シラバス参照 |
年度 | 2025 |
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科目名 | 社会調査演習 |
担当者名 | 中野 邦彦 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
本講義では、調査の企画、仮説構成、調査項目の設定、質問文・調査票の作成、対象者の選定、サンプリング、調査の実施、エディティング、集計、分析、仮説検証、報告書の作成までの全過程に携わることで、社会調査の基礎的技法と遂行能力を習得するを目指す。 |
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到達目標 Class Goal |
「社会調査」、「統計学」関連科目で学んだ知識をベースとして、以下の3点の能力を身につけることを目標とする。 ・自分の問題意識と関連させた上で調査の企画・構想力を身につける。 ・社会調査の一連のプロセスを実施できるようになる。 ・調査結果を他者に対してわかりやすく伝えることができる。 |
授業内容 The Content of the Course |
阪神電鉄との産学連携プロジェクトにおいて、質問紙調査の計画から実査、統計的分析、報告書の執筆、プレゼンテーション(阪神電鉄への提案を含む)の全プロセスを実習することで、調査の全体像を知る。本調査は9月の予定であるが、その準備として学内でパイロット調査を行い、一連の作業を繰り返すことで、調査遂行能力を身に付ける。本科目は、社会調査士認定科目の社会調査実習に該当する。 ーーーー 量的調査の企画・設計からデータの収集・分析、そしてプレゼンテーションに至るまで一連のプロセスを実際に経験する過程で学んでいく。本講義を通して調査の企画・設計から報告書の執筆、プレゼンテーションまで一連のプロセスを受講者が身につけることを目的とする。 1.調査のテーマ/領域: 阪神沿線居住者を対象とした健康意識に関する調査 2.調査の内容/概要: 阪神電鉄からの協力を得て、阪神電鉄が沿線価値向上の一環として特に注力している沿線住民の健康意識向上に関連するイベントにおいて来場者を対象とした意識調査を実施する。講義内では、当該イベントでのアンケート調査の実施に向けて、阪神電鉄担当者と打ち合わせを重ねながら調査の準備を進めていく。また、実査の前には、学内の学生を対象にパイロット調査を実施し、基本的な質問事項および健康意識に関する実態把握を行う。ここでの調査結果を踏まえて、学生と阪神電車の担当者と議論を行いながら調査項目の策定を行う。 3.調査の範囲/対象: 阪神電鉄が毎年開催している健康に関連するイベント「阪神健康メッセ」への来場者を対象とする。 4.主な調査項目: 以下は、調査協力先の阪神電鉄と調整中であり、前述の通り学内における学生を対象としたパイロット調査を経て調査項目を確定させる予定である。 ・日常的な生活習慣に関する項目 ・健康について心掛けていること ・健康食品等の摂取状況についてなど *最終的には阪神電鉄の確認と許可を経た後でないと質問項目は確定できないため、実査時点では大幅に変更する可能性もある。 5.データ収集(現地調査)の方法: 健康イベント来場者を対象に原則インターネット上のフォームでアンケート調査を実施する(一部携帯未所持者のために紙での回収も実施)。当該イベントでの具体的な実施方法に関しては、調査協力先でありイベントの主催者である阪神電鉄の運営方針に従う。 6.調査の実施時期・調査地・調査員の数: 実施時期:2025年9月(予定 例年の実施時期) 調査地:阪神甲子園 or 阪神梅田の関連施設 調査員数:講義受講予定者の30名 7.調査における学生のかかわり/役割: 本講義における学生の関与状況としては以下の通りである。 ・先行研究の収集及び整理 ・学内の学生を対象としたパイロット調査の実施 ・パイロット調査の結果を参考に本調査の質問項目の策定 ・データの回収及びデータセット作成・整備 ・データ分析、報告書の執筆、阪神電鉄への結果報告会でのプレゼンテーション ・成果報告書の作成 本講義では、調査実習の過程で社会調査の一連のプロセスを実地で学習していく。詳細は以下に示す通りである。 ・先行研究及び資料収集、関連情報の事前レク ・学内を対象としたパイロット調査の実施 ・質問項目の選定、調査票の作成 ・アンケート調査の実施 〜 データ回収、データセットの作成 ・データ分析、調査報告書の執筆 ・阪神電鉄への分析結果のプレゼンテーションおよび次年度以降の提案 |
授業計画 Class Plan |
第1週 1回 産学連携を行う阪神健康フェスタ・キッズイベントの趣旨の理解 第1週 2回 問題意識の意見交換と関連資料の収集 第2週 3-4回 問題意識の精緻化と先行研究の検討 第3週 5-6回 リサーチクエスチョンの設定 第4週 7-8回 質問文の検討および作業仮説の設定 第5週 9-10回 統計的分析の手順の想定 第6週 11-12回 阪神電鉄への報告書の想定 第7週 13-14回 阪神電鉄へのプレゼンテーション(次年度調査の提案を含む)の想定 第8週 15-16回 学内パイロット調査の質問票の作成 第9週 17-18回 学内パイロット調査の協力者への依頼 第10週 19-20回 学内パイロット調査の実施とデータセットの作成 第11週 21-22回 学内パイロット調査の統計的分析 第12週 23-24回 学内パイロット調査の報告書の執筆 第13週 25-26回 学内パイロット調査のプレゼンテーション 第14週 27-28回 学内パイロット調査の結果に応じた本調査の計画の修正 第15週 29-30回 9月の本調査に向けた阪神電鉄とのWEB会議 各回の内容はその週のみで完結するのではなく、以前に決定した内容を適宜修正していくことになる。また、常に次回以降の内容を念頭に進めることになる。授業の一環として、9月の実査への準備および参加と、それに続く統計的分析、報告書の執筆、阪神電鉄へのプレゼンテーションは必須である。 |
授業方法 Class Method |
対面形式 調査の準備、実施、報告書、プレゼンと全ての プロセスにおいてグループワークを行いながら進めていく。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
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アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
1. 講師が学生に対して個別に発問を行う 2. 学生同士で意見を述べ合い、合意点を見出す 3. 学生自らが調べ、作業を協力して行う |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
予習:授業のトピックについて事前に取り組んでおくこと。 復習:決定した内容に問題や改善できる点がないか、常に自問自答すること。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:調査の実施に向けた準備への貢献度 および 期末の調査報告書の提出による |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
調査のプロセスを一つずつ進める中で、必要に応じて コメントや修正を加えていく。 |
教科書 Textbook |
地域研究ハンドブック/中野邦彦, 本田正美/勁草書房 |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
地元企業である阪神電鉄との産学連携プロジェクトのもと、授業を行う。 |
受講上の注意 Notices |
1. 社会情報学科で開講された、社会調査、統計学の全単位を取得していること 2. PCと充電器を持参すること 3. 演習形式の特殊な講義のため、一般的な講義とは実施方法が大きく異なる。 そのため、受講希望者は必ず初回開催のガイダンスに参加すること。 4.外部企業と協力しながら作業を進めていくために課題等の期限は厳守とする 5.「社会調査」という大きなプロジェクトを進めていくために、1人だけでは 何もできない。受講者間のコミュニケーションや協力が多く求められる。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
3.思考・判断 3-3 データサイエンスの観点から身につけた専門的な知識や技能から、ICT社会の課題を論理的に分析し、問題を解決する能力を有している。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
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教科書コメント |
シラバス参照 |