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年度 | 2025 |
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科目名 | 日本古代史史料を読むⅡ |
担当者名 | 竹内 亮 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
Ⅰの学修を踏まえて、古代文献史料をさらに深く探求し、実践的に考察することを目的とする。 |
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到達目標 Class Goal |
史料の原文を正しく読み解き、内容を理解する能力を備えている。 |
授業内容 The Content of the Course |
平安時代に成立した見聞記『七大寺日記』を輪読する。『七大寺日記』は、12世紀前半頃に南都七大寺(東大寺、興福寺、元興寺、大安寺、西大寺、薬師寺、法隆寺)をはじめとする諸寺を歴訪した筆者が、現地で実際に見聞した堂舎や仏像などの様子を記した書物で、平安時代末頃における南都諸寺の状況を知ることができる重要史料としてよく用いられる。各種の縁起や伝記などからの引用も見られ、内容が多岐にわたり多様な文体を含んでいる。日本古代史研究だけでなく、仏教史学、美術史学、建築史学などの分野でも利用される機会が多い史料である。受講者は、『七大寺日記』の中からあらかじめ割り当てられた箇所について、漢文で記された原文の訓読、語釈、現代語訳、関連史料などをまとめたレジュメを事前に作成し、授業の中で順番に発表する。その発表内容に対して質疑や補足説明を行い、読解力の向上を図る。このような実践を積み重ねることで、日本古代史研究に欠かせない漢文史料の扱いに習熟し、その内容を正確に読み解く能力を獲得することを目指す。 『七大寺日記』(鎌倉時代写本、重要文化財)の写真は以下のWebサイトから閲覧できる。授業では、参考書(校刊美術史料 寺院篇)とこの写真を主なテキストとして用いる。 重要文化財 七大寺日記(奈良国立博物館収蔵品データベース) https://www.narahaku.go.jp/collection/792-0.html |
授業計画 Class Plan |
第1回:導入 ―『七大寺日記』の概要、および講読の進め方について― 第2回:『七大寺日記』講読(1)―東大寺(1)― 第3回:『七大寺日記』講読(2)―東大寺(2)― 第4回:『七大寺日記』講読(3)―東大寺(3)― 第5回:『七大寺日記』講読(1)―興福寺(1)― 第6回:『七大寺日記』講読(2)―興福寺(2)― 第7回:『七大寺日記』講読(3)―元興寺(1)― 第8回:『七大寺日記』講読(7)―元興寺(2)― 第9回:『七大寺日記』講読(8)―大安寺― 第10回:『七大寺日記』講読(9)―西大寺― 第11回:『七大寺日記』講読(10)―薬師寺(1)― 第12回:『七大寺日記』講読(11)―薬師寺(2)― 第13回:『七大寺日記』講読(12)―法隆寺(1)― 第14回:『七大寺日記』講読(13)―法隆寺(2)― 第15回:まとめ (※講読の進行度によって随時変更する可能性がある。) |
授業方法 Class Method |
『七大寺日記』の中からあらかじめ割り当てられた箇所について、漢文で記された原文の訓読、語釈、現代語訳、関連史料などをまとめたレジュメを事前に作成し、授業の中で順番に発表する。その発表内容に対して質疑や補足説明を行い、読解力の向上を図る。各回の授業で学んだ史料の読み方や解釈などをノートにまとめ、期末課題として提出する。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
h2soukk 授業計画や授業方法の変更等はClassroomに掲示する。Classroomは開講前から運用するので、できるだけ早めにClassroomへ入室して掲示を確認しておくこと。 |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
授業の発表内容に対して質疑や補足説明を行い、読解力の向上を図る。このような実践を積み重ねることで、日本古代史研究に欠かせない漢文史料の扱いに習熟し、その内容を正確に読み解く能力を獲得することを目指す。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
(1)『七大寺日記』のうち次回の授業で扱う箇所について、漢文で記された原文の訓読、語釈、現代語訳、関連史料などをまとめたレジュメを事前に作成し、授業の発表にそなえる。古代史料に関する事項や漢文の読み方について不明点があれば、参考書に掲げた図書等を用いて各自で学習しておく。 (2)各回の授業で学んだ史料の読み方や解釈などを毎回復習し、ノートにまとめる。授業が全て終了した後、期末課題としてノートを提出する。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:通常点75点(授業での発表や積極的な発言など) 期末課題25点(ノートの提出) |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
授業の発表内容に対して質疑や補足説明をその都度行う。 |
教科書 Textbook |
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参考書 Reference Books |
校刊美術史料 寺院篇 上・中・下/藤田経世 編/中央公論美術出版 読み解き古代史料/ 石上 英一 (著), 加藤 友康 (著), 田島 公 (著), 山口 英男 (著) /山川出版社 古代史料を読む 上・下/佐藤 信, 小口 雅史 (編) /同成社 日本古代史を学ぶための漢文入門/ 池田 温 (編)/吉川弘文館 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法/苅米一志/吉川弘文館 入門史料を読む 古代・中世/小山田和夫/吉川弘文館 日本の古寺美術 1~20/保育社/保育社 東大寺 美術史研究のあゆみ/大橋一章 ほか/里文出版 興福寺 美術史研究のあゆみ/大橋一章 ほか/里文出版 薬師寺 美術史研究のあゆみ/大橋一章 ほか/里文出版 西大寺 美術史研究のあゆみ/大橋一章 ほか/里文出版 唐招提寺 美術史研究のあゆみ/大橋一章 ほか/里文出版 法隆寺 美術史研究のあゆみ/大橋一章 ほか/里文出版 日本仏教はじまりの寺 元興寺/元興寺,元興寺文化財研究所 編/吉川弘文館 図説 元興寺の歴史と文化財/元興寺,元興寺文化財研究所 編/吉川弘文館 大安寺歴史講座 1 大安寺伽藍縁起并流記資財帳を読む/菅谷文則/東方出版 大安寺歴史講座 2 大安寺の歴史を探る/森下惠介/東方出版 大安寺歴史講座 3 大安寺 国家筆頭大寺へのあゆみ/木下正史/東方出版 大安寺歴史講座 4 奈良時代の大安寺/上原眞人/東方出版 東大寺要録/筒井英俊 校訂/国書刊行会 東大寺続要録/筒井寛秀 監修/国書刊行会 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
授業の理解を深めるため、受講生には史料に登場する寺院の自主的見学を勧める。教員が引率することもあり得るが、その場合は参加自由として授業回数には含めない。 |
受講上の注意 Notices |
(1)史料講読の授業では、各自が予習して事前レジュメを作ってこないと学習効果が得られない。予習不足が明白に認められる場合には成績評価が下がる場合もあり得る。 (2)予習してきた内容や発表内容について疑問点があれば、授業中に随時質問すること。疑問の提起は参加者全員の学習効果を高めるので、遠慮せず積極的に発言するのが望ましい。 (3)授業で学んだ史料の読み方や解釈などを復習してノートにまとめたものを期末課題として提出する。ただし授業中にも随時ノートの確認を行う場合がある。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
2.技能・表現2-2史・資料を正確に読解し、それを分析的かつ客観的に評価するための能力を備えている。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
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教科書コメント |
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