シラバス参照 |
年度 | 2023 |
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科目名 | テレビ映像と現代社会 |
担当者名 | 三上 正弘 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
テレビは、長い間 情報伝達の中心的役割を果たしてきた。この授業では、テレビの歴史や 今後のインターネット社会でテレビを含むメディア全体がどのように変化していくのかについて考える。更にテレビ映像について、企画・撮影・編集など多方面から研究する。 インターネット社会での映像について私が最も大切に考えていることは、その映像が正しい情報を伝え、かつ表面的ではなく物事の本質を捉(とら)えているかという点だ。 大災害時のネット映像は信頼できるのか?テレビニュースは本質を捉えた映像を放送しているか?様々な角度からメディアの映像を検証し 映像の裏にある物事の本質について考える。 学生の皆さんが、この授業で より社会的な視野を広げ、正しい情報と物事の本質を見抜く力を身につけることがこの授業の目的である。 |
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到達目標 Class Goal |
テレビとインターネットが融合する大きな変化の中で、学生の皆さんがテレビの社会的役割や特性を知った上でネット社会に臨むことは、今後の人生にとって有益である。 ネット上の“情報の洪水”の中から必要な情報を取捨選択し、社会を見つめる視野が今以上に広がることを、そして将来メディアで仕事をしてみたいという学生が出てくれることをこの授業の到達目標と考えている。 具体的な到達目標は以下の通り。 〇わが国が今後の国民に対する情報伝達サービスをどのように考えているのか、メディア全体(テレビとインターネット)の現状と今後の動きを類別し、具体的に述べることができる。 〇過去70年間のテレビ映像が、国内外の歴史にどのような影響を及ぼしてきたかを具体的な事象と共に説明できる。 〇ニュースの重要性と「正確な情報」の大切さを具体例と共に認識できる。また実際に「ニュース企画」を考案できる。 〇ニュース・スポーツ・情報番組・ドキュメンタリーなどの映像コンテンツを視聴し、それらがどのようにして制作されているかを比較・分類できる。その上で、映像(動画)撮影、編集、照明の奥深さを評価できるようになる。 〇テレビからインターネットへと変化しても、人を傷つけないためには変化してはいけないものもある。表現方法や取材のやり方など、情報を送り出す側のノウハウを具体的に述べることができる。 〇物事の本質を見抜く楽しさ・面白さを習得できる。 |
授業内容 The Content of the Course |
授業ではまずテレビとインターネット双方を国民への情報伝達という視点で総合的に計画している国の考え方を判りやすく解説する。そのうえで、授業計画に従って、テレビ映像が国内外の政治・経済・文化にどのような影響を与えたかを実際の映像を見ながら振り返る。 そしてテレビニュース、スポーツコンテンツ、情報番組、ドキュメンタリーなどについて制作方法やインターネット社会での変化について個別に考える。 また「企画を立て取材をする」ことの楽しさと難しさを体験してもらうため、「ニュース企画案」を書いてもらう。また実際に放送した幾つかの映像作品を視聴する「鑑賞会」を実施し、審査員としてリポートを提出してもらう。 また可能な限り毎週 授業の初めに1週間のニュース・スポーツなど世の中の出来事について短く触れる機会を設けたい。学生の皆さんが「今後認識しておくべきことは何か」という点に重点を置いて伝えたい。 数多くの映像作品を見ながら、社会の動きや物事の本質を掴む能力がつくように、判りやすい授業を目指す。 |
授業計画 Class Plan |
