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年度 2021
科目名 余暇行動学特論
担当者名 大森 いさみ
単位 2
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科目目的
Course Objectives
人類の進歩は、「義務からの解放」の歴史だった。前足(手)は、歩行の義務から解放され、道具を操れるようになった。脳は、労働や生存の義務から解放され、文化を夢見ることで巨大化し、結果的に豊かな想像力を獲得した。こうしたイマジネーションの余裕から余暇行動が生まれ、さらにそれを創造・実践することで、類人猿はヒトとなっていった。ホイジンガが、ヒトの本質を「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」と呼ぶゆえんである。本科目の目的は、義務(労働や生存の)から解放された、余暇(ヒマ・レジャー・遊び)行動の本質を把握することにある。
到達目標
Class Goal
古今東西の余暇現象(ヒマ・レジャー・遊び)の事例から、余暇行動の意味を探っていく。まず、ホイジンガ、カイヨワ、チクセントミハイらによる基本文献のエッセンスを通じ、理論的側面から余暇の本質を知ることを目標とする。次に、具体的実例を通して、余暇行動の実態を学ぶ。古くは神事や儀礼、祭礼・芸能・蕩尽(ポトラッチ)といった余暇現象の歴史やフォークロアから、近くは大衆に愛好されるスポーツ・旅行・ホビー・冒険・ギャンブルなど、余暇現象の現在に至るまで、豊富な事例のヴァリエーションから、余暇の発展局面を知ることを目標とする。
授業内容
The Content of the Course
ホイジンガは、人類を「ホモ・ルーデンス」=「遊ぶ(余暇を楽しむ)存在」と定義づけている。
 しかも、近・現代人は、今もたゆみなく、余暇行動の種類や領域をますます増大させている。
 人類誕生の太古から存在する余暇行動から、21世紀に初めて登場した余暇行動まで、具体的な余暇現象を取り上げて、比較検討する。
授業計画
Class Plan
1 オリエンテーション
2 余暇と観光の現代的意義 
3 余暇・観光の歴史
4 「遊戯化」「祝祭化」する社会
5 ジョン・アーリ「観光のまなざし」
6 「観光のまなざし」としての情報メディア
7 相互に批判的な討議をおこなう①
8 余暇の意識構造
9 テオドール・アドルノ「文化産業」
10 消費社会とレジャー産業
11 「気晴らし」としてのテレビ、CM、嗜好品
12   余暇行動学から余暇文明学へ
13 相互に批判的討議をおこなう②
14  相互に批判的討議をおこなう③
15 まとめ
授業方法
Class Method
演習形式を採り入れた、テキスト(文字・写真・映像)の読解を中心に、フィールドワークやディスカッションを積極的に援用する。
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
ディスカッション、プレゼンテーションを多用するアクティブラーニング
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
事前に、担当教員の著書のうち、以下の一冊を事前に熟読しておくこと(申し出があれば貸与可)。
◎鵜飼正樹・永井良和・藤本憲一共編『戦後日本の大衆文化』(昭和堂2000)
 なお同書は、中国簡体字版あり(社会科学文献出版社2010)

 また事前に、授業計画および授業方法に記載されているキーワードについて、調べておこと。
 事後には、講義内容を復習し、専用のノートにまとめておくこと。
 また関連文献を図書館等で調査し、読解するなどして理解を深めておくこと。
評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:平常の発表・討論への参加(50点)・小提出物(50点)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
課題・提出物については学生から回収後、評価やコメントを加えて説明した上で、授業中に返却(再配付)する。
 最終授業(まとめ)では、それまでの授業全体に対するフィードバックを行う。
教科書
Textbook
教科書コメント
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
講義では、DVD・ビデオなど映像資料も使用する。
 成績採点では、各人の独創性を重視する。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-1生活環境に関わる事象に対して、文化的、社会的な観点からの高度な専門的知識を有している。
2.技能・表現 2-1生活環境を構成する事象を論理的に分析し、問題の解決につなげることのできる高度な技能を有している。
3.思考・判断 3-1新たな課題に対し、論理的に考え、問題を解決する高度な能力を身に付けている。
4.態度・志向性 4-1社会性を有し、他者と協調・協働して社会の発展に貢献する態度を身に付けている。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents

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