シラバス参照 |
年度 | 2025 |
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科目名 | 発達臨床心理学特論 |
担当者名 | 河合 優年 |
単位 | 2.0 |
科目目的 Course Objectives |
人の生涯発達について、発達のコースと発達的変化を創り出す仕組みについて学習する。時間軸に沿った人の変化は、個体要因や環境要因によって左右される力動的な存在である。これらの力動的な関係を発達段階ごとに理解し、対人援助において活用できる実践力につなぐ。 |
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到達目標 Class Goal |
人の発達過程を複眼的にとらえることが出来るようになる。そのことを通して実践的応用力を形成する。 |
授業内容 The Content of the Course |
本授業の具体的な到達目標は、 ①人間の発達に関する理論的枠組みを理解し、実践場面において応用する力を持つ。 ②発達段階に応じた人間行動の特徴を理解する。 ③各自の実践現場において、授業で得られた発達の考え方を有効に活用することができる。 授業は原則対面であるが、勤務の関係で登学できない場合には、リモートでの授業参加を認める。リモートの場合はクラスルームのmeetを介して受講する。 対面の場合も遠隔の場合も、記録をクラスルームに保存するので、欠席した場合には授業内容を確認し、各自キャッチアップすること。 授業の中で数回、内容に関して受講者によるディスカッションを行い、授業内容の結晶化を行う。ディスカッションの場合には小レポートの提出を求める。 授業進行とその形態については第一回授業時に伝える。 |
授業計画 Class Plan |
授業の進み方によって順番が変化することがある。 第1回.心理学とは何か・発達心理学とは何か 第2回.発達の諸理論:発達がどのようなメカニズムで形成されるのかについての主な理論について学ぶ。 第3回.発達段階と適時性:乳児期から老人期までの発達段階の特徴とそれぞれの段階で習得されるべき課題を、環境との相互作用に関する適時性という視点から述べる。 第4回.幼児期の特徴(1):乳児期から幼児期にかけての認知能力の発達、情動の発達について述べる。 第5回.幼児期の特徴(2):社会的関係性の成立とその発達について議論する。 第6回.児童期の特徴(1):主として児童期の認知能力の発達について考える。 第7回.児童期の特徴(2):仲間関係に見られる社会的関係性について考える。 第8回.言語発達:乳児期から児童期までの社会的関係性と密接に関係する言語について、言語の獲得と語彙の発達、コミュニケーション能力との関係から議論する。 第9回. 社会性の発達:児童期後期から青年前期(いわゆる思春期)における社会性の発達といじめ不登校などの今日的な問題の関係について議論する。 第10回.青年期の特徴:児童期までに獲得された諸能力を使って、自己と他者との関係性がどのように展開されていくのかという視点から、青年期の特徴を考える。 第11回.老人期の特徴 第12回.発達の評価:発達検査で何が分かるのか、発達段階に応じた諸機能の出現との関係から議論する。 第13回.これまでのまとめ:人間とは何か、発達とは何かについて総合的に考える 第14回.発達と教育:人が変化するという点で同じように見える教育との関係から発達を捉えなおす。 第15回.まとめ:発達臨床心理学の役割と臨床教育学について受講生一同で考える。 |
授業方法 Class Method |
授業は対面で行いますが、資料や質問への回答などは、クラスルームを介して行う。 授業ノートは各回の前にクラスルームを通じて配信するので必ず予習しておくこと。 対面実施が難しい場合には、状況に応じてMeetを使った双方向の遠隔授業を用いる。 履修登録を終えたらClassroomに入り、第1回ガイダンスの内容を確認するように。 |
Google Classroom クラスコード Google Classroom - Class Code |
dvp25mk |
アクティブ・ラーニングの形態 Form of Active Learning |
各回ともに質疑応答の時間を設ける。 |
準備学習(予習・復習等) Review and Preview |
予習:Classroomで配信されたノートを読んでおくこと。必要に応じて関連資料を配信するので、指示に従って事前学習しておくこと。 復習:各回にといて受講生からの質問をクラスルームで受付ける。それに関してさらに受講生間の議論を行うこと で知識を実践知に変換してゆく。授業内容を各自の実践場面でどのように応用できるか考え、関連文献を集めるなどレポート準備を進めること。 |
評価方法 Evaluation Method |
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:小レポート 60点(30点×2回) 授業への積極的参加 20点 課題 10点 |
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法 Task Feedback |
レポートへのフィードバックはClassroomもしくは個人あてのメールを通じて行う。守秘性の高い課題の場合には個別にフィードバックする。 |
教科書 Textbook |
本授業では、担当教員が作成した授業ノートを使用します。 |
参考書 Reference Books |
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地域との連携 Cooperation with the Community |
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受講上の注意 Notices |
大学院における授業は積極的な参加が求められる。このため、授業内でも疑問や意見があれば適宜質問するように。 |
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連 Relation to the Diploma and Degree Policy |
知識(2.“生きること”につながる専門性) 2.対人援助を実践・研究する高度専門職者あるいは研究者として、専門研究領域と臨床現場を結び付け、人々への支援のあり方について提案・実践することができる専門的知識やスキルを有している。 姿勢(3.自他を尊重する姿勢) 3.人権および個々人固有の存在価値を等しく尊重し、倫理を重んじながら、研究および実践の場において職務を遂行することができる。 姿勢(5.逆境や困難に対応するしなやかな姿勢) 5.直面する様々な困難や逆境の中にあっても、客観的に状況判断を行い、諸資源と連携しながら対処・支援していくことができる、しなやかな姿勢を身につけている。 行動(6.論理的に考え伝える力) 6.臨床や研究において、様々な事象を客観的・批判的に捉えて分析し、その内容を論理的に他者に伝え、納得させることができる。 行動(8.多様な人々と協働する力) 8.多様性と人権を尊重する共生社会の構成者としての自覚をもち、様々な職種や立場の人々と連携しながら、よりよきものを目指して取り組むことができる。 |
実務経験と授業との関連 How the Instructors' Experiences will shape Course Contents |
発達に関する研究を長年にわたって行ってきた経験から、知識を知恵に変換することの重要性を強く意識している。本授業では、研究者から現場へ、現場から研究者へという往還からその実践性について説明する。 |
教科書コメント |
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