シラバス参照 |
年度 | 2023 |
---|---|
科目名 | 母性看護学実習 |
担当者名 | 本間 裕子・浅野 浩子・宇治丸 圭子・千葉 真希 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
この科目は、これまでに学んできた知識と技術を統合し、周産期の女性、新生児、その家族への臨床看護に活用して援助を実践するための基礎的能力を養うことを目的としている。さらに、保健医療チームの一員として他のメンバーと協働する能力を養う。 |
---|---|
到達目標 Class Goal |
1.周産期にある女性・新生児とその家族の健康状態を多面的・統合的にアセスメントできる。 2.アセスメントに基づき、対象の健康増進に必要な看護ケアを計画できる。 3.看護ケアを実践し、設定した目標に照らして結果を評価することができる。 4.必要に応じて看護計画を修正することができる。 5.自分の行った看護をまとめ、学んだことをグループメンバーと共有することができる。 |
授業内容 The Content of the Course |
産科外来、分娩室、産科病棟において、周産期の女性・新生児・家族の看護上のニーズを理解し、健康を増進するための根拠に基づいた看護実践について学ぶ。産科病棟では一事例を受け持ち、看護過程を展開する。産科外来では妊婦、褥婦・新生児への健康診査や保健指導を見学(または実践)し、地域で生活する対象に必要な看護について考察する。分娩期実習では、母児の健康状態をアセスメントし、産婦・家族に提供されている看護・医療を見学(または実践)し、安全で安楽な分娩を進めるための看護を学ぶ。カンファレンスでは受け持ち事例に対して行った看護やテーマに基づいてグループで討議する。受け持ち母子の看護過程を通じて、地域母子保健を含む周産期支援システムや、他の関連職種との連携について学ぶ。 |
授業計画 Class Plan |
【学内】周産期医療で行われる看護実践の概要について学ぶ <事前課題> ・褥婦の進行性変化と退行性変化や心理社会的変化、新生児の胎外生活適応過程とアセスメントの視点について、母性看護学Ⅰ・Ⅱで学習した基礎知識を復習する。 <実習初日> ・実習オリエンテーションを受け、人権尊重を基盤とした実習中の行動や、看護師の果たすべき役割について考える。 ・演習(健康診査、母乳育児の援助、沐浴、CTG装着・判読)を行い、周産期看護に必要な技術を身につける。 <実習最終日> ・事例報告をとおして、褥婦と新生児の退院後の生活に起こりうる事態を予測した継続支援について考える。 【産科病棟】周産期にある女性・新生児とその家族の価値観を尊重した看護の実際を学ぶ。 ・褥婦と新生児(および、その家族)の生活や、健康を支える様々な身体心理社会的要因についての情報を収集し、アセスメントを行う。 ・褥婦と新生児の状態と経過の予測に応じた援助の根拠を特定し、健康課題の解決や維持、増進に向けた看護計画を立案する。 ・指導者や関係者との連携を図りながら、褥婦と新生児の状態に応じた看護ケアを実践する。 (産褥期の事例がいない場合は、妊産婦を受け持つことがある。) 【分娩室】分娩期の女性とその家族への看護を学ぶ。 ・産婦・胎児・新生児の健康状態をアセスメントし、必要な看護を考察する。 ・産婦・家族に提供されている看護・医療を見学あるいは必要に応じて実践する。 【産科外来】妊婦健康診査、出産準備教育、産後・生後1か月健診に訪れた女性・新生児と家族への看護を学ぶ。 ・妊婦健康診査を受診する女性・胎児の健康状態をアセスメントし、必要な看護を考察する。 ・外来を受診する妊婦、褥婦、新生児と家族に提供されている看護・医療を見学あるいは必要に応じて実践する。 【カンファレンス】 ・日々のカンファレンスで褥婦と新生児、およびその家族の経過、健康課題について分析し、退院後、地域で生活する家族への支援について考える。 ・最終カンファレンスをとおして自己の学びや看護師として実践するための課題を明確にする。 実習時間やスケジュールについては、実習要項に示す。 |
授業方法 Class Method |
・病院の産科病棟で、産後の女性(母親)と新生児を受け持ち、看護過程(情報収集と分析、看護計画の立案と実施・評価)を展開する。 ・一部の実習施設では、産科外来での妊婦健康診査、母乳外来、産後2週間/1か月健康診査などを見学する。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
