シラバス参照 |
年度 | 2024 |
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科目名 | 最先端物理学が描く宇宙 |
担当者名 | 真貝 寿明 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
物理学の歴史的な進展も交え、我々が現在までに得ている「宇宙」の観測的描像と理論的描像を紹介する。論争によって発展をつづけた科学的世界観や、宇宙物理学の諸問題を理解する。現代物理学の2つの柱である相対性理論・量子論を紹介し、宇宙が膨張していること・ブラックホールが存在していることはどうやってわかったのか、素粒子の確率解釈が必要となった理由は何かなど、物理学の根源的な問題を(数式ではなく)論理的な展開を軸に解説する。自然界を解明していくサイエンスに触れ、教養を得るだけではなく、広くて柔軟な思考を身につけて欲しい。 |
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到達目標 Class Goal |
宇宙物理学をキーワードに、物理に対する考え方や取り組みを理解する。 現代物理学が描き出す、非日常的な不思議で壮大な結論を理解する。 教科書にないような最先端の事柄を調べ、科学的・論理的な説明ができる能力を養う。 |
授業内容 The Content of the Course |
宇宙の階層構造を説明したのち、歴史的な話に入る。近代科学の発端、そして相対性理論と量子力学が描く現代物理学の内容を紹介し、最先端の宇宙像を紹介する。話題となる科学ニュースの解説も適宜行う。 講義内容を3分ほどで紹介したビデオを次のところに置いてある。選択時の参考にしてほしい。 https://www.oit.ac.jp/is/shinkai/mukogawa/IntroVideo_Cosmology.mp4 |
授業計画 Class Plan |
対面15回(学会出張などで遠隔授業にするときは事前に連絡する) 【第1回】宇宙の階層構造 (1) 天体の動き,太陽系・銀河系の構造。 【第2回】宇宙の階層構造 (2) 宇宙の大規模構造。宇宙が膨張していることは、どのようにしてわかったのか。 【第3回】宇宙の理解 (1) 天動説から地動説へ.コペルニクス,ブラーエ. 【第4回】宇宙の理解 (2) 物理学の黎明期.ケプラー・ガリレイ 【第5回】宇宙の理解 (3) 物理学の確立期.ニュートン 【第6回】時間と空間の理論 (1) 時間の進み方は観測者によって変わる『特殊相対性理論』 【第7回】時間と空間の理論 (2) 浦島効果の相対論的解釈。双子のパラドックス。核融合と核分裂の違いは何か。星はなぜ光るのか。星の一生。 【第8回】時間と空間の理論 (3) 空間がゆがむことが重力の正体である『一般相対性理論』 【第9回】時間と空間の理論 (4) ブラックホールとは何か。どこでもドアやタイムマシンはできるのか。重力波の発見は何がすごいのか。 【第10回】素粒子の理論 (1) スペクトルから何がわかるのか。原子核の構造はどのように解明されたのか。 【第11回】素粒子の理論 (2) 光の正体は粒子なのか波なのか。確率解釈を基礎にする『量子力学』の誕生.シュレーディンガーの猫,EPRパラドックス。 【第12回】標準宇宙論 (1) ビッグバン宇宙論 vs 定常宇宙論。 【第13回】標準宇宙論 (2) 光速を超えて宇宙膨張する時代(インフレーション宇宙論).宇宙の始まりの前は?宇宙の外側は?宇宙の終わりは? 【第14回】現代の宇宙論 (1) 3つの謎(ダークマター・ダークエネルギー・ダークエイジ),巨大加速器で何がわかる?(素粒子実験) 【第15回】現代の宇宙論 (2) はたして宇宙人はいるのか(太陽系外惑星探査),これからの宇宙論. |
授業方法 Class Method |
■実施形態 対面で進める。 ■講義日当日の朝までに、以下のものをGoogle Classroomを通じて配布する。 プリント資料(pdf) ビューグラフ資料(pdf) ■出欠確認方法 講義直後にミニッツペーパー(感想や質問,簡単な確認クイズなど)を提出。 ■ミニッツペーパー・レポートの提出方法 Google Classroom あるいは Google Form にて提出。手書きの場合でも写真撮影したファイルを送信することで対応する。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
共通教育科目のクラスコードは、「共通教育サイト」に一覧掲示する。 抽選終了後、受講が決まった科目のクラスコードを確認しClassroomへ入室すること。 科目担当者からの招待は行わない。 「共通教育サイト」 https://kyotsu.mukogawa-u.ac.jp/index.html ◆Classroomへの参加登録の遅れや入室間違いは、教員からの指示が得られず課題等が未提出となる。それらが単位修得に係る評価に影響するので、十分に注意すること。 |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
受講者には、自分が不思議に思う現象や疑問など毎回アンケートを実施し、講義内容を補足する。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
毎回、予習事項(調べてもらったら面白いこと)や復習事項(観たり、調べたり、考えてもらったら面白いこと)を提示する。 週あたり,180分を目安に取り組んでいただきたい。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:ミニッツペーパーを当日中に提出することで2点x15回=30点。調査報告・意見考察形式のレポートを3回提出してもらう予定(成績評価20点+20点+30点=70点)。 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
ミニッツペーパーの提出状況、レポートの採点結果は、Google Classroomにてフィードバックする。 |
教科書 Textbook |
現代物理学が描く宇宙論/真貝寿明/共立出版(2018年) |
参考書 Reference Books |
タイムマシンと時空の科学/真貝寿明/ナツメ社 ブラックホール・膨張宇宙・重力波 一般相対性理論の100年と展開/真貝寿明/光文社 宇宙のつくり方/ギリランド著 真貝・鳥居訳/丸善出版 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
本講義シラバスを見た西宮市から依頼され、平成28年(2016)度の西宮市生涯学習大学ラジオ講座「宇宙はここまで理解できた 宇宙物理学入門」、令和2年(2020)度・令和3年(2021)度も自然科学講座(宇宙)を開講。また、毎日文化センター(大阪)からも依頼され、平成30年(2018)度「宇宙をひもとく物理学」、平成31年(2019)度「宇宙はどこまでわかったか」を開講した。本講義に関連する内容で,大阪市立科学館と大阪中央公民館の企画「99年目のアインシュタイン」(2021)「100年目のアインシュタイン」(2022)で招待講演を行った. |
受講上の注意 Notices |
本講義は、夜空の星の動きを説明するような天文学ではない。レポート課題は、調査報告・意見考察形式で、計算するような問題はない。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
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実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
講師は、国内外の大学・研究所にて理論物理学の研究を進めるほか、これまでに、一般向けの本・教科書の執筆や、講演・講座を数多く引き受けている。 |
教科書コメント |
シラバス参照 |