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年度 2021
科目名 古文書学
担当者名 坂江 渉
単位 2
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科目目的
Course Objectives
できるだけ多くの古文書、なかでも変体仮名に関する諸史料に触れることで、種々の古文書を解読できるようになるとともに、分類などの技術を習得することを目的とする。
到達目標
Class Goal
受講生が、博物館資料を収集・保管・調査研究・展示普及する時に不可欠となる、古文書解読技術を一定程度獲得できるようになることを目指す。
授業内容
The Content of the Course
歴史系・国文系・美術系の博物館の学芸員にとって、古文書を解読する能力は必須となる。ただし、たった半期の授業だけで、くずし字で書かれた、全ての古文書を読みこなせるようになる事は不可能である。そこでこの講義では、受講生が、(1)テキストの『くずし字解読辞典』を使いこなせるようになること、(2)変体仮名を含む、仮名まじりの古文書をだいたい読めるようになること、の2点をめざす。この二つは、短期集中的に勉強すればかなりの能力がつく。
授業ではまず講義形式で、「平仮名」「片仮名」の歴史と種類について説明するとともに、『くずし字解読辞典』の基礎的な利用方法を指導する。ついで具体的な史料を配布して、その解読の仕方を演習形式で学んでいく。15回の講義をまじめに受講して、復習をおこなっていけば、短期間でかなりの能力を得ることができるはずである。博物館に展示されている史料や、変体仮名で書かれた町中の飲食店の看板の内容を、ある程度読めるようになる喜びは大きいと思われる。
なお本講は、博物館の学芸員をめざす受講生をおもな対象とするが、日本の古典文学の専攻をめざす学生の受講も歓迎する。
授業計画
Class Plan
第1回  ガイダンス
第2回  平仮名と片仮名の字母を知る
第3回  変体仮名とは何か
第4回  変体仮名で書かれた店の看板を読む① 
第5回  変体仮名で書かれた店の看板を読む② 
第6回  変体仮名で書かれた店の看板を読む③ 
第7回  テキストの変体仮名の例文を読む① 
第8回  テキストの変体仮名の例文を読む② 
第9回  テキストの変体仮名の例文を読む③ 
第10回 テキストの変体仮名の例文を読む④ 
第11回 テキストの変体仮名の例文を読む⑤
第12回 変体仮名で書かれた「小倉百人一首」を読む①
第13回 変体仮名で書かれた「小倉百人一首」を読む②
第14回 明治時代の教科書と広告を読む
第15回 まとめ
授業方法
Class Method
Google Meetを用いたライブ遠隔授業をおこなう。
まず講義形式で、平仮名と片仮名の歴史と種類、テキストの使い方について指導する。
受講生が慣れてきたら、演習形式で、史料の担当箇所を決め、読む訓練をおこなっていく。
史料については、クラスルームにあらかじめアップする。
なお受講生は、1回目の講義までに、B以上のエンピツと、2冊の大学ノートを用意しておくこと。
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
-
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
講義後の復習と、次回授業に向けた予習(あらかじめ配付テキストを読んでくる)を欠かさないこと。古文書の解読は、一日15分でも良いから、継続して復習することが能力獲得につながる。
評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:授業中に配布した課題史料の解読・発表の仕方、小レポート・小テストの評点の平均点を、最終的な評価点とする。

課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
解読・発表した古文書の内容について、その都度修正、解説を加える。
教科書
Textbook
くずし字解読辞典/児玉幸多編/東京堂出版
教科書コメント
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
さまざまな地域社会の歴史的事象などを表現したものが古文書であることを理解する。
受講上の注意
Notices
博物館の学芸員をめざす受講生は、この講義を必ず履修することが望ましい。歴史系博物館だけでなく、文学系・美術系の博物館であっても、古文書を解読できる能力は必須だからである。
なお、くずし字の解読には自らの反復訓練が必要不可欠である。日頃から出来るだけ多くのくずし字に触れ、また繁華街の飲食店などの「変体仮名」看板にも眼を向けておくこと。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
方針に従い、適切に対応する。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
現在、歴史系博物館に勤務しており、その経験を活かした指導をおこなう。

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