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年度 2023
科目名 視覚障害教育総論
担当者名 辻岡 均
単位 2.0
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科目目的
Course Objectives
障害の中でも特殊性が強いと言われる視覚障害について知り、視覚障害児教育の基本的な考え方と教育・指導における留意点について学ぶ。
到達目標
Class Goal
視覚障害者・児の生活の基本的な知識を身につける。
授業内容
The Content of the Course
人間は情報の80%以上を目から入手していると言われる。見えない、見えにくい視覚障害児は、目の代わりに手で学ぶため、本授業では、視覚障害の疑似体験や動画の視聴等を含めて、視覚障害を理解するとともに、視覚障害児の発達における問題点を知り、教育場面に活かすためのヒントを考察していく。
 
 前半は視覚障害、視覚障害児・者を理解するために、手引きの仕方やアイマスク、弱視、色覚特性の見え方の体験など、様々な場面で体験学習を適宜入れ、生理・病理(視覚器の構造や見え方、眼疾など)、心理(情報障害、感覚障害など視覚の特性からくる)や、社会、制度、点字を読む、書く、触る体験などを組み合わせ、多面的に理解できるようにする。
 後半は、多岐にわたる視覚障害教育の中で、「障害特性と発達課題にあわせた幼稚部教育」、「手で見る全盲児教育」、「保有視力を最大限活用する弱視児教育と視知覚訓練」、「他の障害に配慮した重複児教育」について、それぞれに適した教材教具、補助具(点字教科書や点図、触地図、作図器、拡大教科書や定規、弱視レンズ、視知覚訓練の教材など)を紹介しながら、具体的な支援の仕方を理解できるようにする。また、盲学校の授業動画を見て「見ることを前提とした授業」との違いを理解したり、視覚障害児の自立活動について、6区分27項目、および障害特性や認知特性に応じて読み替えた、具体的な内容についても解説する。
 授業では目をつぶって折り紙を折る、人形や点図を触るなどの触察体験を予定しているが、教材の交換はなく、一人一つずつ触れるように、消毒した教材を人数分準備する。
授業計画
Class Plan
第1回 視覚器の構造と主な眼疾患
第2回 見え方と視機能検査
第3回 視覚障害による制限、手引きと歩行
第4回 視覚障害児・者の心理:心理とケア
第5回 視覚障害者と社会:歴史と現状
第6回 視覚障害児・者の支援と制度について:支援施設と制度、職業
第7回 視覚障害者の情報取得手段:情報機器と点字の仕組み
第8回 視覚障害者と災害、視覚障害教育の全体像:就学から卒業まで
まとめ中間レポート
第9回 視覚障害乳幼児の発達と支援:五感を使って
第10回 全盲児の教育:教科指導と教材
第11回 弱視児の教育:教科指導と教材
第12回 弱視訓練及び視覚認知訓練
第13回 重複障害児の教育① 日常生活動作、歩行
第14回 重複障害児の教育② 手指、運動、感覚、教材
第15回 視覚支援学校の教育:キャリア教育、合理的配慮、外部支援 教職ファイルへの記入

授業方法
Class Method
・対面授業とする。
・Google ClassroomにPDF資料を載せる。その資料に沿って、パワーポイントで授業を進める。授業までに資料をプリントアウト、またはタブレット等にダウンロードしておくこと。
・資料の他、補足動画、その他ネット上の参考資料を活用して講義する。
・見えのシミュレーションレンズ体験、触察や手引き体験、点字の読み書きなどの体験学習も重視する。
・幼児教育、全盲児教育、弱視児教育、重複児教育など、各教科の教材教具などに触れながら、視覚障害児への配慮事項や学習内容について深く理解できるようにする。
・対面授業が困難な場合、オンライン授業とし、Google Classroomに補助動画や必要HP アドレスを載せるので閲覧すること。その後課題を提示するので、提出すること。教育実習等以外、基本的に提出を持って出席とする。

Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
視覚障害教育総論2022 クラスコード「k6nj3fl」

アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
・対面授業であり、多岐にわたる講義内容のため、アクティブ・ラーニングに十分な時間を取ることは難しいが、次のように、その要素を取り入れて実施する。
・触察からわかったことを人に伝えたり、アイマスクをしている人へのわかりやすい伝え方をともに考えたり、街の様子を観察して視覚障害者への配慮を考えたりなどの活動を通して、アクティブ・ラーニング的な視点も含める。

準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
・Google ClassroomにPDF資料をアップするので、受講までに読んでおくこと(学習時間40時間)。資料は、授業までにプリントアウトするか、タブレット等にダウンロードしておくこと。
・「特別支援学校 学習指導要領」の視覚障害の項目を読んで、予習しておくこと。また、視覚障害関係の本に目を通したり、国立特別支援教育総合研究所や筑波大学付属視覚特別支援学校などのHPを見たりしておくのもよい。
・受講後は資料をよく読んで、受講内容に関係する文献等を調べて理解を深めること(学習時間20時間)
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](80点)
・平常点(20点) 平常点等配点内訳:・5,7,10,13コマ目の授業時に、Google Classroomに課題(小レポート、小テスト)を提示する。各20点満点で評価する(20点×4)。締め切りは次の週に設定する。
・対面授業における授業中の積極的な態度等を加味して20点満点で平常点評価する。
・合計100点満点で評価する。

課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
・提出した個々の課題については、必要なコメントをする。
・各授業ごとに提出された課題内容について、理解を深めることができるように、要点をまとめて全体にフィードバックする。
・教材の工夫、考え方、配慮など、秀逸なレポート内容などは、必要に応じてフィードバックで共有できるようにする。ただし個人の名前は出さない。
教科書
Textbook
PDF資料をclassroomに添付するので、印刷または、タブレット等にダウンロードすること
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
①対面授業である。基本的な連絡は授業で行うが、出席できない学生のために、Google Classroomにも投稿するので閲覧すること。
②教育実習で出席できない学生は基本欠席にしない。Google Classroomに補助動画、参考アドレスを載せるので、実習終了後でよいので視聴し、課題を提出すること。提出を確認して出席とする。
③5、7、10、13コマ目の授業で、課題をGoogle Classroomに設定して、200文字程度で感想や考え、工夫などの提出を求める。評価は20点満点で、期限は次の週に設定する。課題をためてしまわないように気をつけること。
④実習等で提出が遅れることは認めるが、その場合は前もってその理由を明記し提出すること。
⑤視覚障害に関する領域は、一般に知られていないことが多く、中には誤解されている部分や難解な部分があるため、より深く理解すること、想像することに努めること。分かりづらいこと等質問は随時受け付ける。


卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-2 教育・保育に関する奥深い専門的知識を有している。
2.技能・表現 2-1 教育・保育の実践を行うために必要な技能を有している。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
大阪市立小学校、知的支援学校、視覚支援学校、聴覚支援学校の小学部で勤務。
一般小学校の児童と視覚障害児の認知特性の違い、指導方法や教材の違いなど、わかりやすく提示する。
教科書コメント

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