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年度 | 2025 |
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科目名 | 音楽教育学研究 |
担当者名 | 大澤 智恵・峯 恭子 |
単位 | 4.0 |
科目目的 Course Objectives |
本科目では、近年の音楽教育研究において、どのようなアプローチで課題解決を図っているのかを学び取り、学生自らの問題意識と結びつけながら思考する力を養う。 |
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到達目標 Class Goal |
音楽教育学の理論的な思考法を理解し、自らの考えを述べることができる。 |
授業内容 The Content of the Course |
音楽教育学研究の基本的な方法を理解した上で、音楽教育研究諸領域の基本的なスタイルや語彙をふまえ、実習と議論を行う。履修者による発表では授業内容をふまえ、学生各自の関心に基づいたテーマの文献レビューや調査研究報告を行う。 |
授業計画 Class Plan |
<前期> 第1回 ガイダンス、音楽教育学研究とは 第2回 さまざまな研究法:質的研究とは 第3回 音楽科教育の存在理由・意義を考える 第4回 サウンドエデュケーションを通した即興演奏の体験 第5回 集団即興演奏とそのファシリテーションの体験 第6回 インタビュー調査(音楽観・音楽との関り方の変化と言語化)の演習:インタビューの技術と準備 第7回 インタビュー調査(音楽観・音楽との関り方の変化と言語化)の演習:インタビューの実践 第8回 インタビュー調査(音楽観・音楽との関り方の変化と言語化)の演習:インタビューの内容記述と考察 第9回 授業内個人研究テーマの研究方法および結果に関するディスカッション 第10回 研究のまとめかた(構成、イントロダクション〜方法) 第11回 研究のまとめかた(構成、イントロダクション〜方法) 第12回 研究のまとめかた(結果〜考察の記述方法、結論への論旨の展開方法) 第13回 研究のまとめかた(結果〜考察の記述方法、結論への論旨の展開方法) 第14回 研究発表準備について(スライドの作成、話し方) 第15回 履修者による各自の研究報告とディスカッション <後期> 第16回 さまざまな研究法:量的研究、混合研究法とは 第17回 音楽教育学研究の枠組みと音楽教育研究の基盤となる学術領域 第18回 研究の目的と構成、リサーチクエスチョンから研究計画へ 第19回 研究倫理・著作権、レポートの執筆方法(レポートの目的と結論、引用文の扱い、文献リスト) 第20回 各自のテーマに沿って文献リストを作ろう:文献管理のテクニック、先行研究のレビューの意義と技術、クラウドを用いたメモ及びまとめ作成環境の整備 第21回 意図をもって論文を読む(研究の目的・結論と構造をみる) 第22回 意図をもって論文を読む(研究の方法と結果〜考察の妥当性を検討する) 第23回 実験計画法、独立変数と従属変数、説明変数と目的変数 第24回 分析ツールのいろいろ(動画・音声に注釈をつける) 第25回 分析ツールのいろいろ(数値の整理と演算ツール) 第26回 論文・レポート執筆のための下書きツールを使って上手に執筆を進めよう 第27回 論文執筆ツールの選択と効果的な使い方:Wordを使いこなすか、LaTeXを使うか 第28回 基本統計量の記述とグラフによる視覚化 第29回 分散分析と相関の検定 第30回 研究内容をプレゼンテーションする 各自のテーマ例 音楽の知覚認知と記憶/心身の発達と音楽行動/演奏スキルのしくみ/音楽教育実践の質的・量的研究/音楽教育の実践的研究/ヒトはなぜ音楽をするのか/教育制度・学習指導要領の変遷と音楽教育史/実践知とわざ言語/ 諸外国の音楽教育/音高と音程の認知の2側面を考慮した歌唱と器楽の指導法(音名・階名、固定ド・移動ド) テーマ追究の進捗状況をできるだけ頻繁に他の受講生と共有できるよう、ほぼ毎回、各自のトークと議論の時間を設ける。上記にあてはまらない研究やその方法を学びたい場合は、相談の上対応するほか、理解や関心によって補足事項が生じるため、計画を変更することがあり得る。 |
授業方法 Class Method |
課題発見・解決型授業 授業の進捗状況等により、取り扱う授業内容やその順序等を変更することがある。また、オンデマンド授業に切り替えることがある。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
