シラバス参照

年度 2021
科目名 食文化史特論
担当者名 阿良田 麻里子
単位 2
履修便覧ページへ
★★「単位」には開講学年の単位が表示されています。★★
★★「単位」が「-(ハイフン)」で表示されている場合は各自の履修便覧で単位を確認してください。★★


科目目的
Course Objectives
世界各地の食文化の事例を通じて、多様な文化の生活習慣を学ぶとともに、その背後にあるものの見方・考え方を理解する。自らの食文化を絶対化せずに、異文化を柔軟に受けとめる姿勢を養い、多文化共生時代に必要な基礎知識を身につける。
到達目標
Class Goal
生活文化は身近で日常的なものであるため、自らの習慣や考え方が万国共通の普遍的なものと思いこみがちである。この授業では、生活文化としての食文化の諸側面をとりあげ、映像資料を交えて、日本を含む世界各地の具体的な事例を学ぶ。これと自らの文化を比較することによって、自文化を絶対化せずに、異文化を柔軟に受けとめる姿勢を身につける。
授業内容
The Content of the Course
生活文化は身近で日常的なものであるため、自らの習慣や考え方が万国共通の普遍的なものと思いこみがちである。この授業では、講師の調査地であるインドネシアをはじめ世界各地の具体的な事例を取り上げて、生活文化としての食文化の諸側面やその歴史的な変化を学ぶ。これにより、自らの食文化を顧みて客観的に見つめ直す訓練を行うとともに、異文化を柔軟に受けとめる姿勢を身につける。
また、各自興味をもったテーマについて調査を行い、レポート作成や研究発表をすることによって、調査研究の技術を養う。
授業計画
Class Plan
1.食文化とは。食の3機能以外の精神的機能・社会的機能を考える。
2.調味の文化圏(うまみと香りの文化圏)
3. おもな食べ物からみる食文化1 (野菜と果物。食材の伝播)
4. おもな食べ物からみる食文化2 (主食となる食材)
4. おもな食べ物からみる食文化2 (主食の調理法)
5. おもな食べ物からみる食文化3 (牧畜と乳。食品加工と保存の技術)
6. おもな食べ物からみる食文化4 (肉・血の利用)
7. 食材の選択に影響を与える文化的要因1(宗教と食。ユダヤ教・イスラームと食の禁忌)
8. 食材の選択に影響を与える文化的要因2(その他の宗教、主義、慣習による忌避や禁忌)
9. 食材の選択に影響を与える文化的要因3(文化人類学におけるタブー論)
10. 最終課題中間報告とコメント
11.日常の食制(時間・献立)ともてなし
12.食の精神的・社会的な機能1(社交と食)
13.食の精神的・社会的な機能2(食と自己規定)
14. まとめと最終課題発表1
15.最終課題発表2
授業項目の順序は、予告なしに変更することがある。
授業方法
Class Method
学期の前半は、原則講義形式で授業を進めるが、テーマに関連したグループワークやディスカッションを行う。学期の後半では、各自特に関心を抱いたテーマに関連して調査した結果をレポートにまとめる。レポートの草稿に対して教員からコメントをするので、改善した結果を授業内で発表し、最終レポートとして提出する。
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
ディスカッション・グループワーク・プレゼンテーション・フィールドワーク
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
毎回の授業内容を振り返り、テーマに関連して、自らの生活文化を相対的に捉え直すことを試みること。
また、特に関心を抱いた事項を選び、自分で設定した課題についてさらに深く調べ、レポートを作成し、研究発表の準備をすること。
評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:授業中の小課題および積極的参加度40点、プレゼンテーション20点、レポート40点
授業への積極的な参加、自主性を高く評価する。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
授業時間内のプレゼンへのコメント
授業時間内及び前後の質疑
メールによるコメントなど
教科書
Textbook
教科書コメント
参考書
Reference Books
『世界の食文化』全20巻/石毛直道監修/農文協
『講座食の文化』全7巻/石毛直道監修/味の素食の文化センター
『人間は何を食べてきたか』8巻セット/NHK/ジブリ学術ライブラリー
『食文化の国際比較』/飽戸弘/日本経済新聞社
『食と栄養の文化人類学』/ポール=フィールドハウス/中央法規出版
『汚穢と禁忌』/メアリ=ダグラス/思潮社
『乳利用の民族誌』/石毛直道・和仁皓明編著/中央法規
『食と文化の謎』/マーヴィン=ハリス/岩波現代文庫
『食とジェンダー』/竹井恵美子編/ドメス出版
『魚醤とナレズシの研究』/石毛直道、ケネス=ラドル/岩波書店
『比較食文化論』/河合利光編/建帛社
『マクドナルドはグローバルか:東アジアのファーストフード』/ジェームズ=ワトソン編/新曜社
『ハルマヘラ島, Galela族の食生活』/石毛直道/国立民族学博物館研究報告3巻2号
『くらべてみよう! 日本と世界の食べ物と文化』/朝倉敏夫、阿良田麻里子/講談社
『食と住空間にみるウイグル族の文化―中国新疆に息づく暮らしの場』/熊谷 瑞恵/昭和堂
『世界の食に学ぶ―国際化の比較食文化論』/河合利光編著/時潮社
『食のハラール入門 今日からできるムスリム対応』/阿良田麻里子/講談社サイエンティフィク
『文化を食べる 文化を飲む グローカル化する世界の食とビジネス』 /阿良田麻里子編/ドメス出版
『東南アジアの伝統食文化:その形成と系譜』/松山晃/ドメス出版
『食をめぐる人類学 飲食関係が紡ぐ社会関係』/櫻田涼子ほか編/昭和堂
『食科学入門 食の総合的理解のために』/朝倉敏夫・井澤裕司ほか編/昭和堂
『フィールド科学の入口 食の文化を探る』/石毛直道・赤坂憲雄編/玉川大学出版部
地域との連携
Cooperation with the Community
特になし
受講上の注意
Notices
積極的な授業参加、講義内容に関連して自主的に考え、調べ、みずから食文化に関する知識を広げていく態度が望まれる。
特に興味をもったテーマについては、参考資料を読んだり、身近な場面で調査をしたりするなどしていただきたい。授業内で受講生から報告を聞き、互いに意見交換をすることがある。
対面授業を基本とするが、世情あるいは本務校の事情等により遠隔授業を行う場合がある。遠隔授業ではZoomを使用してライブで行う。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-2食べ物と健康との関係について、高度な専門的知識を身に付けている。
2.技能・表現 2-3食品開発や食品管理などで必要となる高度な技能・表現力を身に付けている。
3.思考・判断 3-1健康や栄養・食に関する高度かつ専門的な情報を自ら収集する能力を身に付けている。
4.態度・志向性 4-2食物栄養学の高度な専門的学習を通して、社会に貢献する自覚を身に付けている。
5.統合的能力 5-3栄養・食と健康に関する様々な問題について、指導的立場から解決する高度な能力を身に付けている。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents

シラバス参照