シラバス参照

年度 2023
科目名 スポーツ運動学
担当者名 三井 正也
単位 2.0
履修便覧ページへ
★★「単位」には開講学年の単位が表示されています。★★
★★「単位」が「-(ハイフン)」で表示されている場合は各自の履修便覧で単位を確認してください。★★


科目目的
Course Objectives
スポーツ指導現場で必要な運動の見方・考え方を学ばせることにより、運動に関する理解を深めさせ、スキルの獲得とその獲得過程に関する質的評価ができるようにする。また、練習計画の立案ができるようにさせる。本科目は、中高教科保健体育を教授するに足る基礎的知識および技能等を修得し、教職実践力と関連づけて理解することを一目的とする。
到達目標
Class Goal
スポーツを観察する方法を理解し、指導時に活用できるようになる。また、運動の質に関する理解が深まり、その良否に関しても適切な判断ができるようになる。運動が上手になる過程について理解し、適切な指導ができるようになる。
教職課程履修学生は、学修内容を当該の中高教科内容および教材に関連づけて主体的に探求する。
授業内容
The Content of the Course
運動を指導する際、その運動のバイオメカニクス的説明や生理学的な説明をしても役に立たないことが多く、むしろ主観的な運動感覚に基づくアドバイスにより「コツ」をつかみ、できる様になる。運動学は指導現場から経験的に獲得された事実から実際の指導にすぐに役立つ知識を提供する。スキルの獲得とその獲得過程における知識を学ばせる。
授業計画
Class Plan
1(運動学の概念と目的)
運動学とは何か?現象学的人間学に基づく運動理論台頭との哲学的背景について解説する。また、スポーツのスキル獲得における指導者の役割について学ぶ。
2(運動の観察 その1)
他者観察と自己観察の違いとその役割について述べる。
3(運動の観察 その2)
オープンスキルとクローズドスキルの違いについて解説する。運動技術について、その特性と競技力との関係について解説する。(小テスト1)
4(局面構造 その1)
 スポーツ活動におけるスキル獲得過程のそれぞれの局面におけるスキルの形成段階とその発展形態を解説する。
5(局面構造 その2)
 運動の構造を理解し、様々な運動について機能的局面に分けて考察できるようにする。スポーツにおけるスキル獲得過程で起こる停滞局面およびスキル運動の修正指導に関する方法と問題点について考察する。
6 (学習転移)
 ある運動が別の運動に影響を与える「学習転移」について解説する。また、ある運動に随伴して起こる運動およびその効果について学習する。(小テスト2)
7(運動リズム)
 音楽リズムと運動リズムの違い。タクト、リズム、メロディーの違いを理解させ運動指導に役立つ理論を解説する。
8(運動質 その1)
 運動経過の洗練化に伴う運動の質的変化および運動質のカテゴリーを学ぶ。
9(運動質 その2)
 マイネルの理論を紹介し、ゲシュタルト心理学との関連について解説する。
10(コツについて その1)
 金子の理論を紹介しながら、非科学的と思える「コツ」について現象学の立場から解説する。動感身体知の中の創発身体知について解説する。
11(コツについて その2)
 動感身体知の促発身体知について解説する。
12(習熟位相 その1)
 新しいスキルの獲得(粗形態の獲得)から修正・分化を経て精形態、自動化へと至るスキル獲得の過程から運動学習のプロセスについて学ぶ。
13(習熟位相 その2)
 運動の習熟過程で現れるスムーズなスキル獲得を妨げているように見える現象について学び、次の段階のスキル獲得に必要であることを理解する。
14 (カンとコツ)
 創発能力と促発能力について
15 (運動指導の計画と管理)
 運動指導に関する方法および指導目標の捉え方を学ぶ。スポーツにおけるスキル獲得のために指導者の果たす具体的な役割を示し指導力の重要性を認識する。(小テスト3)

備考:その他、オンデマンドで出される課題を提出しすること
授業方法
Class Method
講義形式中心で行うが、配布資料を活用して知識の理解を援助する。双方向の授業を目指し、出来るだけ最新の情報や具体例を提示し、ビデオや映像を用いながら、指導現場の様子を感覚的にも理解しやすいようにする。授業内で、小テストを実施し、学生の理解の状況を把握しながら進める。

対面授業が行えない場合は、遠隔授業でのオンデマンド授業(classroom)とライブ授業(Google meet)を混ぜながら行う。授業用のクラスルームで配信する。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
前期 大学 新健2AB : 62wbnog
新健2CD : nq2pebn
後期 大学 新健1AB : y2xi3r3
      新健1CD : vf4vera
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
授業内で、イメージトレーニングや運動感覚についての実験を実際に体験することで、よりリアルに心と体のつながりを実感できるようにしている。また、ビデオによる学習も積極的に取り入れており、授業内で講義形式だけでなくグループ学習も取り入れながら進めるようにしている。
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
この科目を理解する為には、現象学を理解する必要がある。そのため、フッサールなどの現象学、カントやニーチェなどの哲学的思考を学んでおくと役に立つ。マイネルの運動学、球技運動学、スポーツ指導ハンドブックなども参考にしてもらいたい。
評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:授業への積極的参加度10点、授業内(オンデマンド含む)での課題90点
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
小テストの回答を授業内で行い、希望者に採点済みの答案を開示する。
教科書
Textbook
運動学講義/金子明友・朝岡正雄 編著/大修館書店
参考書
Reference Books
マイネル遺稿 動きの感性学/クルト・マイネル 金子明友 編訳/大修館書店
わざの伝承/金子明友/明和出版
マイネル スポーツ運動学/クルト・マイネル著 金子明友訳/大修館書店
身体知の形成(上)-運動分析論講義・基礎編-/金子明友/明和出版
身体知の形成(下)-運動分析論講義・方法編-/金子明友/明和出版
身体知の構造 構造分析論講義/金子明友/明和出版
公認スポーツ指導者養成テキスト共通科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/日本体育協会/日本体育協会
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
また、この教科は教職基幹科目であり、「履修カルテ」の記載対象科目である。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-1 健康・スポーツに関する基礎的知識から専門的知識を幅広く体系的に修得している。
1.知識・理解 1-2 健康・スポーツの実践・指導・管理のための適切で正しい方法を理解している。
2.技能・表現 2-2 健康・スポーツを実践・指導・管理するためのコミュニケーション能力(外国語を含む)を修得している。
3.思考・判断 3-1 健康・スポーツの実践・指導・管理現場において、達成すべき成果を明確に設定した上で、問題を解決できる論理的思考力を有している。
3.思考・判断 3-2 健康・スポーツの実践・指導・管理現場において、安全・安心を最優先し、状況に応じた臨機応変で柔軟な判断ができる能力を有している。
4.態度・志向性 4-1 学際的な視点から専門分野を捉え、現場から実践的に学ぶ態度を有している。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
ジュニア選手の指導を40年以上行っており、附属中高の体操部の指導もしている。また現在、スポーツクラブ武庫女の武庫川体操クラブの代表として指導も行っている。関西学生連盟会長、全日本学生体操連盟理事、兵庫県体操協会理事、関西ジュニア体操クラブ協議会参与、西宮市体操協会理事長として35年以上地域活動に貢献している。
教科書コメント

シラバス参照