ckurrya 招待コード https://classroom.google.com/c/NzQ0ODA1NzQ0MDA4?cjc=ckurrya |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
各自の授業内研究テーマに沿って、リサーチクエスチョンをもとに、国内外の研究状況を調査し、相互に情報を共有し、ディスカッションを行う。また、効果的に調査研究を進めるための各自の環境づくりを、各回のトピックをもとに個々の状況にあわせて進めていく。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
各自の設定したテーマに沿って文献やデータを収集する。また、それらについて検討、分析する。 レポートは、卒業論文と同様、アカデミック・ライティングの書式で執筆する。これまでにいくつかの科目で学んできたことと思われるが、改めて書き方について学び、定着するよう務めながら、少しずつ執筆していくこと。 文献紹介の際は、文献を共有し紹介することに加え、対象とする文献の要約・考察・討論の視点を提示する。基本的な用語の定義や、討論の視点となる周辺情報を調べておくこと。 |
評価方法 Evaluation Method |
・レポート[作品含む](40点) ・平常点(60点) 平常点等配点内訳:授業への積極的参加度(20点) 、プレゼンテーション(40点) |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
各回のショートトークと議論の際に、発表内容や資料についてコメントする。 また、学期末のレポートに関しては、評価後、授業時もしくはオフィスアワーにコメントと評価のポイントを伝える。 |
教科書 Textbook |
音楽教育研究ハンドブック/日本音楽教育学会/音楽之友社 |
参考書 Reference Books |
音楽科における教師の力量形成/高見仁志/ミネルヴァ書房 演奏を支える心と科学/R. パーンカット、G. マクファーソン(編)、安達真由美、小川容子(監訳)/誠信書房 実践知: エキスパートの知性/金井壽宏、楠見孝/有斐閣 新しい小学校音楽科の授業をつくる/高見仁志(編)/ミネルヴァ書房 新版 中学校・高等学校教員養成課程 音楽科教育法 /齊藤忠彦/菅 裕 編著/教育芸術社 「こつ」と「スランプ」の研究 身体知の認知科学/諏訪正樹/講談社 よくわかる音楽教育学/小川昌文、田邊裕子、戸谷登貴子、田中路、 清水稔 (編著)/ミネルヴァ書房 中学校音楽「主体的に学習に取り組む態度」の学習評価完全ガイドブック/長谷川諒/明治図書出版 音楽心理学入門/星野悦子(編著)/誠信書房 子どもたちは音楽科授業にいかに参加しているか 知識と探究のマイクロ・エスノグラフィ/森薫/ミネルヴァ書房 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
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受講上の注意 Notices |
音楽教育の分野で特に関心のある分野について、自らテーマを設定し追究する姿勢をもつこと。 履修者の関心やニーズに応じて扱う内容の詳細を決定していくため、積極的な取り組みや意思表明を期待する。 授業の進捗状況等により、取り扱う授業内容やその順序等を変更することがある。また、オンデマンド授業に切り替えることがある。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
1.知識・理解 1-2 音楽以外の芸術・医学・心理学・情報メディアなど幅広い分野の知識を有している。 2.技能・表現 2-3 生涯学習における音楽指導、学校における音楽指導者としての知識や技術を習得している。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
高等学校と小学校での教員経験、音楽研究所の研究員として、カリキュラム作成のベースおよび講師教育に生かすための調査研究を行なった経験と、それらにより得られた知識をもとに、音楽教育研究のノウハウや音楽的能力の発達について解説する。 |
教科書コメント |
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