全て対面授業(15回) 遠隔オンデマンド授業はなし。 ①はじめに〜自己紹介、15回の授業で皆さんに伝えたいことを説明する。 ②ネット時代のテレビ ⇒インターネットの利用がテレビ利用を追い抜く状況下で、テレビのネット配信が進んでいる。そこにはどのような問題点や可能性があるのか?テレビの今後について判りやすく解説する。 ③テレビ映像70年の歴史Ⅰ ⇒日本社会とテレビ映像の関わりについて映像を見ながら振り返る。 ④テレビ映像70年の歴史Ⅱ ⇒世界とテレビ映像の関わりについて映像を見ながら振り返る。 ⑤テレビニュース ⇒ニュースはなぜ必要なのか、ニュースはどのように制作されているのか、そしてネット社会になり、 ニュースはどう変わるのかなど、ニュースに関する様々なテーマを判りやすく解説する。 ⑥スポーツコンテンツ ⇒テレビのスポーツ中継やスポーツ企画はどのように制作されているのか、そしてネット社会になり、それらはどのように変化するのかを実際の作品を見ながら解説する。 ⑦情報番組 ⇒報道番組と情報番組の違いや、情報番組がどのように制作されるのかなどを「おはよう朝日です」担当部長の経験をもとに判りやすく解説する。 ⑧ドキュメンタリー ⇒ドキュメンタリー作品がどのように制作されるのか、そしてネット社会の中でテレビドキュメンタリーはどのように変化していくのかを、実際の作品を鑑賞しながら考える。 ⑨ニュース映像の基礎知識 ⇒動画撮影・編集・照明の基礎知識や心構え また奥深さについて、実際の映像を見ながら判りやすく解説する。 ⑩メディアの視点Ⅰ「日常の中の非日常」 ⇒わが国は国策として外国人観光客を増やすクールジャパンを計画しており、メディアは日本の魅力を伝えるコンテンツの海外展開を図っている。そのコンテンツの中核となる「日本人の精神世界」について考える。 ⑪人を傷つけないための表現 ⇒日々の放送の中での事件報道やプライバシー保護など基本的人権を守り、人を傷つけないためにテレビ会社が長い時間をかけて築き上げた仕組みを研究する。少しの違いで人を傷つける場合とそうでない場合があることを類別できる。 ⑫映像コンテンツ実例研究 ⇒実際にテレビで放送したニュースやスポーツ企画作品について、取材前の立案から企画・放送までを検証し、映像コンテンツ制作の難しさと楽しさを体感する。 ⑬テレビとネット:利点と問題点 ⇒ネット社会での無数の情報をどのように峻別し受け入れればよいのかを、テレビとネットの利点と問題点という形で比較し判りやすく解説する。 ⑭メディアの視点Ⅱ「地球温暖化・人口問題、SDGs(持続可能な開発目標)」について ⇒メディアが今後人々に伝えていかなければならない様々な重要問題について研究する。 ⑮まとめ 各種映像鑑賞など |
授業方法 Class Method |
*全て対面授業。 ・2回目の授業でレジュメを配布する(Googleクラスルームにて配布)。基本的にはこのレジュメで授業を進行する。 (教科書、参考書などは特に必要なし) ・必要に応じて適切な資料映像を添付し授業を進める。 ・毎週 授業の初めに1週間のニュース・スポーツなど世の中の出来事について短く触れる機会を設けたい。 学生の皆さんが「今後認識しておくべきことは何か」という点に重点を置いて伝えたい。 ・私自身が撮影したニュース映像やドキュメンタリー作品などを見てもらい授業の理解を深めたい。 ・学生の皆さんとのコミュニケーションを大切にしたい。合計7回のミニリポート(授業2回につき1回のペース)を 活用して、学生の皆さんの質問や判らない点などに丁寧に応えたい。 ※ミニリポートはGoogleクラスルームにて配信する。提出もGoogleクラスルームにて。 採点後コメントと共に再度返却する。(Googleクラスルームにて対応) |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
共通教育科目のクラスコードは、「共通教育サイト」に一覧掲示する。 抽選終了後、受講が決まった科目のクラスコードを確認しClassroomへ入室すること。 科目担当者からの招待は行わない。 「共通教育サイト」 https://kyotsu.mukogawa-u.ac.jp/index.html ◆Classroomへの参加登録の遅れや入室間違いは、教員からの指示が得られず課題等が未提出となる。それらが単位修得に係る評価に影響するので、十分に注意すること。 |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
