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年度 2022
科目名 テレビ映像と現代社会
担当者名 三上 正弘
単位 2
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科目目的
Course Objectives
テレビは、長い間 情報伝達の中心的役割を果たしてきた。この授業では、テレビの歴史や 今後のインターネット社会でテレビを含むメディア全体がどのように変化していくのかについて考える。更にテレビ映像について、企画・撮影・編集など多方面から研究する。
インターネット社会での映像について私が最も大切に考えていることは、その映像が正しい情報を伝え、かつ表面的ではなく物事の本質を捉えているかという点だ。
大災害時のネット映像は信頼できるのか?テレビニュースは本質を捉えた映像を放送しているか?様々な角度からメディアの映像を検証し 映像の裏にある物事の本質について考える。
学生の皆さんが、この授業で より社会的な視野を広げ、正しい情報と物事の本質を見抜く力を身につけることが目標である。
到達目標
Class Goal
テレビとインターネットが融合する大きな変化の中で、学生の皆さんがテレビの社会的役割や特性を知った上でネット社会に臨むことは、今後の人生にとって有益である。
ネット上の“情報の洪水”の中から必要な情報を取捨選択し、社会を見つめる視野が今以上に広がることを、そして将来メディアで仕事をしてみたいという学生が出てくれることをこの授業の到達目標と考えている。
具体的な到達目標は以下の通り。

〇わが国が今後の国民に対する情報伝達サービスをどのように考えているのか、メディア全体(テレビとインターネット)の現状と今後の動きを類別し、具体的に述べることができる。

〇過去65年間のテレビ映像が、国内外の歴史にどのような影響を及ぼしてきたかを具体的な事象と共に説明できる。

〇ニュースの重要性と「正確な情報」の大切さを具体例と共に認識し、また実際にニュース原稿を作成する。

〇ニュース・スポーツ・情報番組・ドキュメンタリーなどの映像コンテンツを視聴し、それらがどのようにして制作されているかを比較・分類できる。その上で、映像(動画)撮影、編集、照明の奥深さを評価できるようになる。

〇テレビからインターネットへと変化しても、人を傷つけないためには変化してはいけないものもある。表現方法や取材のやり方など、情報を送り出す側のノウハウを具体的に述べることができる。

〇物事の本質を見抜く楽しさ・面白さを習得できる。
授業内容
The Content of the Course
授業ではまずテレビとインターネット双方を国民への情報伝達という視点で総合的に計画している国の考え方を判りやすく解説する。そのうえで、授業計画に従って、テレビ映像が国内外の政治・経済・文化にどのような影響を与えたかを実際の映像を見ながら振り返る。
そしてテレビニュース、スポーツコンテンツ、情報番組、ドキュメンタリーなどについて制作方法やインターネット社会での変化について個別に考える。
また「企画を立て取材をする」ことの楽しさと難しさを体験してもらうため、実際に放送した幾つかの映像作品を視聴してもらう「鑑賞会」を実施し、審査員としてリポートを提出してもらう。
数多くの映像作品を見ながら、社会の動きや物事の本質を掴む能力がつくように、判りやすい授業を目指す。
授業計画
Class Plan
【授業回数】15回

①はじめに〜自己紹介、15回の授業で皆さんに伝えたいことを説明する。
②未来のテレビ
⇒「次世代テレビ」や「テレビのネット配信」など、国の政策として大きく変わろうとしているテレビの今後に
ついて判りやすく解説する。
③テレビ映像65年の歴史Ⅰ
⇒日本社会とテレビ映像の関わりについて映像を見ながら振り返る。
④テレビ映像65年の歴史Ⅱ
⇒世界とテレビ映像の関わりについて映像を見ながら振り返る。
⑤テレビニュース
⇒ニュースはなぜ必要なのか、ニュースはどのように制作されているのか、そしてネット社会になり、 ニュースは
どう変わるのかなど、ニュースに関する様々なテーマを判りやすく解説する。
⑥スポーツコンテンツ
⇒テレビのスポーツ中継やドキュメンタリーはどのように制作されているのか、そしてネット社会になり、それら
はどのように変化するのかを実際の作品を見ながら解説する。
⑦情報番組
⇒報道番組と情報番組の違いや、情報番組がどのように制作されるのかなどを「おはよう朝日です」担当部長の
経験をもとに判りやすく解説する。
⑧ドキュメンタリー
⇒ドキュメンタリー作品がどのように制作されるのか、そしてネット社会の中でテレビドキュメンタリーはどのよ
うに変化していくのかを、実際の作品を鑑賞しながら考える。
⑨ニュース映像の基礎知識
⇒動画撮影・編集・照明の基礎知識や心構え そして奥深さについて、実際の映像を見ながら判りやすく解説する。
⑩メディアの視点Ⅰ「日常の中の非日常」
⇒わが国は国策として外国人観光客を増やすクールジャパンを計画しており、メディアは日本の魅力を伝えるコン
テンツの海外展開を図っている。そのコンテンツの中核となる「日本の精神世界」について考える。
⑪映像コンテンツ実例研究
⇒実際にテレビで放送したニュースやスポーツ企画作品について、取材前の立案から企画・放送までを検証し、
映像コンテンツ制作の難しさと楽しさを体感する。
⑫人を傷つけないための表現
⇒日々の放送の中での事件報道やプライバシー保護など、基本的人権を守り人を傷つけないために、テレビ会社が
長い時間をかけて築き上げた仕組みを研究する。少しの違いで人を傷つける場合とそうでない場合があることを
類別できる。
⑬テレビとネット:利点と問題点
⇒ネット社会での無数の情報をどのように峻別し受け入れればよいのかを、テレビとネットの利点と問題点という
形で比較し判りやすく解説する。
⑭メディアの視点Ⅱ「地球温暖化・人口問題、SDGs(持続可能な開発目標)」について
⇒メディアが今後人々に伝えていかなければならない様々な重要問題について研究する。
⑮まとめ これまでの授業全般の質疑応答、各種映像鑑賞など

