シラバス参照 |
年度 | 2024 |
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科目名 | 精神看護学Ⅱ |
担当者名 | 黄 智暎・寳田 穂・西山 直毅・森脇 勉一 |
単位 | 1.0 |
科目目的 Course Objectives |
精神疾患/障害をもつ人への看護アセスメントの考え方について学び、精神看護を実践するための具体的な知識や技法について学ぶ。また、精神科における倫理的課題に取り組む姿勢を身につける。 |
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到達目標 Class Goal |
1.精神看護を実践する上で、対象者を多面的に理解する必要性や技法について理解を深める。 2.精神看護を実践する上でのアセスメントの視点、考え方を理解できる。 3.対象者のストレングスやその人らしさを大切にすることの重要性や意味についての理解を深め、対象者を主体とした看護アプローチについて考えることができる。 4.精神科における入院形態や行動制限の現状について学び、必要性や問題・対策について考えることができる。 5.精神科における倫理的問題や課題を考えることができ、倫理的課題への取り組みの姿勢について学生自らが気づくことができる。 6.精神看護を実践する上で、プロセスレコードの活用技法や意味について理解できる。 7.精神疾患/障害をもつ人への理解を深め、地域で生活していくための資源活用や連携をふまえた看護アプローチの方法について考えることができる。 |
授業内容 The Content of the Course |
1.精神看護を実践するための技法を習得する:精神看護に関連する基礎的な理論と、ロールプレイングを通した実践や疑似体験、学生・教員間でディスカッションの内容などを結びつけながら、精神看護を展開するための基礎的な知識・技法を習得する。演習では、精神障害をもつ患者の事例を用いて、精神看護アセスメントを行い、退院後の生活を見据えた援助の方向性・対象者へのアプローチ方法・援助内容を検討し、ロールプレイングなどを通じた疑似体験とともに、具体的な理解を深める。そして、看護の対象者だけでなく、自己に対する理解を深め、看護師として継続的に自己研鑽に努める姿勢や力を身につける。 2.精神科医療についての理解を深める:精神科医療における行動制限と安全管理、災害時の対応について学ぶとともに、精神科における倫理的問題も考慮し、対象者の人権を尊重したアプローチの実際について理解を深める。また、精神障害者が地域で生活していくための福祉施設の役割や連携について理解を深める。 |
授業計画 Class Plan |
第1回 ケアの人間関係:状況のとらえ方、観察・面接の実際 [寳田・黄・西山・森脇] 第2回 精神科における治療・看護のはじまり [黄・西山・森脇] 第3回 精神科における安全管理と行動制限、災害時の看護 [森脇・黄・西山] 第4回 精神科における倫理的問題と人権擁護 [寳田・黄・西山・森脇] 第5回 行動制限と人権:身体拘束の実際 [西山・黄・森脇・寳田] 第6回 精神看護アセスメント①事例の提示とアセスメントの考え方 [黄・西山・森脇] 第7回 精神科における身体のケアの実際 [西山・黄・森脇] 第8回 精神看護アセスメント②対象理解と回復・ストレングスモデル [黄・西山・森脇] 第9回 精神看護アセスメント③援助の方向性:グループワーク [黄・西山・森脇] 第10回 精神看護アセスメント④援助の方向性:グループ発表と全体ディスカッション [黄・西山・森脇] 第11回 精神看護アセスメント⑤援助の実際:ロールプレイングとプロセスレコード[黄・西山・森脇] 第12回 精神看護アセスメント⑥評価:セルフケアを支えるケア [黄・西山・森脇] 第13回 地域生活を支える [寳田・黄・西山・森脇] 第14回 レクリエーションの実際と精神科看護 [寳田・黄・西山・森脇] 第15回 精神看護の学びと今後の課題および学びの確認テスト [黄・寳田・西山・森脇] |
授業方法 Class Method |
対面授業:事例の看護展開、グループワーク、ロールプレイング、実技演習などを盛り込みながら授業を行う。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
本科目は対面授業であるが、google classroomを準備する。招待メール受信後は速やかにclassroomに参加すること。 |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
