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年度 | 2024 |
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科目名 | 日本近代文学の探究 |
担当者名 | 高木 史人 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
中学校国語科に携わる者として必要な近代文学についての知識をより深く習得することを目的とする。具体的には、明治、大正、昭和初期というそれぞれの時代の文学作品を取り上げ、個々の様々なジャンルの代表作品について読解を進め、それぞれの作品を鑑賞・読解し、学習者個人の生き方を見つめ直す。 |
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到達目標 Class Goal |
(1)日本の近代文学作品に興味を持ち、作品を読み進めることができる。 (2)文学作品の分析および解釈のしかたについて理解できる。 |
授業内容 The Content of the Course |
今年度は、柳田國男『遠野物語』を取り上げて、丹念に読み解く。 柳田國男は1875年に兵庫県神崎郡福崎町辻川に生れた。東京帝国大学法科卒業後、農商務省官僚として農政に携わる一方、自然主義文学の文学者(田山花袋、島崎藤村等)とも交わるが、同時に民間伝承の研究にも取り組んだ。 『遠野物語』は岩手県遠野郷の佐々木喜善と出会い、佐々木から聴いた話を記録して明治43(1910)年に350部を自費刊行したものである。 『遠野物語』は序文と全部で119の章段の説話や土地・人物の紹介等からなっている。従来、日本民俗学では日本の民俗学の始発の書という位置づけがなされてきた。もちろんそこに収録されているのは、「文学」以前の「文学」ともいうべき「伝承」の物語であるが、しかしこれをたとえば小説家の三島由紀夫は『遠野物語』22番目の章段を紹介して優れた一篇の小説であると評価している『文章読本』(1959年)。さらに最近では『遠野物語』を民俗学、近代文学の古典とするだけでなく、「怪談」特に「実話怪談」(あるいは「怪談実話」)の先蹤として論じる人々も現れた。 本授業では最初に、柳田國男についての略伝の紹介を行ない、続けて伝承の説話(口承文芸としての民間説話)とはどのようなものかを概説した後で書かれた『遠野物語』の各段を順次読み進めていくこととする。この授業ではテキストは角川ソフィア文庫本(『遠野物語拾遺』も収録)を用い、全体の構成を押さえた後、興味深い章段を順次選択しながら、近畿地方等他地方の同様の伝承を紹介・比較・分析しつつ講読・輪読を試みる。 「文学」の授業ではあるけれども、同時に「民俗学」や「歴史学」等とも連携し、学校教育における「総合的な学習の時間」に資するような授業となることをめざす。 |
授業計画 Class Plan |
1 柳田國男について 2 遠野物語について 3『遠野物語』を読む(1) 4『遠野物語』を読む(2) 5『遠野物語』を読む(3) 6『遠野物語』を読む(4) 7『遠野物語』を読む(5) 8『遠野物語』を読む(6) 9『遠野物語』を読む(7) 10『遠野物語』を読む(8) 11『遠野物語』を読む(9) 12『遠野物語』を読む(10) 13『遠野物語』を読む(11) 14『遠野物語』を読む(12) 15総括、教職ファイルへの記入 |
授業方法 Class Method |
輪読形式とディスカッションとを組み合わせる。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
tlg46lr |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
主体的・対話的で深い学びの実践を心がける。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
テキストを事前に読み進めておく。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:授業への積極的な参加を評価する。毎回7点で評価し、101点以上は100点とする。 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
口頭もしくは文章などで適切に伝達する。 |
教科書 Textbook |
遠野物語 附・遠野物語拾遺/柳田國男/角川ソフィア文庫 |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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受講上の注意 Notices |
積極的な参加をするように注意されたい。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
2.技能・表現 2-2 教育・保育に関わる多様な人々と積極的にコミュニケーションをとり、連携・協働することができる。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
これまでの研究やフィールドワークでの知見を活用しつつ、授業を行なう。 |
教科書コメント |
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