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年度 2025
科目名 心理アセスメントの理論と実際
担当者名 中井 昭夫
単位 2.0
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科目目的
Course Objectives
心理教育的アセスメントの理論と実践方法、代表的な知能テスト、発達テストについて、アクティブラーニングによりプレゼンテーションを行う。グループディスカッションにより、知能とは何かなどについて議論を行う。また、神経発達症で用いられる国際的アセスメントについて学習を行う。これらを通じて、結果の分析、解釈、支援計画の作成方法を学ぶ。これらのアセスメントにより、特性や客観的課題の把握を行い、支援計画を作成するためのスキルを高める。
到達目標
Class Goal
保育・教育現場でも課題となる子どものさまざまな特性のアセスメントによく使用される心理検査(知能テスト、発達テスト、認知テスト)を自ら学習し、他者にプレゼンテーションを行うことにより、測定されているものは人間のどの能力なのかなどについて議論する。さらに、各神経発達症の国際的アセスメントなどについて学修することにより、客観的アセスメントの結果が反映された支援計画作成ならびに他者の作成した計画の理解・実践ができる。
授業内容
The Content of the Course
教育現場や心理臨床場面でアセスメントに使用されることが多い、あるいは今後必要となってくる神経発達障害に関する国際的な評価尺度についての知識を培い、また、いくつかのアセスメントについては実際に受講生自身が参加・体験型の授業の中で習得する。同時に、心理検査によるアセスメントの有効性と限界についても理解する。
授業計画
Class Plan
授業方法は全ての授業回をオンライン(リアルタイム)とする。

心理・教育などで必要なアセスメントについて概説できるようにするだけでなく、いくつかの検査については実際に体験することで理解を深める。

第1回 心理・発達のアセスメントについて〜フォーマルとインフォーマルアセスメント〜
第2回 知能テストについて(1) WISC-Ⅳ
第3回 知能テストについて(2) WISC-Ⅳ
第4回 発達テストについて  新版K式
第5回 認知処理能力の検査 K-ABCⅡなど
第6回 認知処理能力の検査 DN-CASなど
第7回 集団討議〜知能とは?知識・知恵とは?学力との関係〜
第8回 集団討議〜多重知能、社会情動コンピテンス、Gifted・2E〜
第9回 神経発達障害のアセスメント(1)自閉症スペクトラム障害(ASD)M-CHAT、SRS、ASSQ、ADI-Rなど
第10回 神経発達障害のアセスメント(2)注意欠如・多動性障害(ADHD)ADHD-RS、Connersなど
第11回 神経発達障害のアセスメント(3)限局性学習障害(SLD)・ディスレクシア・算数障害 稲垣式、STRAW-Rなど
第12回 神経発達障害のアセスメント(4)発達性協調運動障害(DCD)DCDQ、M-ABCなど
第13回 神経発達障害のアセスメント(5)感覚の問題 JSI-R、SPなど
第14回 適応行動の発達水準のアセスメント Vineland-II適応行動尺度
第15回 アセスメントについての集団討議〜アセスメントから支援につなげるために〜
授業方法
Class Method
臨床教育学にとって、現場で出会う子どもたちの包括的なアセスメントと、それらの結果に基づいた支援が重要である。現在、使用されている主な心理検査について概要を調べ、知識を共有する。また、実際の現場で遭遇することが多い検査、また次々と開発されている国際的アセスメントの日本語版などのいくつかに関しては、実際に体験する。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
py2wysl
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
実際の検査を体験、また、プレゼンテーション、グループディスカッション、ディベート形式などを取り入れる。
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
予習:授業で受講生自らでその概要を発表してもらうので、代表的アセスメントについて教科書や文献等であらかじめ知識を得て、まとめておくこと。
   
復習:授業終了後、受講生が属している臨床の現場で実際に使用されている検査やその解釈などについて調べてみる。
評価方法
Evaluation Method
・平常点(100点) 平常点等配点内訳:授業への積極的参加態度 20点 発表や集団討論での内容 30点 中間レポート 20点 最終レポート 30点
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
発表に対し、コメントなどを行う。
教科書
Textbook
発達障害児者支援とアセスメントのガイドライン/辻井正次(監修)/金子書房
公認心理師技法ガイド〜臨床の場で役立つ実践のすべて〜/下山晴彦(編集主幹)/文光堂
参考書
Reference Books
臨床心理学 発達障害のアセスメント/下山晴彦・黒田美保(編)/金剛出版
地域との連携
Cooperation with the Community
様々な現場に所属する対人援助職にとっては、たとえ自ら検査を実施しなくても、アセスメントの基本的知識は必要である。
受講上の注意
Notices
商品として発売されているものや、現在開発中のアセスメントについても紹介するため、無断使用や複製・配布など使用上の規範や倫理的または著作権など法的な事項に留意する。

受講生はオンラインシステム(meet)における、プレゼン資料の画面共有、Classroomのストリームへのアップロードなどに関する知識、スキルを身につけておくこと。


卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
知識(1.多様化・複雑化する社会を理解する力)
1.多様化・複雑化する社会で生じる様々な事象について、それらが生じる歴史的、文化的、社会的、個人的背景や要因を紐解き、理解するに必要な広く深い知識を有している。
知識(2.“生きること”につながる専門性)
2.対人援助を実践・研究する高度専門職者あるいは研究者として、専門研究領域と臨床現場を結び付け、人々への支援のあり方について提案・実践することができる専門的知識やスキルを有している。
姿勢(3.自他を尊重する姿勢)
3.人権および個々人固有の存在価値を等しく尊重し、倫理を重んじながら、研究および実践の場において職務を遂行することができる。
姿勢(4.失敗を恐れず挑戦する姿勢)
4.新たに生じる多様な研究課題や臨床的課題に対して、前例に捕らわれることなく、試行錯誤をしながら果敢に挑み続け、課題解決を達成しようとする姿勢を身につけている。
行動(6.論理的に考え伝える力)
6.臨床や研究において、様々な事象を客観的・批判的に捉えて分析し、その内容を論理的に他者に伝え、納得させることができる。
行動(8.多様な人々と協働する力)
8.多様性と人権を尊重する共生社会の構成者としての自覚をもち、様々な職種や立場の人々と連携しながら、よりよきものを目指して取り組むことができる。
実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
小児科専門医・指導医、子どものこころ専門医・指導医、公認心理師、臨床発達心理士、日本小児精神神経学会認定医、子どもの心相談医として、大学病院、一般病院、こども療育センター、福井大学「子どものこころの発達研究センター」、連合大学院小児発達学研究科、兵庫県立リハビリテーション中央病院「子どもの睡眠と発達医療センター」等で、また、NPO法人活動等を通じて、発達障害、小児精神障害、様々な子どものこころの問題や小児睡眠障害について診療、研究、教育、支援活動に携わってきた経験を授業に還元する。
教科書コメント

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