シラバス参照

年度 2023
科目名 調理科学実験
担当者名 升井 洋至
単位 1
履修便覧ページへ
★★「単位」には開講学年の単位が表示されています。★★
★★「単位」が「-(ハイフン)」で表示されている場合は各自の履修便覧で単位を確認してください。★★


科目目的
Course Objectives
日常の調理操作および調味等は経験と嗜好により行なわれ、評価されている。調理科学実験では調理への理解を深めるために実験を通して調味、調理操作、食品素材の調理特性等についての知識の習得および調理操作過程における諸現象の理解により科学的、合理的な調理を行えるような総合能力を身につけることを目的とする。
到達目標
Class Goal
調理の過程で起きる様々な科学的変化を観察し、食品材料の特性を知り、食品の組織や成分がどのように変化するかについて化学的・物理的な面から理化学的測定を行う。これらを通して、調理に関する諸現象を科学的に解明、理解し、食生活の実践に役立つ基本的な理論や考え方の習得につながることを目標とする。
授業内容
The Content of the Course
日常的な調理操作による種々の実験を行い、食品素材の調理特性、調理操作の科学的必要性について理解できるように実験を行う。pH測定をはじめ、食品評価としての色の測定(色差計)、また、えん下、咀嚼困難者用の食事などの理解を図るため、物性測定などについても解説する。
授業計画
Class Plan
次の項目を中心に時間・試料の関係を考慮の上、適時、組み替えて実験を実施する。
 実施する実験項目、実験順序等の予定は第1回目に説明する。
(実験試料の入手状況により変更する場合がある。)

第1回 調理科学実験の履修にあたって
    調理科学実験の基礎実験
 (1)食品の体積の測定 (2)比重と密度 (3)食品とpH

第2回 味覚に関する実験
 (1)味覚の閾値測定 (2)味の相互作用について
 (3)官能評価(順位法による嗜好検査等)
    砂糖に関する実験:加熱による色の変化・フォンダン

第3回 野菜・くだものに関する実験
 (1)野菜の色の調理による変化 (2)生野菜の放水量と食塩の浸透
 (3)野菜・くだものの成分と褐変および添加物の影響

第4回 卵に関する実験
 (1)卵の鮮度の鑑別と各部分の割合(2)卵タンパク質の熱凝固性
 (3)卵白の起泡性と泡の安定性  (4)希釈卵液の熱凝固と添加物の影響
    油脂類に関する実験:ドレッシング

第5回 煮ものに関する実験
 (1)だいこんの食塩浸透  
 (2)じゃがいも(粉ふきいも・マッシュポテト)の調理に関する実験
 (3)さつまいもの加熱方法と糖度の関係

第6回 物性・介護食に関する実験
 (1)硬さ・粘度の測定について (2)市販とろみ剤に関する実験 
小麦粉に関する実験:小麦粉の種類とグルテン量

第7回 香りに関する実験:焼き菓子の焼き上がりの色と香り
  
第8回 その他(解説) まとめ

 その他
 スープ・汁ものに関する実験 (1)だしの種類とその特性 (2)汁ものの塩味と調味
               (3)みそ汁の加熱によるみそ粒子の分散性
 食品の組織に関する実験 (1)デンプン粒の状態 (2)ソラニンの検出
 米に関する実験 (1)米の性状試験 (2)炊飯に関する実験
 海藻抽出物(寒天)とゼラチンに関する実験 
 揚げものに関する実験 
  (1)揚げ油の温度変化(2)揚げものの種類と吸油量および脱水量(3)揚げ油の劣化
 さらに調理科学関連の項目を追加実施する場合がある。
 ※その他の内容(解説)を含めて、8回に分けて行う。
授業方法
Class Method
対面による実験を実施する。一部、ディスカッション、プレゼンテーションを行う。
補助教材として、適宜プリントを配布する。
実験実施日に、通常は複数の実験項目(授業計画参照)について解説し、実験を行う。
 解説⇒実験⇒解説⇒実験・・・の流れで、班単位の実験を基本とする。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
履修者が確定次第、@mwu.jpのメールアドレスに通知する。
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
実験・実習科目
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
予習
 実験内容の予定を事前に提示するので必ず、教科書の該当箇所をよく読んでおくこと。
 また、関連する内容について「調理科学」「調理学」、関連教科の教科書、参考書のより予習して、実験に臨むこと。
 なお、実験の実施方法等は教科書の内容を一部、変更している場合もある。
 調理操作を含むため、特に爪は清潔にしておくこと。

復習
 日常の調理との関連を考えて、レポートの講評を参考に、実践で役位たつように自学自習を行うこと。
評価方法
Evaluation Method
・レポート[作品含む](80点)
・平常点(20点) 平常点等配点内訳:実験への積極的取り組み度(20点)
 実験ノート等も参考に評価する。
レポートについて:期限厳守
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
提出されたレポートは、原則、次回の実験時にコメントを付けて返却、解説を行う。
教科書
Textbook
調理科学実験/川端晶子・大羽和子編著/学建書院
参考書
Reference Books
調理科学実験/長尾慶子・香西みどり編著/建帛社
調理科学/村山篤子、大羽和子、福田靖子編著/建帛社
食品成分表2022/香川芳子監修/女子栄養大学出版部
新 櫻井 総合食品事典/荒井・倉田・田島編/同文書院
NEW 調理と理論/山﨑清子他 共著/同文書院
調理がわかる物理・化学の基礎知識/香西みどり/光生館
調理学/渕上倫子編著/朝倉書店
食の官能評価入門/大越 ひろ 他/光生館
食品物性とテクスチャー/小林三智子、神山かおる編著/建帛社
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
各自で名札を準備し、白衣、平底の靴を着用の上、実験に適切な爪、頭髪等で出席すること。
レポート提出は、指定の期限厳守。
実験ノートを必ず準備し、実験講義など記録をとること。評価資料として、提出を求める。

卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-2 食品成分とその機能性に関する基礎的・専門的知識を身に付けている。

2.技能・表現 2-1 食品の企画・開発・研究において、創造的にアプローチできる技能を身に付けている。
2.技能・表現 2-2 食品の企画・開発・研究において、情報を的確に伝えるプレゼンテーション能力とコミュニケーション能力を身に付けている。
3.思考・判断 3-1 食品に関する新たな企画・開発・研究を計画し、その実現性を科学的に判断する能力を身に付けている。
3.思考・判断 3-2 食品成分の機能性や安全性を科学的に思考・判断する能力を身に付けている。
4.態度・志向性 4-2 食産業界の動向に関心を持ち、他者と協調・協働して食産業界の発展に貢献する態度を身に付けている。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
教科書コメント

シラバス参照