本科目は演習科目であり、学生の主体的な参加が求められる。学生自身の演習課題への取り組みや、授業中のディスカッション・グループワーク・ロールプレイング・プレゼンテーション、また教員からのフィードバックなどを通じて、学生の主体性を基盤とした相互学習の形態とする。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
予習: ・提示された事前学習や演習課題がある場合は、それを済ませたうえで授業に臨む。 ・精神看護アセスメントを行う際には、「精神看護学概論」や「精神看護学Ⅰ」で学習した知識や考え方が基礎となるため、学習内容を振り返っておく。 復習: ・毎回、授業で学んだ内容を復習する。 ・授業後の演習課題や小レポートに取り組む。 ・演習課題が返却されたあとは、教員からのフィードバックを確認し、指摘された点は、自学自習および加筆修正を行ったうえで次の授業に臨む。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:1. 学びの確認テスト(配点50) 2. 演習課題40点+授業への参加度(小レポート等)10点 具体的な評価方法については、第1回目の授業オリエンテーションで資料を配布するとともに口頭でも説明する。 *科目の成績は、学びの確認テスト点(100点満点)×0.5+平常点(50点満点)の合計(100点満点)で評価する。 *学びの確認テストは100点満点中、60点以上を合格とする。 テストの点数が60点未満の場合は、再テストとなる。 *平常点は第15回終了時点で、60%(30点)以上を合格とする。 提出された課題内容が一定水準に達しない場合、課題の再提出等を課す。 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
課題の提出内容に応じて、授業時間内にフィードバックを行う。また演習課題については、必要時コメントを記載して、返却をする。 |
教科書 Textbook |
必携! 精神看護学実習ポケットブック 第2版/野中浩幸ら/精神看護出版 精神看護学1 精神看護の基礎 第6版/武井麻子ら/医学書院 精神看護学2 精神看護の展開 第6版/武井麻子ら/医学書院 精神神経疾患ビジュアルブック 第6版//落合慈之ら/学研プラス |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
「第14回 地域生活を支える」では、地域で精神障害者の生活支援に携わるスタッフも参加し、意見交換を行う。 |
受講上の注意 Notices |
・欠席が4回以上となった場合は、成績評価を受ける資格を失う。 遅刻あるいは早退が3回で、欠席1回の扱いとなる。 ・精神看護アセスメントの演習では、記録物や個人情報の取り扱いも含めて学習する。 ・患者理解の基本的な考え方や演習課題の記録の書き方は授業で説明するが、分からない場合はそのまま放置せず、担当教員に自ら積極的に質問や相談をすること。 ・授業内容は、それぞれの単元間につながりがある。また、授業方法は、学生の学びの状況に応じ、個別や小・中グループでの授業形態をとることもある。やむを得ない理由で欠席・遅刻する場合は、必ず担当教員に事前に連絡し相談すること。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
1.知識・理解 1-1 看護の対象者の生活を理解するための幅広い教養や基礎知識を身につけている。 1-2 生活者としての看護の対象者を支援するために必要な専門的知識を習得している。 2.技能・表現 2-1 看護の対象者の価値観を尊重したコミュニケーション能力を身につけている。 2-2 援助に必要な看護技術を身につけている。 3.思考・判断 3-1 看護の対象者の生活や健康を支える様々な要因(身体心理社会的)についての情報を収集し、分析することができる。 3-2 援助が必要な人の状態を明確にして、援助の根拠を特定することができる。 3-3 生活および医療全般にわたって、看護の対象者に起こりうる事態を予測し、論理的思考力と的確な問題解決能力に基づいて、最善策を導き出すことができる。 4.態度・志向性 4-1 生命の尊重と人権尊重を基盤とした倫理観を有している。 5.看護実践力・多職種間連携能力 5-1 他の医療職者や福祉関係の職種との連携を理解し、看護の対象者やその家族への援助ができる基礎的な看護実践力を身につけている。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
担当教員はいずれも看護師として精神科病棟で勤務した経験があり、十分な実務および実習指導経験と研究経験を有している。それらの経験を踏まえて、精神看護における援助技術や看護展開などについての授業を行う。 |
教科書コメント |
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