シラバス参照 |
年度 | 2025 |
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科目名 | 物理化学Ⅰ |
担当者名 | 濵口 良平 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
医薬品の体内動態や安定性を理解する際に必要な物理化学的視点を養うため、物質の基本的な性質を修得するとともに、物質の変化における速度論に関する基本的な知識を修得する。 |
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到達目標 Class Goal |
1)物質間の相互作用や物質と電磁波の相互作用に関する知識を身につける。 2)物質の変化を速度論的に取り扱うために必要な知識を身につけるとともに、その検証に必要な数学的スキルを身につける。 |
授業内容 The Content of the Course |
薬物は、長期保存により分解して別の物質に変化する。また、体内に投与した薬物は時間とともに代謝・排泄され消失する。これらの例をはじめ、反応の進行速度を知ることは実用上重要な問題だが、どのように定量できるのだろうか?本講ではまず、反応速度の基本的な考え方を学び、速度定数や半減期などに関する基本計算を習得する。さらに反応速度論で重要な、複合反応、反応速度と温度との関係、触媒反応についても学ぶ。次に、分子同士、あるいは分子と電磁波の間に働く様々な相互作用の性質について学び、それらを分類・説明できるようにする。これらを通じて物質がどのように変化していくのか、またどのように相互作用するのか理解する基礎を身につける。 |
授業計画 Class Plan |
必修科目 【I】物質の変化 (C1-4-1), C1-4-2)) 第1回 反応速度の基本的な考え方と反応速度式 第2回 一次反応 第3回 二次反応、零(ゼロ)次反応 第4回 反応次数の決定法 第5回 擬一次反応 第6回 複合反応1:可逆反応 第7回 複合反応2:平行反応と連続反応 第8回 中間テストとフィードバック 第9回 反応速度と温度との関係:Arrhenius式 第10回 触媒反応 【II】物質間、電磁波との相互作用 (C1-1-2), C1-1-3), C1-2-1), C1-2-2), C1-2-3)) 第11回 分子間相互作用1:ファンデルワールス力・静電相互作用・双極子間相互作用 第12回 分子間相互作用2: 分散力・水素結合・電荷移動・疎水性相互作用、医薬品と生体高分子の相互作用 第13回 電磁波の種類と性質、吸光係数と吸光度、光による分子の振動遷移・回転遷移・電子遷移 第14回 光の屈折・偏光・旋光性、光の散乱・干渉 第15回 全体のまとめと確認 定期試験 |
授業方法 Class Method |
この科目は、講義型授業と演習型授業を並行して行う。 講義型授業は、教科書およびプリントを用いた説明を主体とするが、演習問題も行い双方向授業を行う。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
別途、info@MUSESにて連絡する。 |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
特に反応速度の基本的な考え方について、少人数のグループ内で説明と質疑を行うことで理解を深める。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
本科目の単位数は2である。本学では、45時間の学修時間を必要とする内容の授業科目に1単位を認定することを標準としており、学修時間には、授業時間だけでなく、予習・復習等授業時間外での学修時間も含まれるとされている。 1)予習:教科書対応部分の「学生へのアドバイス」および「このSBOに必要な予備知識」を読み、予備知識に不足があると思った場合は事前に補っておくこと。また特に反応速度論の計算に関しては、教科書の前見開きにある 「簡単な数学関係式」および「数学定数」を多く用いるため、これらの数学について理解に不足がある場合は事前に習得しておくこと。 2)復習:第1回〜第10回については、基本概念やポイントとなる式を他者に説明可能な程度まで理解すること。その上で、反応速度式に関する練習問題や教科書の例題を確実に解答できるようにすること。 第11回〜14回については駆け足で進行するため講義に対応した部分のテキストを読み復習を行うこと。また、知識の整理を行う場合は、例えば、教科書p50表7・2あるいはp62図11・2のような図表を何も見ずに書く練習が有効である。 |
評価方法 Evaluation Method |
・試験期間中に試験を実施(80点) ・平常点(20点) 平常点等配点内訳:中間テスト20点 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
講義型授業および演習型授業に使用する演習問題については、授業中あるいはGoogle Classroom等にて解答・解説を明らかにする。また、小テスト(中間テスト)や定期試験については、希望者に対して対面でフィードバックを実施する。 |
教科書 Textbook |
新スタンダード薬学シリーズ 第3巻 基礎薬学 I. 物理化学/新スタ薬シリーズ編集委員会 編/東京化学同人 |
参考書 Reference Books |
物理化学入門シリーズ 反応速度論/真舟文隆・廣川淳/裳華房 マンガ 化学が驚異的によくわかる/ラリー・ゴニック クレイグ・クリドル 小林茂樹 訳/白揚社 |
地域との連携 Cooperation with the Community |
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受講上の注意 Notices |
式の意味などを理論的に理解することを意識すること。その上で、基本的な計算問題にも十分慣れ確実に解けるようにすること。 参考書について、(シラバスで取り上げたものに限らず)自分に合うものを探し、活用するとよい。 『物理化学入門シリーズ 反応速度論』は、反応速度論の教科書であり、時間と濃度の関係図などの見やすい図が多数掲載されており、また丁寧な文章説明がされている。 『マンガ 化学が驚異的によくわかる』は、大学の基礎化学をカバーし、物理化学の内容が多い。マンガ形式のため式だけではわかりにくい概念をイラストで理解する助けになる。 同時期開講科目「薬学基礎演習C」において知識定着を目指した演習を行うので、合わせて受講し、積極的に取り組むことが望ましい。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
2-1.薬剤師に求められる専門性を発揮するための科学的根幹となる基礎薬学の知識を修得している。 2-2.責任ある薬物治療を実践するための基盤となる医療薬学、薬物治療の個別最適化を実践するための臨床薬学に関する知識を修得している。 2-3.健康の維持・増進と環境衛生に貢献するために必要な衛生薬学の知識を修得している。 5.進歩する医療や科学について、自己および他者と共に研鑽しながら生涯にわたり学び続ける意欲と姿勢を備えている。 7.社会貢献とキャリア形成につながる基礎薬学的な科学技能を身につけ、新たな価値を創造する力を備えている。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
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教科書コメント |
シラバス参照 |