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年度 2023
科目名 近世文学研究Ⅱ
担当者名 羽生 紀子
単位 2.0
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科目目的
Course Objectives
Ⅰを踏まえてさらに、近世文学の代表的な作品の講読を通じて、多様な研究上の視点と方法を学ぶ。
到達目標
Class Goal
作品の表現と内容に即した研究ができる。
授業内容
The Content of the Course
江戸時代の文学作品の「読み」を深めることができるように、時代・文化的背景等についても理解を深めつつ、作品読解に取り組む。
西鶴は江戸時代には非常な人気を博したが、明治期に入ってしばらくの間は、他の江戸時代の作者と同様に、忘れ去られていたといってもよい状況であった。しかしその後、西鶴は再評価されることとなる。それは西鶴作品が、時代を超えた普遍性を獲得していたからであろう。
授業(前半)では、明治期に入ってからの西鶴再評価の流れを確認した上で、太宰の西鶴翻案作品と西鶴の原作を比較検討する。太宰による西鶴作品の評価ポイントを押さえつつ、西鶴作品の登場人物の行動原理についての理解を深める。授業(後半)では、女性が中心的役割を果たすいくつかの西鶴作品について取り上げ、その行動原理を検討することで、作品理解を深める。
授業計画
Class Plan
第1回 ガイダンス(授業目的、内容、評価方法などについての確認)
第2回 井原西鶴とその文学の特徴
第3回 近代における西鶴再評価
第4回 太宰治『新釈諸国噺』について
第5回 『新釈諸国噺』「貧の意地」の読解【遠隔授業】
第6回 『西鶴諸国ばなし』巻1の3「大晦日は合わぬ算用」の読解(1)
第7回 『西鶴諸国ばなし』巻1の3「大晦日は合わぬ算用」の読解(2)
第8回 両作品の比較・考察
第9回 『諸艶大鑑』巻5の3「死ば諸共の木刀」/『懐硯』巻2の1「後家に成そこなひ」/『本朝二十不孝』巻5の1「胸こそ踊れ此盆前」読解と作品選び【遠隔授業】
第10回 選択した作品について、疑問点の提出
第11回 疑問点のあらいだしと検討(1)
第12回 疑問点のあらいだしと検討(2)
第13回 作品の読解のまとめ
第14回 小論文の作成・提出【遠隔授業】
第15回 個人へのフィードバックと全体のまとめ【遠隔授業】

※授業後の課題(授業時間外の課題)として、ブラッシュアップテスト(10問程度)を課す。
授業方法
Class Method
原則講義形式で授業を進めるが、資料配付やブラッシュアップテスト、小論文等の提出にはclassroomを利用する。第5、9、14、15回目は遠隔授業(オンデマンド)で実施予定。ブラッシュアップテストには、質問や意見を記入する項目がある。受講学生には、必ず記入することを求める。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
xz5nxag 授業開始までに登録すること。
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
双方向授業(オンラインツールを活用)
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
授業時間外に行う課題として、ブラッシュアップテストを課す。ブラッシュアップテストは、授業で説明したことの確認だけではなく、発展的な内容である。自分で調べたり考えたりすることが必要になる。
予習:取り上げる作品の基本的事項(成立年代・作者、おおまかな内容)について事前に調べておくこと。
復習:授業でとりあげた内容を自分なりに整理すること。ブラッシュアップテストや課題のフィードバックを参考に、さらに自学自習すること。
評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:ブラッシュアップテスト(4点×12回)
小論文(40点)
授業への積極的参加度(12点)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
(1)ブラッシュアップテストは、締切後、採点結果を返却し、解答の解説を公開する。さらに後日、授業内において全体の得点分布報告やフィードバックを行う。
(2)質問・感想については、授業内にフィードバックを行う。受講生同士の質問・感想を共有することで、さらなる学びの契機としてほしい。
(3)小論文はコメントをつけて各自に返却し、さらに全体のまとめとしてもフィードバックを行う(classroomを利用)。
教科書
Textbook
資料はclassroomにアップする
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
近代以前の関西文化についての学習を含む内容である。
受講上の注意
Notices
・ブラッシュアップテストは、授業内容の理解、さらに各自での調査を必要とする発展的内容である。
・授業で使用する資料はclassroomで配付する。手元で参照したり書き込んだりする必要があるので、使用する回の授業までに、各自で用意しておくこと(事前にプリントアウトするか、タブレット等にダウンロードしておく)。
・授業ではあらかじめclassroomにアップするpowerpointや配付資料を使用する。powerpointは教室スクリーンに投影するが、各自ダウンロードしてタブレットやノートPCを利用してもよい。ただし、ノートPC等を使用する場合は、タイピング音に注意すること。
・ブラッシュアップテストや小論文は、classroomを通じて提出・返却を行う。提出締切は厳守すること。
・遠隔授業回は、締切までに課題を提出することによって出席とする。遅刻の取り扱いはなく、締切に遅れた場合はすべて欠席となる(ただし遅れて提出した場合も、課題は評価対象とはする)。

※この授業では、江戸時代の作品(性風俗を含む)を扱う。現代とは異なる、前近代社会における価値観にも触れることとなる。現代では容認することができない価値観や風俗に触れることがあるが、それは過去のものとして扱うものであり、決して肯定しているわけではない。この点を理解した上で、受講を決定すること。

教職課程履修学生は、この授業科目終了後、教職課程履修カルテの自己評価シート欄に必要事項を必ず入力すること。また成績評価発表以降に、成績とともに担当教員によるコメントを参照し自己の学習状況について把握する。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-1 日本語および日本文学に関する基礎的また専門的知識を修得している。
3.思考・判断 3-1 日本語・日本文学に関して身につけた専門的知識を捉えかえし、批判的に考察する能力を備えている。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
教科書コメント

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