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年度 | 2021 |
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科目名 | 染色加工実験 |
担当者名 | 古濱 裕樹 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
テキスタイルアドバイザーとしても必要な、繊維製品の染色や加工のされ方、その品質面を踏まえた取り扱いに関わることを、本質的な理解につながるよう、実験を通して学ぶ。ファッション製品にとって、色柄は重要な要素であるが、色あせや色落ちが起こっては困る。初期性能の維持、トラブルの原因について、原理から「わかる」こと、応用力をつけることを目指す。 |
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到達目標 Class Goal |
染色や染色に関係する事象を、実験を通して、表面的ではない、本質的な理解に至ることを目標とする。「なぜ染まるか」を理解することで、色落ち・色あせが起こらないようにするにはどうすべきか、起こった場合はどう対処したらいいかの素養を身につける。 |
授業内容 The Content of the Course |
私たちは多くの色に取り囲まれているが、衣料やインテリアに使われている繊維製品に色をつけることが染色である。この実験では、さまざまな方法による染色を実際に行いながら、染色の原理や、染色に及ぼすさまざまな条件を理解するとともに、染色製品の性能(色合い、色落ちのしにくさ)の評価を行う。 |
授業計画 Class Plan |
既に開講された繊維学実験、被服整理学実験などで学んだことを受けて、次のようなことを行う。 第1回 染色という現象を把握する実験 染色とはどういう現象かについて、おおまかな把握と分光学的な測定方法の理解。 第2回 天然染料による染色(茜によるハンカチ染め) 合成染料が開発される以前は、天然の植物や動物を用いて染色が行われていた。天然の素材からの抽出という面倒な操作など、染色方法が複雑な天然染料による染色を、合成染料による各種実験の前に行う。 第3回 オレンジIIの合成と染色 第4回 直接染料による綿の染色(助剤の効果) 残浴法により染着率を測定するとともに染色した試料布の反射率から染着量を評価する。 第5回 反応染料による綿の染色 3原色の染料を混合することにより、16色を染め、染色布の測色を行う。 第6回 ナフトール染料による綿の染色 第7回 建て染め染料(スレン染料およびインジゴ)による綿の染色 分散染料による染色(ポリエステル、アセテート、ナイロン、綿の染色) 第8回 藍による縫い絞り染め 第9回 各種天然染料による染色 第10回 染色条件(染色時間、染色温度、浴比)による染色結果の検討、染料の鑑別実験染色条件による染色結果の検討 第11回 ホルムアルデヒド試験 繊維製品の加工剤や接着剤等にも使われ、皮膚障害やシックハウス症候群の原因にもなる物質、ホルムアルデヒドのアセチルアセトンによる定量的分析 第12回 染色製品の堅ろう性の検討1 洗濯堅ろう度、汗堅ろう度試験などの試験 第13回 染色製品の堅ろう性の検討2 色泣き、摩擦堅ろう度、ホットプレッシング堅ろう度、塩素堅ろう度などの試験 第14回 トラブル(苦情)事例の原因推測 第15回 トラブル(苦情)事例の原因解明 |
授業方法 Class Method |
対面授業による実験(Googleクラスルームによるオンデマンド型の遠隔授業を行うことがある) |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
cmsn2rv |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
事後に主体的に調査することが要求される実験の授業を行う。また、実験は3〜6人程度のグループワークが中心となる。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
事前に配布テキストを読んで、実験の手順を把握する。実験後に実験結果を検証し、講義授業(染色加工学)や文献等をもとに考察を考え、見やすい結果と論理が正しい考察をきっちりと含まれている質の高い実験レポートを作成する。 実験レポートの提出後に教員が確認し、採点して返却したり、解説を行ったりする。レポートによってはGoogleクラスルームに掲載した解説動画を閲覧して振り返り(Googleフォームで実施)を行う。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:実験レポート(15回程度)およびレポートの振り返り(7回程度)の提出(100点) |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
ほぼ毎回課される実験レポートは、提出後に教員が確認し、フィードバックを行う。その形態はレポートの形式により異なる。Googleフォームで提出を要求したレポートについては、採点後、間違え箇所にフィードバックの文章を添付したり、対面授業で全体への解説を述べたりしたうえで、100点満点の得点を付けて返却する。GoogleクラスルームにWordやExcel形式で提出を要求したレポートについては、確認後、解説動画を作成し、Googleクラスルームに公開する。いずれも提出期限後、1〜4週間程度を目安にフィードバックを行う。 |
教科書 Textbook |
印刷教材を配布する |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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受講上の注意 Notices |
並行して開講される染色加工学と関連づけて行っていく予定であるので、染色加工学の講義を受講することを強く推奨する。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
1.知識・理解 1-2快適で健全な生活を形作るための、科学的・工学的な観点からの専門知識を有している。 2.技能・表現 2-1生活を構成する事象を定量的・論理的に分析し、問題の解決につなげることのできる技能を有している。 3.思考・判断 3-1 新たな課題に対し、論理的に考え、問題を解決する能力を身に付けている。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
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