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年度 | 2024 |
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科目名 | 現代建築論 |
担当者名 | 岡﨑 甚幸・天畠 秀秋 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
「強」「用」「美」、および「真」「善」「美」の関係を踏まえ、建築家の職能、倫理と社会との関係を理解するとともに、近代建築の誕生から現代建築の成立に至るまで、20世紀の建築が歩んできた道程を学ぶ。これらを通して、これからの現代建築や建築家が求められるものについて理解することを目的とする。 |
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到達目標 Class Goal |
現代建築と歴史、文化、国際社会、地球環境との関わりや、現代社会の問題点を理解する能力を培う。これにより、価値基準が異なる「真」「善」「美」を互いに総合し、自律的活動ができる職能人としての素養を理解する。 |
授業内容 The Content of the Course |
建築空間と人間行動の関係に関する諸原理を紹介しつつ、現代建築の状況を多様な面から解説する。機能主義(実態概念から機能概念へ)、構造技術や建築材料などの技術革新、都市化、地域性や歴史性、自然環境や風景について考察し、現代建築がいままでに歩んできた道程と、これからの現代建築に求められる精神や技術や価値観、社会が建築家や技術者に求めるものについて解説する。 |
授業計画 Class Plan |
1.甲子園会館と建築スタジオ(天畠) 第1回 甲子園ホテルの歴史、建築家 遠藤新、敷地の特徴、1930年頃のF.L.ライトの作品(帝国ホテル、旧山邑邸) 第2回 甲子園会館 解説:甲子園会館のデザイン特性:遮蔽縁、深い庇、三つ葉型平面、素材(日華石、ボーダータイル、装飾タイル、緑釉瓦)、装飾、基準寸法 第3回 建築スタジオ 解説:建築学科・建築学専攻の校舎「建築スタジオ」の特徴:甲子園会館との比較と調和、建築教育との関係、環境技術 2.三大巨匠によって形成された20世紀の建築空間の特徴(天畠) 第4回 F.L.ライト その1:プレーリーハウス、箱の解体、テキスタイルブロック住宅 第5回 F.L.ライト その2:有機的建築、ユーソニアンハウス、落水荘、ジョンソンワックス、タリアセン、ライトの自然 第6回 ル・コルビュジエ その1:コンクリート、ドミノシステム、柱と梁 第7回 ル・コルビュジエ その2:近代建築の5原則、モデュロ−ル 第8回 ミース・ファン・デル・ローエ その1:5つの計画案、バルセロナ・パヴィリオン、平面の構成 第9回 ミース・ファン・デル・ローエ その2:鉄とガラス、カーテンウォール、ユニヴァーサルスペース 3.近代建築の誕生から現代建築の成立、その後の現代建築の展開、建築の保存と再生(天畠) 第10回 産業革命、鉄骨造・鉄筋コンクリート造の発展、欧米各国の世紀末芸術運動(アーツ・アンド・クラフツ、アール・ヌーボー、ウィーン分離派) 第11回 デ・ステイル、バウハウス、アール・デコ、モダニズム建築の成立 第12回 モダニズム建築の展開、モダニズムの批判、メタボリズム 第13回 モダニズムの反省、ハイテク建築、ポストモダン、脱構築主義、新材料と新技術がつくる空間、建築の保存と再生 4.建築空間と人間行動の関係に関する諸原理と建築のあるべき姿について(岡﨑) 第14回 本学科の建築教育と学習・教育到達目標 第15回 設計プロセスにおける「強と用と美」の関係 5.定期試験 授業の状況等に応じ、上記の予定を調整することがある。 |
授業方法 Class Method |
第4、6、8、10、12、13、15回に小テストを行う。授業は基本的に講義形式で行う。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
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アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
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準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
講義で学んだことを、授業ノートや配付プリント等に基づき継続的かつ反復的に復習すること。自らの知識として吸収するだけでなく、建築設計との関係をつねに自分自身で考え、設計に活用できるようにすること。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(60点) ・平常点(40点) 平常点等配点内訳:授業時間中のレポート10点、小テスト30点とする。 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
小テストは、実施後に解説を行う。 不合格者に対しては、再試験前の補習にて、理解が不十分と思われる部分の指導を行い、レポート等を課す。 |
教科書 Textbook |
プリントを配付する。 |
参考書 Reference Books |
京町家の環境技術と生活態度そして文化の形成/岡崎甚幸・大谷孝彦・鈴木利友・天畠秀秋編/武庫川女子大学出版部 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
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受講上の注意 Notices |
授業内容に対する学生の意見を求め、授業の改善に役立てる。 補習、再試験について:定期試験において不合格となった学生は、所定の期間に再試験受験手続を行うとともに、9月に開講する補習を必ず受講し、指示されたレポート等を提出の上、10月に行われる再試験を必ず受験すること。補習に出席しない場合は、再試験受験手続を行っていても原則として不合格とする。レポートの点数は、上記評価方法における平常点等に加算する。再試験の評価は、上記評価方法による合計点に0.8をかけた得点とし、60点以上の得点はすべて60点とする。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
B.善美な情操 ◎B―2(6年)歴史、文化、国際社会、地球環境を理解する実践的知識を修得し価値観を身に付ける。(4年)歴史、文化、国際社会、地球環境を理解する基礎的知識を修得し価値観を培う。 C.高雅な徳性 ◎C(6年)社会の仕組みや現代社会の問題点を理解する能力と継続的に学習できる能力を身に付け、自律的活動ができる職能人としての自覚を形成する。(4年)社会の仕組みや現代社会の問題点を理解する能力と継続的に学習できる能力を培い、自律的活動ができる職能人としての素養を理解する。 D.高い知性、善美な情操、高雅な徳性の総合 ○D―1 ※◎は特に対応する学習・教育到達目標、○は対応する学習・教育到達目標を示す。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
岡﨑甚幸 建築家としての豊富な実務経験に基づき、建築家に求められる職能や倫理等について講義する。 天畠秀秋 建築学部・建築学研究科の学舎である甲子園会館の改修計画、建築スタジオの設計監修に関わった実務経験に基づいて、甲子園会館と建築スタジオの解説を行う。 |
教科書コメント |
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