シラバス参照 |
年度 | 2025 |
---|---|
科目名 | 近代文学講読Ⅱ |
担当者名 | 山本 欣司 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
「Ⅰ」を踏まえてさらに、近現代文学の代表的な作品の講読を通じて、学習者が自らその読解力を高める。また本科目は、中高教科国語、高校教科書道を教授するに足る基礎的知識および技能等を修得し、教職実践力と関連づけて理解することを一目的とする。 |
---|---|
到達目標 Class Goal |
作品の表現と内容を十分に理解し、自分なりに解釈できる。教職課程履修学生は、学修内容を当該の中高教科内容および教材に関連づけて主体的に探求する。 |
授業内容 The Content of the Course |
近代女性文学について学ぶ。(小説の読解方法を基礎から学ぶ) 明治を生きた樋口一葉は、日本初の職業女性作家だといわれている。貧しい生活を続けながらも書くことを諦めず、明治を代表する作家のひとりとなった樋口一葉。マイノリティーの立場から、社会的弱者を描き続けた作家として、その小説からはさまざまな問題が浮き彫りになる。 後期の授業では「にごりえ」「十三夜」を中心に、いくつかの短編作品を丁寧に読んでいく。ジェンダーの観点を加えることで、小説の読み方が大きく異なってくることを学んでほしい。 樋口一葉の小説は文章が古典っぽいので最初は読みづらいと思うが、慣れたらすらすら読めるようになるので心配ご無用。樋口一葉研究の専門家として、文学研究の方法についても詳しく説明しながら、小説の内容を深く理解してもらえるよう工夫する。 また、この授業では小説読解の基礎についても丁寧に指導する。これは、国語教員が絶対に身に付けておくべき力である。 |
授業計画 Class Plan |
1.イントロダクション…どのようにすれば小説を深く読み取れるのか 2.「わかれ道」を読む 3.「わかれ道」を読む 4.「にごりえ」を読む 5.「にごりえ」を読む 6.「にごりえ」を読む 7.「にごりえ」を読む 8.「にごりえ」を読む 9.「十三夜」を読む 10.「十三夜」を読む 11.「十三夜」を読む 12.「十三夜」を読む 13.樋口一葉の日記やエッセーを読む 14.樋口一葉の日記やエッセーを読む 15.まとめ |
授業方法 Class Method |
みなさんにもしっかり考えていただきながら、できる限り深く、小説のストーリーを読み解いていきたいと考えている。また、時代背景(明治の結婚制度、女性への暴力の問題など)も詳しく解説する。 小説をゆっくり読んでいくことで、たいへん美しく、おもしろく、残酷な世界が見えてくることに気づいてほしい。もちろん、こちらが一方的に話すだけでは、みなさんの読解力が向上しないため、意見を書いてもらったり、質問に答えてもらったりする予定である。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
pqndg6i |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
講義形式ではあるが、毎回、意見や解釈を書いてもらうことで、授業参加を促す。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
「にごりえ」「十三夜」について、初読時に疑問点をあげてもらうことで、読み深めのきっかけをつかんでいただく。また、分析時には小レポートの提出や意見発表を求める。 教職課程履修学生は、中高教育実習での研究授業場面や卒業後の中高正規授業での指導場面を想定して、本科目の修得内容を活用しつつ、「中高教科の自主的教材研究」に主体的に取り組む。その際、当該教科の学習指導要領および教科書等を積極的に活用する。 |
評価方法 Evaluation Method |
・レポート[作品含む](60点) ・平常点(40点) 平常点等配点内訳:授業中に、レポート提出を求める。また、何度か意見や解釈を書いてもらうことを通して、理解度を測る。 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
提出されたレポートや、時々書いてもらう小課題については、よく書けているものを取り上げて詳しくコメントを付すなどして、どのように考えて、どのように表現(執筆)すればよいか分かるようにする。 |
教科書 Textbook |
一葉文学選/樋口一葉/和泉書院 |
参考書 Reference Books |
わかったつもり 読解力がつかない本当の原因/西林克彦/光文社新書 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
特になし |
受講上の注意 Notices |
本文を少しずつ読み深めていくので、出席を重視する。 教職課程履修学生は、この授業科目終了後、教職課程履修カルテの自己評価シート欄に必要事項を必ず入力すること。また成績評価発表以降に、成績とともに担当教員によるコメントを参照し自己の学習状況について把握する。 ※近代文学講読Ⅰと同じ教科書 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
1-1.日本語および日本文学に関する基礎的・専門的知識を修得している。 3-1.日本語・日本文学に関して身につけた専門的知識を捉えかえし、批判的に考察する能力を備えている。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
高校での国語講師や、大学での教育歴や教職指導、また大学入試センター出題委員(国語)を務めたことなどにより、近代文学に関して充実した知識を有している。 |
教科書コメント |
シラバス参照 |