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年度 2025
科目名 建築構造設計論B
担当者名 鳥巣 茂樹・田川 浩之
単位 2
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科目目的
Course Objectives
より高度な構造システムや構造設計の実例を通して、現代建築に用いられている先端的な構造システムや構造設計を実践的に学ぶ。これにより、現代建築における構造設計の重要性と、その実践的技術を修得することを目的とする。
到達目標
Class Goal
建築の安全性を確保するために重要な、構造設計にかかわる先端的技術を積極的に吸収する。吸収した技術を踏まえて、「強」の視点から、空間を構成する実践的能力をより向上させる。
授業内容
The Content of the Course
「鉄とコンクリート」を用いた様々な構造システムが近代建築を創ってきたと言えるが、前半はその構造システムについて概観し、ベーシックな構造力学で理解可能なことを学ぶ。後半は現在行われている構造設計体系およびその規範(Design Criteria)と規定について学習する。最後に簡単な設計により構造設計の一端に触れるとともに、建築の構造に関わる問題の演習も合わせて行う。
授業計画
Class Plan
「構造システムの見方」(鳥巣)
第1回:各種構造体の特性「寓話『三匹の子豚』が示唆するもの」
第2回:片持ち構造「タワーも超高層も大きく見れば片持ち構造」
第3回:大スパン構造「大スパン構造は、単純梁で理解できる」
第4回:静定構造など構造力学の復習

第5回:建築構造に関する総合問題の演習(1)(田川) 

「構造設計に配慮するべき事象」(鳥巣)
第6回:挿話「WTCの構造-WTCは何故崩壊したか(冗長性)」
第7回:動的・継時的事象「地震動・振動・疲労・沈下・クリープなど」

「構造設計の体系-1」(鳥巣)
第8回:設計規範と安全率「使用限界・損傷限界・安全限界とは」
第9回:設計荷重と許容応力度「設計基準・材料規格・施工仕様は三位一体」
 
第10回:建築構造に関する総合問題の演習(2)(田川)

「構造設計の体系-2」(鳥巣)
第11回:仕様規定と部材のプロポーション
第12回:実構造体と解析モデル

「構造設計演習」(鳥巣)
第13回:簡単な構造体の設計演習
 
「構造設計の体系-3」(鳥巣)
第14回:耐震設計と保有水平耐力「耐力型か、靭性型か」「耐震・免震・制振」

第15回:建築構造に関する総合問題の演習(3)(田川)

定期試験

授業の状況等に応じ、上記の予定を調整することがある。

授業方法
Class Method
講義は日本語で行うが、提示する資料の主なキーワードに英語を併記する。少人数と思われるので、出来るだけ対話的に講義を進めたい。上記の講義順に必ずしも拘らず柔軟な講義にする方針。また、各自が理解度を自覚するためにも、小レポート・演習問題あるいは自己採点形式のテスト問題などの課題を(7回程度)課すものとする。その他、家具など身近で単純なものを構造的視点からエスキースし、発表し合う場も設ける。
Google Classroom クラスコード
Google Classroom - Class Code
アクティブ・ラーニングの形態
Form of Active Learning
授業の一部で発表、ディスカッションを行う。
準備学習(予習・復習等)
Review and Preview
講義の内容を復習し、疑問点や納得できない点があれば、文献やネットで自主的に調べること。事例や演習問題を通して、力学の概念を学ぶことが重要となる。その概念を自分の言葉やイメージで説明できるようにすることが理解への道となる。受講者相互で議論あるいは教え合うことも一法。
評価方法
Evaluation Method
・試験期間中に試験を実施(40点)

・平常点(60点) 平常点等配点内訳:レポート・小レポート・問題演習(60点)
課題(試験やレポート等)に対するフィードバックの方法
Task Feedback
・小レポートは、各自が対象を選び各自の視点から建築構造に関する問題を論じるものとするため、履修者が相互に閲覧できる電子データとする。また、評価ポイントとなる視点について解説する。
・最終レポートのエスキースは、授業で各自が発表し相互に講評する。

教科書
Textbook
学部で使用した教科書(和田章他「建築構造設計概論」など)・斎藤公男著「新しい建築のみかた」・坪井善昭他著『「広さ」「長さ」「高さ」の構造デザイン』・等様々な書籍があるので、自分に合った参考書を見付けること。
参考書
Reference Books
地域との連携
Cooperation with the Community
受講上の注意
Notices
学部において、構造系の選択必修科目を履修していない場合は、授業内容の理解が困難な場合があるので注意が必要である。また、学部における構造系の必修科目については、十分な復習をして受講することが望まれる。
卒業(修了)認定・学位授与の方針との関連
Relation to the Diploma and Degree Policy
A.高い知性 ◎A-2(6年)構造や諸災害などに対する安全性を「強」として理解し、その基礎的・先端的技術を積極的に吸収し、演習や実習によって空間的に構成する実践的能力を修得する。
※◎は特に対応する学習・教育到達目標を示す。

実務経験と授業との関連
How the Instructors' Experiences will shape Course Contents
本科目は一級建築士となるために必要な、実務経験2年の一部を構成するインターンシップ関連科目(講義)である。豊富な建築構造設計の実務経験を活かし、基礎科学的視点では捉え難い建築の構造設計に潜在する問題を、建築設計者として実践的あるいは工学的に俯瞰あるいは概観する能力を教授する。
教科書コメント

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