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年度 2025
科目名 メディアカルチャー論
担当者名 藤本 憲一
単位 2.0
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科目目的
Course Objectives
マスメディアやネットメディア全盛の現代に至るまでの、有史上の文字・画像・音声・動画メディアにともなう文化発生の意味について、理解させる。宗教・祭祀・儀礼や、音楽・舞踊・歌曲といった芸能とともに、新旧さまざまなメディア形態が生まれては消えた、文化史的事実を学ぶ。併せて現代における複製技術・電子工学・デジタルテクノロジーの発展にともなう、演劇・映画・流行歌・ダンスといったエンターテイメント的な大衆文化(サブカルチャー)領域の急速な拡大について、その意味を理解させる。
到達目標
Class Goal
現在、日々身近に接しているテレビやネット、SNS、YouTubeなどのメディア文化の原点から成長、変化を経たのちの最終形態に至るまでの多様な背景と経緯を、人類史的な事実として知る。また各時代ごとに登場する最先端のメディアテクノロジーの生成流転とともに、多様なメディアカルチャーの蓄積がこれまでにあり、現代のメディアカルチャーもまた、その恩恵と悪影響の両側面を継承している点を学ぶ。
授業内容
The Content of the Course
大学生にとって身近なメディア文化事象に関する知識を学ぶとともに、自らの主体的・積極的な思考力を錬成するアクティブ・ラーニングによって、体系的・論理的な知識として再構築する方法論を学ぶ。
具体的には、各メディア文化事象ごとに、以下の3つのプロセスを繰り返し、たどることによって、論理的思考のトレーニングをおこなう。
①まずメディア文化事象に関する知見を、断片的な寄せ集め情報として聞き流すのではなく、自らの価値尺度を持ち、座標軸にプロットすることを通じて差異化し、分類・カテゴリー化する<分析プロセス>。
②次に、差異化した分類項目の中から、新しい価値尺度と座標軸の提示を通じて、共通項を見出し、パターン化する<類と種差のプロセス>。
③最後に、知識体系全体の中心に、論理の幹を据えることで構造化し、樹形図として再構築する<総合プロセス>。
この分析・総合という論理的思考トレーニングを体得することで、新しい未知の文化事象に出会ったとき、自力で主体的・積極的に情報収集した上で分析・総合し、問題の所在を見出して、自分なりに解決する「問題解決力」が身につく。
授業の序盤においては、身近なメディア文化事象に関する話題提供をおこなう。
授業の中盤においては、より大きな問題枠組に関して、まとまった長さの映像事例を提示することで、学生を思考実験プロセスに導く。
授業の終盤においては、フローチャートやマトリクスを援用し、学生一人ひとりがオリジナルな思考モデルを構築できるよう誘う。
授業計画
Class Plan
1回 常時接続体験とメディア文化現象
2回 メディア消費とメディア主体
3回 ゲーム・音楽・ダンスの流行と動画・webメディア
4回 YouiTube・TikTok・Instagramの文化形式
5回 視覚優位の時代と「インスタ映え」文化
6回 メディア文化と哲学・社会学・文化人類学
7回 映像事例①『(ハル)』(1996)
8回 映像事例②『セルラー』(2004)
9回 映像文化を読解する
10回 映像事例③『ソーシャル・ネットワーク』(2010) 
11回 映像事例④『SNS』(2021) 
12回 マトリックスと思考実験
13回 プレゼンテーションと相互批評(1)
14回 プレゼンテーションと相互批評(2)
15 回 まとめ

※期間中にゲストスピーカーを招聘する場合がある。

授業方法
Class Method
演習形式を採り入れた、テキスト(文字・写真・映像)の読解を中心に、フィールドワークやディスカッションを積極的に援用する。
また併せて、テキスト批評を自分独自の視点による、主体的なプレゼンテーションとしておこなうなど、アクティブ・ラーニング形式をも取り入れる。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
授業開始後に、受講者に開示する。
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
学生と教員とのディスカッションをおこなう。
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
授業中の思考トレーニングとは別に、次回までの課題を毎回課し、自分なりの思考トレーニングを促す。
たとえ机や筆記用具、パソコンのない環境での、手持無沙汰で一見ヒマなスキマ時間帯や場所(通学時・入浴時・休息時など)においても、常に思考トレーニングに適した環境は得られるため、授業時間外における積極的な哲学の学修を習慣づける。

また事前に、授業計画および授業方法に記載されているキーワードについて、調べておこと。
事後には、講義内容を復習し、専用のノートにまとめておくこと。
また関連文献を図書館等で調査し、読解するなどして理解を深めておくこと。

評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:小課題(20点)+最終課題(50点)+最終プレゼンテーション(30点)
受講人数が多数におよぶ場合には、学生の合意を得た上で、授業形態に多少の変更を加える場合がある。
授業進度に合わせて、課題(提出物)を課するため、事前に内容や実施日の予告・連絡はしない。
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
課題・提出物については学生から回収後、評価やコメントを加えて説明した上で、授業中に返却(再配付)する。
最終授業(まとめ)では、それまでの授業全体に対するフィードバックを行う。
教科書
Textbook
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
学生相互の共同演習をおこなう場合がある(受講人数によって、個人演習となる場合もある)。
講義では、DVD・ビデオなど映像資料を毎回使用する。
(映像視聴中に静粛を保てない者については、受講を認めない場合があるので、注意すること)


卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
1.知識・理解 1-1 社会生活に関わる事象に対し、社会的・経済的な観点から専門的な知識を有している。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
編集者・広告制作者・シンクタンク研究員としてのメディア現場における実務経験から、多様な文化財・文化事象・文化産業の現場における哲学・社会学・文化人類学的思考の重要点を、理論・実践の両面から指導する。
また多様な現場における表現者としての実務経験から、「文化の集積も最終的につきつめれば自分の哲学(ヴィジョン)に帰結する」ため、自分独自の世界観を構築・表現し、情報化・メディア社会を生き抜くための「サバイバル技法」としての知恵のあり方についても、指導する。
教科書コメント

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