積極的に参画すること。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-2 音楽以外の芸術、医学、心理学、情報・メディアなど幅広い知識を有している。
3.思考・判断 3-2 各現場で“求められる音楽”を判断し、創造することができる。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
企業の音楽研究所の研究員として、カリキュラムの検討や講師教育のもととなる調査研究を行なった経験、また、小学校及び高等学校での教員経験と、それらにより得られた知識を生かして、音楽的諸能力の発達やスキルのしくみ、調査・研究、実験のノウハウなどについて解説する。

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