・実習グループごとにClassroomを設ける。 ・担当教員が学生をClassroomに招待する。 |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
体験学習、ペアワーク、ディスカッション、プレゼンテーションにより実習を進める。 また、母性看護技術演習の前に反転授業を設ける。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
予習:周産期看護に必要な知識や技術を実習で使えるように要点を絞ってまとめておくこと。 経腟分娩後の褥婦、帝王切開後の褥婦、新生児について、それぞれ標準看護計画を立案しておくこと。 復習:実践あるいは見学した看護を記録し、考察すること。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:実習目標の到達度(事前学習課題・実習記録・実践等)75%、実習への積極的参加度(カンファレンス・グループメンバーとの協同・リーダーシップ等)25% 評価の観点はオリエンテーションで説明する。 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
実習中に随時、フィードバックを行う。 実習記録にコメントを付けて返却する。 |
教科書 Textbook |
母性看護学II マタニティサイクル改訂第2版/大平光子ら/南江堂 直前母性看護実習プレブック(第2版)/村本淳子・町浦美智子 編/医歯薬出版株式会社 新訂版 写真でわかる母性看護技術 アドバンス/平澤美惠子・村上睦子 監修/インターメディカ |
参考書 Reference Books |
目で見る新生児看護 vol.3 胎外環境への適応生理 (I)/秋月百合ら/医学映像教育センター 目で見る新生児看護 vol.4 胎外環境への適応生理 (II)/秋月百合ら/医学映像教育センター 看護過程から学ぶ! 母性看護学実習 VOL.1 全身の回復と子宮復古を促す看護/礒山あけみ/渋谷えみ /医学映像教育センター 看護過程から学ぶ! 母性看護学実習 VOL.2 母乳育児の確立に向けた看護/礒山あけみ/渋谷えみ /医学映像教育センター 看護過程から学ぶ! 母性看護学実習 VOL.3 新生児の子宮外生活への適応の看護/礒山あけみ/渋谷えみ /医学映像教育センター 看護過程から学ぶ! 母性看護学実習 VOL.4 帝王切開で出産した褥婦への看護/礒山あけみ/渋谷えみ /医学映像教育センター |
地域との連携 Cooperation with the Community |
|
受講上の注意 Notices |
・母性看護学実習要項を参照すること ・本科目は解剖生理学I、解剖生理学II、母性看護学概論、母性看護学I、母性看護学II、ウィメンズヘルスケアをはじめ、これまで履修したすべての基礎教育科目、専門教育科目と関連する。これらの科目との関連を意識しながら受講すること。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
1.知識・理解 1-1 人の生活を理解するための幅広い教養や基礎知識を身につけている。 1.知識・理解 1-2 生活者としての人を支援するために必要な専門的知識を習得している。 2.技能・表現 2-1 生命の尊厳と人権尊重を基盤とした倫理観と人の価値観を尊重したコミュニケーション方法を身につけている。 3. 思考・判断 3-1 人の生活や健康を支える様々な要因(身体心理社会的)についての情報を収集し、分析することができる。 3. 思考・判断 3-2 援助が必要な人の状態を明確にして、援助の根拠を特定することができる。 3. 思考・判断 3-3 生活および医療全般にわたって、その人に起こりうる事態を予測し、論理的思考力と的確な問題解決能力に基づいて、最善策を導き出すことができる。 4.態度・志向性 4-1 プロフェッショナルな看護師として社会に貢献する意欲を持っている。 4.態度・志向性 4-2 看護師として、生涯にわたって自分を高めていこうとする強い意思・意欲を持っている。 5.看護実践力・ 多職種間連携能力 5-1 他の医療職者や福祉関係の職種との連携を理解し、その人や家族への援助ができる能力を身につけている。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
助産師としての臨床経験や研究経験を生かし、周産期看護実践について教授する。 |
教科書コメント |
シラバス参照 |