授業方法
Class Method
(オンデマンド型)
・2回目の授業でレジュメを配布する。基本的にはこのレジュメで授業を進行する。
・必要に応じて適切な資料映像を添付し授業を進める。
・毎週 授業の初めに1週間のニュース・スポーツなど世の中の出来事について短く触れる機会を設けたい。
 学生の皆さんが認識しておくべきことに重点を置きたい。
・私自身が撮影したニュース映像やドキュメンタリー作品などを見てもらい授業の理解を深めたい。
*学生の皆さんとのコミュニケーションを大切にしたい。毎回のミニリポートを活用して、学生の皆さんの質問や
 判らない点などに丁寧に応えたい。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
共通教育科目のクラスコードは、共通教育サイトに一覧掲示する。
抽選終了後、受講が決まった科目のクラスコードを確認しClassroomへ入室すること。
科目担当者からの招待は行わない。
◆共通教育サイト
https://kyotsu.mukogawa-u.ac.jp/index.html
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
以下のアクティブラーニングを積極的に取り入れたい。
・自分の身の回りのニュースや出来事ことについて短くレポートを提出してもらう。
・「ニュース」の授業では、与えられた課題について実際に1分ニュース用原稿を書いてもらう。
・授業後半には短編映像作品の審査会を実施し、審査員としてノミネート作品を選びその理由など
 をリポートしてもらう。
・その他、機会あるごとに各種話題について考えをまとめた形のリポートを提出してもらう。

準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
☆この授業専用のノート作りを奨励する。
・予習:当日のレジュメ内容を事前に読み、判らない言葉や疑問点を専用のノートにまとめる。
・復習:予習時に判らなかった点が解消したかをチェックする。
    授業で新たに出た語句や事柄について、ノートにまとめる。
    返却された「ミニレポート」で指摘された点があればチェックする。
・その上で不明な点があれば、いつでも質問を受け付ける。
・授業を受けることで 自然に世の中の動きに関心が高まることを期待している。テレビ・インターネット・新
 聞などのメディアを日常的にチェックして、世の中の動きに敏感であってほしい。
☆上記の繰り返しで社会的な視野が広がり、物事の本質を見る力や知識量がアップする可能性がある。

評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:毎授業ごとにミニリポートを提出してもらう。
(第1回と第15回を除く第2回〜第14回の全ての授業)
第2回「未来のテレビ」、第8回「ドキュメンタリー」、第11回「映像コンテンツ実例」、第13回「テレビとインターネット利点と問題点」の4講義は7点。第3回「テレビ映像65年の歴史」〜第7回「情報番組」、第9回「ニュース映像」、第10回「メディアの視点Ⅰ」、第12回「人を傷つけない表現」、第14回「メディアの視点Ⅱ」はそれぞれ8点。∴7点×4講義=28点、8点×9講義=72点、28点+72点=100点
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
授業時に配布するミニレポートは提出後速やかに採点し返却するが、その際に間違った点や良かった点を文書で指摘する。
ミニリポートには自由記述欄があるので、当日の講義内容や配布レジュメの中で不明な点があれば、そこに記述できる。
それでも不明な点が残れば、下記にメールを頂ければ即座に対応する。

   neuilly626@outlook.jp

*これまでの遠隔授業では、上記の要領でフィードバックは円滑に行われており問題はない。

教科書
Textbook
私が制作したレジュメ「テレビ映像と現代社会」を使用する
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
特になし
受講上の注意
Notices

 


卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
40年間朝日放送テレビ株式会社に勤務。
報道・情報・スポーツ・ドキュメンタリー番組現場での企画・取材・制作に携わった経験を活かして、テレビ映像が果たしてきた歴史的・社会的役割について解説し、またインターネット社会でのテレビ番組のあり方について講義する。
教科書コメント

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