シラバス参照 |
年度 | 2025 |
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科目名 | 自然環境保全学 |
担当者名 | 田端 敬三・阿野 晃秀・平松 幸三 |
単位 | 2 |
科目目的 Course Objectives |
里地里山、二次草原、湿地、河川、海辺環境の保全、生態系管理、都市景観、文化、音風景の視点から、人が自然環境、自然資源とどのように関わってきたかを振り返るとともに、自然環境を保全する方法について学ぶことを目的とする。 |
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到達目標 Class Goal |
人と自然のかかわりの中で、自然環境を保全していく方法を理解するとともに、理解した基礎的知識を建築・景観設計に活用する基礎的能力を培う。 |
授業内容 The Content of the Course |
自然環境を保全するため、ランドスケープエコロジー、ビオトープ、樹木医学、自然林再生など、都市緑地の育成・保護・保全についての基礎を学ぶ。次いで自然の多機能性を土地利用の在り方に活かす取り組みであるグリーンインフラストラクチャー(G.I.)について、雨庭を中心に学ぶ。さらに、五感から自然環境を認識する枠組みの代表例として、サウンドスケープ(音風景)の基礎から保護・保全までを学ぶ。 |
授業計画 Class Plan |
A.里地里山、二次草原、湿地、河川、海辺環境の保全、生態系管理(野生動物、外来種管理を含む)についての理解を深め、都市緑地の保護・保全について学ぶ。(田端 敬三) 1.緑地保全とランドスケープエコロジー(1)(ランドスケープの要素、機能など) 2.緑地保全とランドスケープエコロジー(2)(ハビタットモデル、ギャップ分析など) 3.樹木医学の基礎(樹木の衰退度診断、樹勢回復のための土壌改良、外科手術など) 4.都市での自然林の再生(明治神宮の森、万博公園の森づくり) 5.ビオトープの設計と管理(京都市梅小路公園内のビオトープいのちの森の事例紹介など) B.自然の多機能性を土地利用の在り方に活かす取り組みであるグリーンインフラストラクチャー(G.I.)について学ぶ。特に、昨今の気候変動に伴い激甚化する集中豪雨への対策として注目される「雨庭」を中心に扱う。(阿野 晃秀) 6.雨庭とはなにか 7.伝統的な土地利用にみる雨水管理 8.雨水管理機能の定量評価 9.G.I.と植栽デザインの新潮流 10.バイオフィリックデザイン(子ども〜アート〜自然) C.自然環境・音風景の保護・保全に関するさまざまな問題の解決への取り組みについて学ぶ。(平松 幸三) 11.サウンドスケープ(音風景)とはなにか 12.サウンドスケープ概念の史的背景 13.サウンドスケープ概念の環境思想としての意義 14.サウンドスケープ調査の方法 15.サウンドスケープの保全とデザイン レポート試験 ※授業の状況等に応じ、上記の予定を調整することがある。 |
授業方法 Class Method |
授業は講義形式で行う。授業中に小テスト、小レポートなどを課す。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
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アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
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準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
講義で学んだことを、授業ノートや配付プリント等に基づき継続的かつ反復的に復習すること。自らの知識として吸収するだけでなく、常日頃から建築・景観設計との関係を自分自身で考え、設計に活用できるようにすること。 |
評価方法 Evaluation Method |
・レポート[作品含む](70点) ・平常点(30点) 平常点等配点内訳:小テスト等(30点) |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
小テストは評価後、次の授業で解説を行う。最終授業で全体に対するフィードバックを行う。 |
教科書 Textbook |
サウンドスケープ―その思想と実践(SD選書)/鳥越 けい子/鹿島出版会 |
参考書 Reference Books |
景観生態学―生態学からの新しい景観理論とその応用/モニカ・G.ターナー 他 著/文一総合出版 いのちの森―生物親和都市の理論と実践/森本 幸裕、夏原 由博 編著/京都大学学術出版会 景観の生態史観―攪乱が再生する豊かな大地/森本 幸裕 編著/京都通信社 最新・樹木医の手引き/日本緑化センター 編/日本緑化センター 人のつくった森―明治神宮の森「永遠の杜」造成の記録/東京農業大学地域環境科学部 著/東京農業大学出版会 Connectivity of Hills, Humans and Oceans -Challenge to Improvement of Watershed and Coastal Environments/清水 夏樹、舘野 隆之輔、笠井 亮秀、向井 宏、山下 洋 編/京都大学学術出版会 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
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受講上の注意 Notices |
アンケートによって授業内容に対する学生の意見を求め、授業の改善に役立てる。 補習、再試験について:定期試験において不合格となった学生は、所定の期間に再試験受験手続を行うとともに、2月中に開講する補習を必ず受講し、指示されたレポート等を提出の上、2月下旬に行われる再試験を必ず受験すること。補習に出席しない場合は、再試験受験手続を行っていても原則として不合格とする。レポートの点数は、上記評価方法における平常点等に加算する。再試験の評価は、上記評価方法による合計点に0.8をかけた得点とし、60点以上の得点はすべて60点とする。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
A.高い知性 〇A-3 B.善美な情操 ◎B-2 歴史、文化、国際社会、地球環境を理解する基礎的知識を修得し価値観を培う。 C.高雅な徳性 ◎C 社会の仕組みや現代社会の問題点を理解する能力と継続的に学習できる能力を培い、自律的活動ができる職能人としての素養を理解する。 ※◎は特に対応する学習・教育到達目標、○は対応する学習・教育到達目標を示す。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
田端敬三 長期間にわたっての都市域および都市近郊の森林での調査研究、都市のビオトープでのモニタリング活動などの実務経験に基づき、自然環境の保全に関し教授する。 阿野晃秀 雨庭の設計など、環境の保全・創造に関する長年の経験に基づき、自然環境保全に関し教授する。 平松幸三 山鉾町のサウンドスケープに関する研究を始めとした長年のサウンドスケープ研究や、日本サウンドスケープ協会の設立・運営、さらに国内外を問わない多数のサウンドスケープ関連事業に関わってきた経験に基づき、サウンドスケープに関し教授する。 |
教科書コメント |
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