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年度 2023
科目名 測量学
担当者名 松岡 恵悟
単位 2.0
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科目目的
Course Objectives
測量技術の基礎となる地上測量について学ぶとともに、これらの測量で得られたデータ、および地理空間情報の特性等を理解することを目的とする。
到達目標
Class Goal
建築・景観設計を学ぶ上で重要な測量に関する基礎知識を身につけ、建築・景観設計にかかわる様々な問題解決に活用することを目指す。
授業内容
The Content of the Course
初回から第9回までは主に測量に関する内容を扱う。測量法や測量体系を理解したうえで、測量過程の各段階で必要な知識・技術について、理論や観測値の誤差調整計算方法など具体的な諸手続きを理解し、地形図(地図)作成の方法を学ぶ。
第10回以降は、主にデジタル地図(GIS)の利用についてとともに、地図が社会において果たす役割や、地図や地理空間情報を正しく用いるための基礎的な素養についても身につけることを意識しながら、地図一般の基本原理やさまざまな地図の利用例などを通して学ぶ。
授業計画
Class Plan
【測量】
測量技術の基礎となる地上測量について学ぶ。
第1回 測量とは何か?/基準点測量と測量作業の基本について
第2回 水準測量1(直接水準法と間接水準法、水準儀の構造、観測方法)
第3回 水準測量2(誤差調整計算)
第4回 多角測量1(機材、多角測量の諸方式、水平角の観測とデータ処理)
第5回 多角測量2(さまざまな「北」と「角」、方向角および緯距・経距の計算)
第6回 多角測量3(トラバース計算の要領、閉合比)
第7回 地形測量1(地形測量の要領、地形図の仕組み、図式規定など)
第8回 地形測量2(測点の座標値計算法について)/求積法(三斜法、座標法など)
第9回 地図情報の記号化1(地性線と等高線)

【GIS】
GISの概要や地図が持つ社会的な意義とともに、地図の作成・読解に必要な地形や地図表現法の基礎についても学ぶ。
第10回 デジタル地図の利用とGISの基本概念について
第11回 地理座標と測地系、さまざまな地図投影法
第12回 地図情報の記号化2(等高線の描画など)
第13回 空中写真の利用(実体視、空中写真測量について)
第14回 ラスタ・データの利用(データの構造と利用上のメリット、空間分析)
第15回 社会と地図情報(地図の社会的意義、地図利用上の注意点)/ふり返り

※この科目は「測量学実習」と強く関連しているが、その野外の測量実習が雨天等により実施困難となった場合や、作業の遅れ・延長などのスケジュール変更に連動して、本科目でも実施順の変更が生じることがあるので注意して欲しい。

定期試験
授業方法
Class Method
授業は講義形式で行う。授業中に調整計算成果・小テスト・小レポートなどを課す。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
「測量」については、別配当の測量学実習(班毎)で得られたデータを事例として講評、意見交換する。「GIS」については、「地図を読む」あるいは「地図を描く」ために必要となる読解力や表現力を養うため、各自が高校までの課程で学習した事柄や日常生活を通して学んだ知識を総動員しながら考えを巡らせるような作業がともなう予定である。
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
下記リンクのYouTube動画を、(必要であれば何度も)視聴して、測量の流れについて頭に叩き込んでおくこと。また、初回講義時には、動画内容の理解度について問う簡単なテストを実施する予定。
『測量・地図作成の流れ/地図のはなし(特別編)for 測量学および実習』(まつおか秘密研究所)
https://youtu.be/fzXkwY3w2qs

座標値や面積の計算のために関数電卓を使用する。関数電卓は一般的なもので足りるが、「複素数モード」と「3~4件のデータ登録機能」があると便利。もし、電卓選びに迷うようであれば、CASIOのfx-JP500をおススメする。そのほか、三角定規、三角スケールが必要となることがある。また、講義で学んだことを、教科書、授業ノートや配付プリント等に基づき継続的かつ反復的に復習すること。自らの知識として吸収するだけでなく、建築設計との関係をつねに自分自身で考え、設計に活用できるようにすること。
評価方法
Evaluation Method
・試験期間中に試験を実施(50点)
・レポート[作品含む](40点)
・平常点(10点) 平常点等配点内訳:授業への参加姿勢に基いて評価。
レポートは、前・後半とも誤差調整計算成果や作図作業等を含む。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
・測量過程の班成果などについて、検証・評価を行った後に指摘や解説を行う。
・授業期間中に提出された課題や定期試験の答案について、何らかの形で講評を伝える。
教科書
Textbook
図説 わかる測量/猪木 幹雄、中田 勝行、那須 充/学芸出版社
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
位置に関係するデータがどのように取得され、活用されるのか、考えながら学習して頂きたい。地図は空間をモデル化したものであるが、単に物理的な側面を記号化して描けばよいというものではなく、さまざまな社会的事情を投影したものでもあるので、社会のさまざまな事象に関心を持ちながらそれらと地図との繋がりを考えるような意識を持って欲しい。

補習、再試験について:定期試験において不合格となった学生は、所定の期間に再試験受験手続を行うとともに、2月中に開講する補習を必ず受講し、指示されたレポート等を提出の上、2月下旬に行われる再試験を必ず受験すること。補習に出席しない場合は、再試験受験手続を行っていても原則として不合格とする。レポートの点数は、上記評価方法における平常点等に加算する。再試験の評価は、上記評価方法による合計点に0.8をかけた得点とし、60点以上の得点はすべて60点とする。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
A.高い知性 ◎A-1 語学や諸学の基礎学力の修得、および自らの主張を社会に提案し、合意を形成できる基礎的能力を培う。
※◎は特に対応する学習・教育到達目標を示す。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
とくにGIS分野に関しては、行政やまちづくり団体と連携して、観光・まちづくりの場面でのデジタル地図情報の整備や公開のプロセスに従事した経験があり、そのような面を含めた「地図・測量の社会的意義」について紹介したい。
教科書コメント

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