以下のアクティブラーニングを積極的に取り入れたい。 ・10回目の授業で実際に「ニュース企画書」を提出してもらうので、それまでの授業で「テレビ」についての理解を深めつつ、同時に10回目レジュメ内容を予め予習し理解した上で「ニュース企画」について意識しながら日々を過ごしてほしい。(詳しくは初回授業で説明する。) ・授業12回目には短編映像作品の審査会を実施し、審査員としてノミネート作品を選びその理由などをリポートしてもらう。 ・その他、機会あるごとに各種時事問題などについて考えをまとめた形のリポートを提出してもらう。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
☆この授業専用のノート作りを奨励する。 ・予習:当日のレジュメ内容を事前に読み、判らない言葉や疑問点を専用のノートにまとめる。 授業に関連した各メディアの記事などにも関心を持って接してほしい。 ・復習:予習時に判らなかった点が解消したかをチェックする。 授業で新たに出た語句や事柄について、ノートにまとめる。 返却された「ミニレポート」で指摘された点があればチェックする。 ・その上で不明な点があれば、いつでも質問を受け付ける。 ・授業を受けることで 自然に世の中の動きに関心が高まることを期待している。テレビ・インターネット・新聞などのメディアを日常的にチェックして、世の中の動きに敏感であってほしい。 ☆上記の繰り返しで社会的な視野が広がり、物事の本質を見る力や知識量がアップする可能性がある。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:合計7回ミニリポートを提出。(Googleクラスルームにて配信)(第1回と第15回を除く第2回〜第14回の全ての授業で、2授業で1回のペースで提出。) 1回15点×6回=90点 12回目授業のみ10点 90点+10点=100点 ミニリポート①(講義第2回、第3回) =15点 ミニリポート②(講義第4回、第5回) =15点 ミニリポート③(講義第6回、第7回) =15点 ミニリポート④(講義第8回、第9回) =15点 ミニリポート⑤(講義第10回、第11回)=15点 ミニリポート⑥(講義第12回) =10点 ミニリポート⑦(講義第13回、第14回)=15点 合計 ∴100点 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
*ミニリポートはGoogleクラスルームにて配信する。その後の提出、返却も全てGoogleクラスルームにて対応。 *配信するミニレポートは提出後速やかに採点し返却する。その際に間違った点や良かった点を文書で指摘する。 *ミニリポートには自由記述欄があるので、当日の講義内容の中で不明な点があれば、そこに記述できる。 *それでも不明な点が残れば、下記にメールを頂ければ即座に対応する。 ※下記メールは携帯電話にも同時送信しているので、いつでも対応が可能。 neuilly626@outlook.jp |
教科書 Textbook |
私が制作したレジュメ「テレビ映像と現代社会」を使用する |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
特になし |
受講上の注意 Notices |
【重要】 令和5年度より、受験資格制度は成績評価対象資格に変更となる。また、学修機会保障制度が始まる(授業公欠制度は廃止となる)。 ★「成績評価対象資格」:共通教育科目も、週1回開講科目は5回以上、週2回開講科目は9回以上欠席すると、成績評価対象資格を喪失し、成績評価が受けられなくなる。 ★「学修機会保障制度」:授業公欠制度は廃止され、新たに学修機会保障制度が始まる。 以上の2点については、Student-Guideを熟読しておくこと。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
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実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
40年間朝日放送テレビ株式会社に勤務した。 報道・情報・スポーツ・ドキュメンタリー番組現場での企画・取材・制作に携わった経験を活かして、テレビ映像が果たしてきた歴史的・社会的役割について解説し、またインターネット社会でのテレビ番組のあり方について講義する。 現在は、ザ・シンフォニーホール館長 |
教科書コメント |
シラバス参照 |